大日本国法華験記
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成立事情
内容と構成
伝記・説話の素材
本書は『日本往生極楽記』および『三宝絵』に依拠するところが大きい。本書の聖徳太子伝など10の伝記は『日本往生極楽記』から採られたことが明らかである。また、『日本霊異記』の説話と内容が一致するものが6例あり、「霊異記に見ゆ」といった注が付されているが、それらは注の記述も含め『三宝絵』から採られたことが明らかになっている。このほか、『叡山大師伝』や『慈覚大師伝』といった僧伝も用いられている。
一方、相応伝、性空伝、源信伝に関しては、先行する伝記が存在するにもかかわらず、それを素材とせず自己の見聞・知識によって書かれているとみられる。口伝や自己の体験を重んじている点は本書の特色といえる。なお、著者の創作と推定されているものもいくつかある。
刊行書
- 井上光貞・大曽根章介校注『往生伝 法華験記』(日本思想大系新装版 続・日本の仏教思想1)岩波書店、1995年。旧版(日本思想大系7)1974年。
- 山下民城訳 『法華験記』 国書刊行会、1993年3月。ISBN 978-4-336-03476-2。