合唱幻想曲
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本作は交響曲第5番と同時期の作品だが、この曲には既に交響曲第9番の歓喜の合唱の原型が現れている。管弦楽と合唱を組み合わせるという試みや、その旋律は、後の『第九』へと至る主要な源流のひとつと考えられている。
楽器構成としては標準的な二管編成の管弦楽に独奏ピアノ、独唱者6名(ソプラノ2、アルト、テノール2、バス)、さらに四部合唱を加えるという非常に大規模なものになっている。
これら多くの要素を一つの曲に盛り込んだため、曲の全体像がつかみづらく、交響曲第9番に比べると声楽や管弦楽の扱いが単純で、合唱の入る部分ではピアノは役割が少なくなる、また他のベートーヴェンの作品に比べて構成の綿密さは見られないなどの欠点は指摘されるが、ベートーヴェンは作曲の完成度よりは管弦楽と合唱の高度な融合を目指す実験を試みたのではないかと考えられる。
作曲・初演
1808年12月22日の、アン・デア・ウィーン劇場における交響曲第5番、第6番の初演コンサートで演奏する最後の曲として、同年の12月の後半の半月ほどで作曲された。この作曲期間はベートーヴェンにとっては非常に短いものである。歌詞は詩人クリストフ・クフナーのものとされているが、クフナーの詩集にこのような詩が存在しないことなどからこれを疑問視する声もある。[誰?]
初演は、この演奏会で行われた。演奏会の詳細は交響曲第5番の記事にも記されているとおり、リハーサル時間の不足などから初演は大失敗に終わったことがアントン・シントラーの記録に記されている。この際、冒頭のピアノ独奏部は即興演奏され、その後1811年の出版に際して新たに書き下ろされた。
編成
曲の構成
7つの部分からなる。演奏時間は約20分。
- Adagio :26小節のピアノ独奏部。
- Allegro :主題が提示され、以下でピアノ協奏曲的な変奏曲となる。
- Meno allegro
- Adagio ma non troppo
- Marcia, assai vivace
- Allegretto, ma non troppo, (quasi Andante con moto) :ハ長調に転じ、変奏曲の主題が四重唱、そして合唱で歌われる。
- Presto. :コーダ。ピアノと管弦楽が一体となり、力強く結ばれる。