大暗斑
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発見
大暗斑はNASAのボイジャー2号の1989年5月24日の観測で発見[1]されたと、ボイジャー2号最接近時のテレビ特集で報道されている。その後ボイジャー2号の海王星フライバイの際に詳細に調査され、大きさは木星の斑と同程度で、南半球に位置していた。風速は最大で2400km/hであり、海王星でもっとも速い風が観測された。大暗斑はフライバイの間変形し続け、様々な写真が撮影された。
消滅と再出現
ハッブル宇宙望遠鏡によって1994年に観測したところ、大暗斑は消滅し、類似の斑が、1994年と1996年、北半球に相次いで出現した。この暗斑も消1990年代末に消滅した。この後、しばらく発見データはないが、ハッブル宇宙望遠鏡による観測が行われてない時期に当たるため、この間にも発生していた可能性はある[2]。2015年に新たな暗斑「SDS-2015」が南半球に出現した。しかし、2017年の観測で、この暗斑も消滅しつつあるのが確認され[3]、2018年に消滅した[4]。同年、北半球に暗斑「NDS-2018」が出現した[5]。しかし、2021~2年にかけ、急速に消滅しつつある様子が観測されている[6]。
物理的性質
暗斑がなぜ現れるのかなどその起源、周囲のへの影響、最終的にどのように消滅するのか[7]、またこの現象が海王星では常態なのか異様なのかなど、不明な点が多い。
正体について、一説に海王星の表面よりも下側で生じた硫化水素の雲が原因だとも考えられている。約5気圧の深さで生じた硫化水素の雲が光 を吸収することで暗く見えている、という[8]。また、それ自体の反射率は高いのだが、周囲の大気中の粒子に比べるとわずかに暗く見えるのだという。海王星の大きなジェット気流は赤道で吹く西向きのものと、北極と南極の周囲で吹く東向きのものという3つしかないようで、そのため渦は(木星の大赤斑とは異なり)どこにでも移動できる。暗斑は海王星圏外から見て反時計回りに回転している[3]。暗斑の上空には、地球の巻雲に相当するメタンと氷の雲が集中している[7]。
暗斑は海王星の深層部で発生し、高度が上昇することで黒いシミの様に浮かび上がるが、その前兆として、周囲の雲活動が活発になることが分かっている[5][4]。
前述の通り、大暗斑ほど大きくはない小ぶりな暗斑はボイジャー2号の撮影以来何個も見つかっており、出現と消滅を繰り返している。そのため、木星の大赤斑のように持続的な現象ではなく、数年で誕生と消滅を繰り返す大気現象だと推定されている[5][9]。
