塔望遠鏡
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19世紀の終わりにシーロスタットが実用化され、平面鏡の回転だけで視野が回転しない天体の追尾が可能となり、長大な鏡筒を架台に載せて振り回さなくともよい望遠鏡が作れるようになった[2][3]。主光学系を固定して、そこへシーロスタットで天体の光を導入する方式の望遠鏡では、光学系を水平に設置するもの、垂直に設置するものが考えられるが、塔を立ててその中に垂直に光学系を組み、上部にシーロスタットを配置したものが、塔望遠鏡である[2][3][1]。
塔望遠鏡が威力を発揮するのは、主に太陽の観測においてである[1]。太陽観測では、細かい構造まで分解して調査するために、焦点距離が非常に長い望遠鏡の要請が強く、太陽のスペクトルを測定するための分光器も大型化しているため、精度を保って望遠鏡を架台に載せて振り回すことは現実的ではなく、固定式の望遠鏡が有効である[4][5]。そして、太陽観測の場合は地面や観測施設の構造物が太陽光により加熱され、空気の乱流によるシーイングの悪化が顕著であることから、地表からなるべく離れた高い位置で光を導入し、乱流の影響を抑えることが重要である[6][5]。また、垂直な鏡筒内では空気の密度が水平な層状に分布し、そこへ垂直に光が入射することで空気による像の乱れも小さくすることができる[5]。
一方で、高い構造物であるが故の課題もある[7]。風の影響による塔の安定性がその最たるもので、課題を解決するために独立した二重構造の鉄塔を採用している塔望遠鏡もある[7]。
また、鏡筒内の空気の影響をより小さくするため、鏡筒に排熱孔を設けている場合もある[7]。後には、鏡筒全体を真空引きして筒内空気の影響をなくした、真空塔望遠鏡も登場した[5]。





