大分県の盆踊り

From Wikipedia, the free encyclopedia

この項目では、大分県の各地に伝わる盆踊りについて説明する。

現在、全国各地で盆踊りという文化が廃れてきている中、大分県には昔ながらの盆踊りが残っている。 踊りの種類と、唄の種類の多さには目を見張るものがあり、これには小藩分立の歴史や、上方からの座敷唄の流入などが深く関係している。新作踊りも数多く作られてきたが、別府市などを除いて、未だに昔ながらの踊りが幅をきかせている。所によっては厚化粧をして華やかな衣装・髪型で参加する。

盆踊りの種類(名目)

盆踊りには、様々な種類がある。

初盆の供養踊り
その名の通り初盆供養の踊り。漁師町など、家が狭い土地に密集しているために各家に踊りを踊れるほどの広さの庭がない所は寄せ踊り、その他の所は庭入りを行っていたのだが、現在は寄せ踊りが多くなった。大分県は8月盆だから、9月の13日から15日の間に行われるはずであるが、旧暦から新暦に移行したときに、8月13日から15日の間に行うのが一般的になり、今に至る。
先祖の供養踊り
これは、初盆であるか否かに関係なく、すべての家庭の先祖の供養をする目的であるために、寄せ踊りで行われた。現在は初盆供養と先祖供養を兼ねて、寄せ踊りをすることが多い。初盆供養と区別する場合には、普通は初盆供養の方を先に行う。
観音様の踊り
観音様の盆踊りで、8月17日に寄せ踊りを行うが、現在では踊らなくなった所も多い。
お大師様の踊り
弘法大師(空海)の盆踊りで、8月19日に寄せ踊りを行うが、現在では踊らなくなった所も多い。
二十三夜踊り
地蔵盆前夜の踊りで、8月23日に寄せ踊りを行うが、現在は廃れている。なお例外的に、佐伯市上浦町には大変賑やかな二十三夜踊りが残っており、今も盛んに踊られている。
地蔵踊り
地蔵盆の踊りで、8月24日に寄せ踊りを行うが、現在では踊らなくなった所もある。
八朔踊り
旧暦8月1日に行っていた踊りだが、現在ではほとんど踊らなくなってしまった。従って、地蔵踊りが踊りおさめとなる場合が多い。もし八朔踊りを行う場合は、現在は8月31日か9月1日に行うのが一般的である。
奉納踊り
神社仏閣において先祖供養とは別に、御神体等に対して奉納する目的で踊るものである。他の盆踊り日程と重ならない日に、寄せ踊りが行われる。現在でもまま見られる。
娯楽としての盆踊り
かつて、盆踊り以外にたいして娯楽もなかったような時代には、田の草取りなどきつい仕事を皆で片付けた日に、夜、寄せ踊りを行うことがあった。特に農村ではよく見られた。
盆踊り大会
行政主体の祭りのときなどに催される盆踊り。大抵は懸賞踊りであり、数人でチームを組んで出場することが多い。多くの場合は個人でも参加できる。

庭入り

初盆供養の踊りのときに、その集落内の初盆の家を一軒一軒まわって踊るもの。踊りながら初盆の家の間を行進するのではなく、それぞれの家の庭で踊る。庭入りは一軒あたり2時間はかかるので、踊り終わりが夜半をすぎてしまうことも多く、初盆の多い年は次の日の朝までかかることもざらであったし、高齢化過疎化の影響で現在では寄せ踊りを行う所の方が多くなっている。 庭入りの概要を述べる。これは一例であって、地域により異なる。

  • 初盆の家に到着後、区長などがその家の人に挨拶し、その後全員でおまいりをする。
  • 皆で和讃を唱えたあと、まず男性だけで「ばんば踊り」という踊りを踊る。
  • その後、女性や男性も加わり、「まっかせ」「大津絵」「レソ」などを次から次に踊る。

初盆の家庭の人も踊りに加わり、遺影を抱いて踊ったりする場合もある。

  • 15種類くらいの踊りを踊る場合は、8種類くらい踊ったところで休憩。初盆の家の人から、踊り手にタオルなどが配られる。
  • 休憩後、「ヤッテンサンノ」「二つ拍子」などを次から次に踊る。
  • 最後に、男性だけで「けだし」という踊りを少しだけ踊る。
  • 初盆の家の人に挨拶して、皆で次の家へ急いで移動する。

*踊りの種類が10くらいある所も少なくないが、必ず所定の踊りを残種類踊ってから次の家へ移動する。

寄せ踊り

公民館や広場に集まって行う盆踊りであり、現在よく行われるものである。集落ごとの小規模な踊りの場合、何時から踊り始めるかは厳格には決めていない場合が多い。そこで、大抵は寄せ太鼓をたたいたりして、集落の人を呼び集める。小さな輪が立つくらいの人数になったら踊りを開始するのが普通である。

踊りの形態

  • 唄   新作踊りの場合を除いて、通常は口説き手(音頭取り)の口説きに合わせて踊る。盆踊り唄には、鈴木主水などの長編を延々と口説く「段物」と、7・7・7・5(例・踊り踊るならしなよく踊れ、しなのよいのを嫁に取る)を自由に口説く「切り口説き」と、曲と歌詞が固定しているもの(座敷唄の転用のもの)とがある。
  • 楽器   太鼓のみ用いるところが最も多いが、中には三味線を用いたり、楽器は一切用いずに踊りながら団扇拍子をとる(団扇太鼓という)ところもある。
  •    庭入りの場合、櫓は設置しないため、口説き手(音頭取り)は輪の真ん中、または庭の隅などで口説く。寄せ踊りの場合は櫓を設置し、その上に上がって口説く。
  • 踊り手   普通は輪になって踊る、輪踊りである。地域によって右回りか左回りかが決まっており、中には踊りの種類によって進行方向が変わる地域もある。

採り物

踊るときに用いる道具のことを、採り物という。大分県の盆踊りは、手踊りが最も多いものの扇子や銭太鼓などといった採り物を使う踊りもかなり多い。ここでは、手踊りも含めて紹介することにする。

  • 手踊り
何も持たずに踊るもので、別府湾沿岸部近辺では大部分の踊りが手踊りである。派手ではないが、指先にまで神経を使って科(しな)を作ることができる。団扇を持って踊る場合もあるが、別に団扇なしで踊っても構わない場合は手踊りに含める。
  • 団扇踊り
必ず団扇を用いる踊りのことで、中津市、豊後高田市、宇佐市、日田市、玖珠郡の大部分の踊りがこれにあたる。踊りの所作の都合上団扇が必要な場合もあれば、拍子をとる目的で団扇が必要な場合もある。手踊りとは違うのは、必ず団扇を持って踊るという点である。
  • 手ぬぐい踊り
手ぬぐいを用いる踊りのことである。手ぬぐいを片手に持って振り回しながら踊るものや、当て振りで手ぬぐいを肩にかけたり回したりしながら踊るものなどがある。
  • ハンカチ踊り
ハンカチを片手でつまみ、ひらひらと振り回して踊るものである。手ぬぐいやタオルで代用する場合もある。
  • 扇子踊り
扇子を用いる踊りで、県内には数多くの扇子踊りが残っている。通常は1本の扇子を右手で持って踊るが、稀に2本の扇子を両手に持って踊るものもあり、概して難しい踊りである。
  • 提灯踊り
細長い棒の先に提灯を提げたものを用いる踊りのことである。提灯を提げた棒のみを持つ場合もあれば、左手に提灯を提げた棒を持ち右手に扇子を持つというふうに、他の採り物と組み合わせる場合もある。
  • 銭太鼓踊り
銭太鼓という、片手で持てる小さな道具を用いる踊りのことである。銭太鼓は穴開き銭がたくさんついており、良い音が鳴る。両手に銭太鼓を持って踊る場合もあれば、提灯踊りのように他の採り物と組み合わせる場合もある。
  • 棒踊り
綾棒という、長さ30cmくらいの棒を用いる踊りのことである。通常2本1組であり、両手に持って打ち鳴らしながら踊る。綾棒には紅白のテープが巻かれていたり、先端に派手な飾り(造花など)がついていたりする場合も多い。綾棒の先に提灯をつければ提灯踊りになる。綾踊りとの違いは、棒を打ち鳴らさないという点である。
  • 団七踊り
竹刀を用いる踊りのことである。通常3人1組で縦に並んで踊る。志賀団七の仇討ちを模したものであり、先頭から順に姉の宮城野、志賀団七、妹の信夫に扮装して踊ることもある。先頭および後尾の者は竹刀1本を両手で持ち、竹刀を2本持った中央の者と打ち合いながら踊る。元来、女性が男性を挟むようにして踊ったが、近年では性別を問わずに好きな位地で踊る場合が多い。ただし3人1組に揃えたり組数×4本の竹刀を準備するのが大変なので、急速に廃れてきている。

地方別の特色

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI