天大中小

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天大中小(てんだいちゅうしょう)とは、主に子供の間で行われるボールを使ったゲームの一つである[1]

プレイ人数 4名
準備時間 < 5分
必要技能 器用さ
戦略
ソーシャルスキル
概要 プレイ人数, 準備時間 ...
フォー・スクエア
Four squareのコートのレイアウト
プレイ人数 4名
準備時間 < 5分
必要技能 器用さ
戦略
ソーシャルスキル
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英語圏フォー・スクエア(four square)、スウェーデンでキング(king, ruta)と呼ばれる競技[2]ははほぼ同様のルールであり、本項で扱う。

歴史

伝承遊びの一種と考えられており、明確な競技規則や競技団体がなく子供の間で受け継がれてきたゲームである[1]

フォー・スクエアについては、1950年代に同名の競技が行われていた記録が見られるが、ルールなどの詳細な内容は記載されていない[3] 。日本では大正中期の大阪で遊ばれていたという報告があり[4]、戦後も1960年代[5]から1980年代[6]にかけて小学生の間で広く行われていた[7]

2003年にアメリカでフォー・スクエアのリーグが設立されたが、2012年に終了している[8]2005年からメイン州ブリッジトンでフォー・スクエアの世界選手権を称する大会が開催されているが、入賞者の多くはメイン州からの参加者である[9]

2018年(平成30年)の小学校学習指導要領において、体育で実施するネット型ゲームの例として天大中小が記載された[10]

名称

時期、地域によって名称は千差万別である。藤本浩之輔の学術調査によると、古くは「天下町人」という呼称が一般的であった[4]。1969年の枚方市では、市内の小学校に限った調査でも以下のように12通りの異なる呼称が確認されている[11]

天下町人、天町、天大武士町、よんてん、天大、天大中小、四人天下、天下小人、テニス、天小、たんご、ぽんぽん

中部地方では「してん」、「元大中小」、「小中大元」、「天下取り」などの呼称が確認されている[12]。また関東では「大学おとし」という呼称が見られる[13][14]

そのほか、ネット情報サイトの調査で「がんばこ」「天下(てんか)おとし」「天下(てんげ)」「げんばく」「天上(てんじょう)」「ドッジピンポン」「おおつぶ」「元大中小」など[15]が確認されている。神戸近辺では「インサ」と呼ばれている[16]

ゲームの概要

テニスを原型としたゲームと考えられており、特殊な器具(ラケットとネット)を必要としないテニスと見なせる[17]。ラケットを用いないという点で、初期のジュ・ド・ポームとの類似性も指摘されている[18]。詳細なルールは名称と同じく地域、時期によって異なっている。

参加人数

4人またはそれ以上の人数で行われることが多い。5人以上の参加者がいる場合には、残りの参加者は枠の外で列を作り、交代を待つ。人数が少ない場合には3人、2人で行われることもあり、コートの形が異なることもある。

コート

まず地面に大きな四角を描き、縦・横の区切り線を描いて4つの均等な四角形の区画に区切る[13]上空から見ると漢字の「」の形になる[1]。これがコートの基本形であり、プレイヤーはそれぞれの区画を陣地として占有する。参加者が3人以下の場合に、2つのマスからなるコートを描くこともある[19]

陣地は順位を持ち、順位に応じたラベルが付けられる。ラベルの名称はゲームの名称に関連したものであるため、これも地域や時期によってさまざまなバリエーションがある。

以下では陣地のラベルを上位から順に1、2、3、4として解説する。陣地1~4の並び方はN字型、交差型、循環型の3つが考えられるが、いずれの例も実際に用いられたことが報告されている[20]ジャンケンなどでプレイヤーの初期順位を決め、対応する陣地に入る。

用具

軟式テニスのような小さいボールを使う場合[19][21]や、ドッジボールなどを使う場合がある[1][22]。フォー・スクエアに関しては専用球が販売されている[23]


ゲームの進行

最初にボールを打つ権利(サーブ権)は最上位(陣地1)のプレイヤーが持つ場合が多いが、最下位(陣地4)のプレイヤーが持つ場合もある[24]。サーブ権を持つプレイヤーが、所定のルールに合ういずれかの陣地に向かってボールを打つ(サーブ)ことでゲームが開始される[13]。ボールがバウンドした陣地のプレイヤーが次のプレー主体となり、ボールをいずれかの陣地に打つ。これをいずれかのプレイヤーがミスをするまで繰り返して、1回のゲームが終わる[1]

ミスの基準はテニスや卓球に近く、以下のような場合は当該陣地のプレイヤーのミスとなる[24]

  • 打ったボールが自陣以外のいずれかの陣地でバウンドせずにコート外に出る。
  • 打つ前に自陣で2回以上バウンドする
  • 打つ前に自陣の外に出る(空振り)。

打ったボールが自陣でバウンドした場合はミスとするルールと[25][26]、他の陣地にバウンドさせる前に自陣で必ず1回バウンドさせるように打つ(打ったボールが直接相手陣地でバウンドした場合は打ったプレイヤーのアウト)というルールの存在が知られている[27][28]。コート外枠や陣地を区切る線などにボールがかかった場合は、打ったプレイヤーのアウトとするのが一般的である[25][26]

    • ボールが自分のマスに着く前に打ってしまった場合は、ノーバン(ノーバウンドの略)でアウト。ただしこれをセーフとするローカルルールもある。
    • ワンバンしたボールを打ち返せずフィールド外へ逃した場合はそのマスのプレイヤーのアウト。
    • 境界を越えたボールが同一のマスで2回バウンドするとツーバンで、そのマスのプレイヤーのアウト。

境界を越えたボールがあるマスを通過して他のマスに達したときは、次の判定となる。

  • 前のマスをノーバンで通過した場合は次のマスのプレイヤーの責任。
    • 次のマスもノーバンでフィールドへ出れば打ち手のアウト。
  • 前のマスをワンバンまたはツーバンで通過した場合は前のマスのプレイヤーの責任(実質的に打ち返せなかったためアウト)。

このルールでボールを返していき、ルールどおり返せなくなった者が負けとなる。負けた者は一つ下のランク(“天”→“大”→“中”→“小”の順)に移動し、残りの者が繰り上がる。小の者が負けた場合、枠の外で待っている参加者と交代する。

地域によっては足を用いて相手の陣にボールを入れるルールも存在する[要出典]。ボールを返すルールは上記を踏襲するが、コート中心に書かれた“天”→“大”→“中”→“小”または“大”→“高”→“中”→“小”と書かれた円内にボールが入ってしまうと“ドボン”になり、そこへボールを蹴りいれた者はどこのポジションにいようとも“小”まで戻らなくてはならず、他のメンバーは順次繰り上げとなる。

ボールの打ち方

地域や使用するボールの大きさ・硬さなどによって、片手のみを使う場合と両手を使う場合がある。また、下手打ち(ボールの下側を叩く)という条件を課している事例も見られる[26]

ゲームの特徴

数度のラリーで決着がつくことが多く、参加者が多数でも効率よく回転していくため、小学校の休み時間等の中途半端な時間に行うのに適する。

一方で“天”からの最初の攻撃で決まることは少なく、適度なゲームバランスを有するといえる。個人競技であるため、野球サッカーのような役割による不公平が無く、個人のミスが他の人間に影響しないため、人間関係に亀裂を生じることは少ない。

テクニック

低い軌道で強いボールを打つと相手はコントロールしにくくなる。また、バウンドを極限まで弱くすると、相手は低い位置で、かつ他の陣へ入れるため強く打たざるを得ず、有効である。

オクトパス
両手および体をタコのようにくねくねと動かしながら打つ技。
ビッグバン
力強く叩き相手のミスを誘ったり相手陣地の後方までボールを飛ばすこと。

相手に打たれにくくするため、いくつかの特殊な打ち方がある。たとえば以下のような技がある。

  • 切り込み
打ち込まれて着地寸前のボールを低めに思いきり打ち、自分のマスに着地した後、相手のマスをワンバンまたはノーバンで通過してフィールド外へ出す。弾道が低く速いため、相手は打ち返しにくい。スマッシュともいえる。
思いきり弱く打ち、相手のツーバンを誘う。強く打つように見せかけておくとより成功しやすくなる。
ある方向に打つと見せかけ、利き手または利き手とは反対の手で他の方向へ打つ。
さらに、他の方向へ打つと見せかけて本来の方向へ打つ。
切り込みや、弱く打つのと組み合わせると相乗効果を生む。

だが、ここに挙げたものは高等技術であり、初心者では失敗して自分が降格ということになりかねないため、練習が必要である。

脚注

参考文献

関連項目

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