学芸員
博物館法に定める国家資格及び職業とする者
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概要
職務の内容
博物館の学芸員は、それぞれ特定の学問分野や資料群を専門として活動しており、その専門分野は博物館の資料収集、保存、調査研究、展示、教育普及活動などの内容と密接に関係している(博物館法第4条)[3]。地方公共団体が設置する博物館では、教育委員会の所管のもとで運営される例が多く、自治体によって学芸員の採用方法や配置制度は異なる[4]。
なお、学芸員資格は専門分野別には区分されておらず、博物館ごとに収蔵資料や設置目的に応じた専門性を有する人材が採用されることが一般的である[3]。美術館では日本美術、西洋美術、工芸、写真、デザインなど、歴史系博物館では考古学、日本史、民俗学など、自然史系博物館では動物学、植物学、地学など、それぞれの専門領域に応じて配置される[5]。
資料収集、保存、調査研究
学芸員の研究活動は、主に(一次)資料や作品、標本の蓄積と管理である。特に、分類の基準となる資料(分類学でいうタイプ標本)の保管は、博物館の国際的責務となる。博物館は館の方針にもよるが、基本的には大規模な博物館であっても、国際的な記録(インベントリー)事業のほかに,館の設置場所周辺の資料・標本蓄積業務を伴っている(博物館法第一章第三条第九項などによる[3])。
館の規模が小規模である場合であっても学芸員の中核的な専門分野については、より深化した分類学的研究を行うため、比較研究を全地球規模で展開せざるを得ず、地域にとらわれず大規模な資料収集が行われることになることが多い。つまり、博物館の学芸員はその館の設立母体である自治体の範囲、及びその地域と関連の深い地域を対象として、資料や作品・標本や文献資料を収集、整理、研究を行い、なおかつ自分自身の専門分野に関しては、より専門的な研究に当たるということが多くなる[6]。また、一部の特定のテーマを持つ博物館では、そのテーマに関して国際的な資料収集を行っているケースが多い。
展示、教育普及活動
博物館における展覧会や教育普及事業は、学芸員の専門性を生かして企画・実施されることが多く、専門分野を有する学芸員の存在は、その博物館の特色や収集方針を形成する重要な要素となっている[7]。一方で、博物館の規模によって配置できる学芸員数には差があり、小規模館では一人の学芸員が複数の専門分野や業務を担当することも少なくない。大規模な国立博物館や都道府県立博物館では、多数の学芸員を配置し、多様な専門分野を網羅している例がみられる[4]。
学芸員の専門分野は、講演会や公開講座、企画展、研究紀要などを通じて知ることができる場合があるが、博物館によって情報公開の方法や内容には違いがある[8]。
その他の業務
日本の学芸員は、多様な業務を集約して果たさなければならない場合が多い。そのため、館の規模や人員体制などによって多少の差異はあれど、本来の職責である学芸業務以外にも館の庶務業務などを兼任している場合が多い。展覧会中は、キュレーション・来館者応対などの業務にあたりながらその一方で次の企画展の展開を練り、終了後は次の展示を即座に開始し、その間に常設展示の内容を変えるなど、多種多様かつ専門的な業務を同時並行で進めていることが一般的である[9]。また博物館友の会などの運営や舘に関連する研究会・サークルなどの運営なども学芸員の業務となっていることも多い。[10]
各分野の特徴
学芸員が配置される博物館は、その扱う資料や研究対象に応じて、おおむね以下の分野に分類される。
美術館における学芸員
美術館における学芸員は、絵画、彫刻、工芸、写真、デザインなどの美術資料を対象とし、収集、保存、調査研究、展示、教育普及活動を担う専門職員である[3]。展覧会の企画・運営に加え、作品の調査研究、収蔵品の管理、図録や解説資料の作成、作品の貸借業務、教育普及事業やワークショップの実施なども重要な業務に含まれる[4]。近年では、地域連携やアウトリーチ活動、デジタルアーカイブの整備など、美術館の社会的役割の拡大に伴い、学芸員が担う業務は多様化している[7]。
人文系博物館における学芸員
人文系博物館の学芸員は、歴史学、考古学、民俗学、文化人類学などを専門とし、文化資料の収集、保存、調査研究及び展示を担当する[3]。歴史系博物館では、古文書、考古資料、民俗資料などの整理・目録作成、保存管理、展示企画、図録や研究紀要の編集・執筆、教育普及活動などを行う[4]。歴史分野は、日本史・世界史・考古学・民俗学など多様な専門領域から構成されているため、大規模館では分野ごとに担当学芸員を配置する場合が多い一方、小規模館では一人の学芸員が複数分野を担当する例も少なくない[8]。
自然史系博物館における学芸員
自然史系博物館の学芸員は、動物学、植物学、地学、古生物学などを専門とし、自然史資料の収集、保存、調査研究及び展示を担当する[3]。自然史資料には、生物標本、化石、鉱物、岩石などが含まれ、学芸員はこれらの収集・整理・保存管理を行うとともに、地域の自然環境に関する基礎調査や研究を実施する[8]。恐竜博物館や地質博物館では古生物学や地学を専門とする学芸員が、自然史博物館では動植物分類学、生態学、地球科学などを専門とする学芸員が配置されることが多い[4]。近年では、生物多様性の保全や環境教育の重要性の高まりを受け、地域の自然環境に関する普及啓発や学校教育との連携も重要な業務となっている[11]。
科学館・プラネタリウムにおける学芸員
科学館の学芸員は、自然科学や工学、産業技術などを対象とし、科学資料の収集・保存・調査研究及び展示を担当する[3]。科学館では、体験型展示や実験教室、サイエンスショーなどを通じて、科学技術への理解を深める教育普及活動が積極的に行われている[12]。プラネタリウムを併設する施設では、天文学を専門とする学芸員や解説員が、天文現象の解説、観望会、天文教育プログラムの企画・運営などを担当する[13]。天文台を併設する科学館では、観測データや研究成果を展示や教育活動へ反映させるなど、研究と普及活動を一体的に進める施設も存在する[14]。
水族館・動物園・植物園における学芸員
動物園、植物園及び水族館では、生物を対象とする学芸員が、生体や標本の収集・保存・調査研究を担当するほか、教育普及活動や展示の企画・運営にも携わる[3]。生物系学芸員は、生物標本の収集及び保存管理を行い、分類学や系統学の基礎となる標本資料を将来にわたり保存する役割を担う[7]。分類学上の基準となるタイプ標本の保存は、生物多様性研究を支える重要な基盤であり、国際的にも博物館の重要な責務の一つとされている[15]。また、多くの自然史系博物館や植物園、動物園では、地域の生物相や生態系に関する継続的な調査を行い、その成果を環境教育や自然保護活動へ活用している[16]。近年では、生態学、保全生物学、環境教育など多様な専門分野を持つ学芸員が配置されるようになり、人文・社会科学分野と連携した地域環境史や里山研究などの学際的な研究も進められている[17]。
学芸員の配置
博物館法では、博物館に館長を置くとともに、専門的職員として学芸員を置くことが定められている。学芸員は、博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究など、博物館の事業に関する専門的事項を担当する(博物館法第4条)[3]。2022年に改正された博物館法では、従来の「登録博物館」に加えて、設置者の区分によらず博物館として登録できる新しい制度が設けられ、2023年4月から施行された[18]。
現在の登録博物館については、博物館法施行規則に基づき、学芸員が配置されていることが登録の基準の一つとなっている[3]。一方、博物館法第31条に基づく「指定施設」では、学芸員そのものではなく、学芸員に相当する職員を置くことが求められている(博物館法第31条)[3]。また、博物館法の対象となる施設以外にも、博物館と同様の事業を行う博物館類似施設が存在するが、これらについては、博物館法上の学芸員の配置義務はない[19]。
学芸員資格を有することと、職場において「学芸員」という職名が付されていることは必ずしも同一ではない。博物館では、学芸員資格を持つ職員が、自治体や法人の職制に応じて、研究員、専門員、主査、主任研究員などの名称で配置される場合もある[20]。
学芸員の配置人数や職制は、博物館の規模、設置者、専門分野及び運営体制などによって異なる。大規模な博物館では、複数の専門分野を担当する学芸員を配置するとともに、主任、課長などの管理職を置く場合がある一方、小規模な博物館では、少人数の学芸員が複数の分野や業務を兼務する場合もある[21]。なお、博物館法は館長について、館務を掌理し、所属職員を監督する者として規定しているが、館長となるために学芸員資格を取得することを一律に求めてはいない(博物館法第4条)[3]。
国立博物館など、国や独立行政法人等が設置・運営する大規模な博物館では、学芸員という職名ではなく、研究員などの職員が学芸員に相当する専門的業務を担っている場合がある。例えば、国立文化財機構では、各国立博物館に研究員等の専門職員が配置され、調査研究、資料の保存・活用、展示などを担当している[22]。これは、国立博物館が博物館法上の登録博物館ではなく指定施設(博物館相当施設)であり、学芸員を置く必要が無いことに由来する部分が大きい。
このように、博物館における専門職員の配置は、博物館法上の「学芸員」という資格・職名だけで一律に決まるものではなく、施設の法的位置付けや設置者、規模、専門分野などによって異なっている[23]。
必要な資格
学芸員となる資格
「学芸員となる資格」(博物館法第5条)は、文部科学省が所管する国家資格である。資格習得にあたっては、博物館法が定めるところにより、大学において所定の博物館に関する科目の単位を修得すること、または単位修得に相当すると認められる実務経験などによって文部科学省の認定を受けることが必要である[20]。
最も一般的な資格取得の方法は、大学において所定の博物館に関する科目の単位を修得することである。博物館法第5条第1項第1号には学芸員の資格要件として「学士の学位を有する者で、大学において文部科学省令で定める博物館に関する科目の単位を修得したもの」と定められている。具体的には博物館法施行規則(昭和30年文部省令第24号)に定められる以下の「博物館に関する科目」の単位を大学在学中に修得すれば大学卒業と同時に「学芸員となる資格」を得られる。なお2009年4月に施行規則が一部改正され、2012年4月より科目及び単位に変更が生じている。以下に変更前と変更後の科目と単位についても合わせて示す[24]。
| 科目 | 単位 | |
|---|---|---|
| 改正前 | 改正後 | |
| 生涯学習概論 | 1単位 | 2単位 |
| 博物館概論 | 2単位 | 2単位 |
| 博物館経営論 | 1単位 | 2単位 |
| 博物館資料論 | 2単位 | 2単位 |
| 博物館情報論 | 1単位 | - |
| 視聴覚・教育メディア論 | 1単位 | - |
| 博物館情報・メディア論 | - | 2単位 |
| 博物館資料保存論 | - | 2単位 |
| 博物館展示論 | - | 2単位 |
| 博物館教育論 | - | 2単位 |
| 博物館実習(校外) | 3単位 | 3単位 |
| 教育学概論 | 1単位 | - |
| 合計必要単位 | 12単位 | 19単位 |
改正前の規定では統合科目規定が設置され、「博物館学概論」「博物館経営論」「博物館資料論」「博物館情報論」については4科目を統合した「博物館学」の単位(6単位)をもって、「博物館経営論」「博物館資料論」「博物館情報論」については3科目を統合した「博物館学各論」の単位(4単位)をもってそれぞれ替えることができた。
ちなみに、大学や学部によっては単位取得可能な講座がないことが多く、他大学や他学部で講習を受ける必要があることも少なくない。そうした事情もあり、大学の通信教育でも資格取得は出来るが、この場合もスクーリングや博物館実習(校外)が必修である[25]。なお、早稲田大学では夏季集中講義の形式で「学芸員となる資格」取得の講習が開講されていたが、2018年度をもって終了している[26]。
また、単位修得に相当すると認められる実務経験などによって文部科学省の認定を受けることもできる。その場合、具体的な認定の方法として、試験を受けて合格することで資格を得られる試験認定と、論文などの審査を行い博物館に関する学識や業績があると認められれば資格を得られる無試験認定がある。試験認定については、受験資格が定められており、受験科目は、博物館学等に関する必須科目と考古学や自然科学史などから選択する選択科目がある。大学等において指定の単位を修めている者は当該科目の受験が免除される。なお、試験に合格しても学芸員補の職に1年以上従事しなければ学芸員となることは出来ず、その場合、効力条件付きの合格証書が交付されることになる。
1952年の博物館法施行に合わせて制定された最初の「博物館法施行規則」(昭和27年文部省令第11号)では、「学芸員となる資格」を付与されるためには博物館学芸員講習の受講が定めれられていたが、のちに全部改正等を経て現在は消失している。第1回博物館学芸員講習は、1952年7月から10月、東京藝術大学にて開催された。第1回博物館学芸員講習の第1号受講者(同講習受講者名簿の先頭)は、考古学者、歴史学者の赤星直忠である[27]。
学芸員補となる資格
博物館法第6条では「学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することのできる者は、学芸員補となる資格を有する」と規定されている[3]。すなわち高等学校および中等教育学校を卒業した者や高等学校卒業程度認定試験および大学入学資格検定に合格した者などは「学芸員補となる資格」を有している。また、2022年の博物館法改正により、短期大学を卒業した短期大学士のうち博物館に関する科目を履修した者は「学芸員補となる資格」を得ることになった。
博物館法の見直し
2010年代までの見直し議論
学芸員資格に関する改正の議論が、文部科学省の「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」(2006年立ち上げ)により行われ、次のような趣旨の改正案が作成された[28]。
- 現行の学芸員の『学芸員補』への格下げ
- 新制度による学芸員の資格
- 登録博物館における5年以上の学芸員補の経験
- 学芸員補+博物館に関する専門的科目の取得+修士
- 国家試験
- 上級学芸員
- 登録博物館において10年以上の学芸員の経験+実績+研修+国家試験、及び取得後定期的に研修等を受講
しかし、案は棚上げされ、2012年現在で実現の見通しは立っていなかった[29]。
2017年の山本大臣発言
2017年4月、滋賀県主催の地方創生セミナーにおいて、博物館を含む文化財などを観光資源にしようと考える山本幸三地方創生担当大臣(第3次安倍第2次改造内閣)が、それを妨げる存在として「学芸員はガンだ」との主旨の発言をし、「学芸員の価値を理解していない。」「学芸員の仕事には観光振興は含まれない。」など、博物館などの関係者から猛反発を受ける事態が生じた[30]。これについて山本は毎日新聞の取材に対し、例えば京都の二条城ではかつて英語の紹介すらなかったし、文化財などで観光客、特にインバウンド(訪日外国人)向けのパフォーマンスをしようとすると学芸員が反対する、観光立国を目指すなら学芸員も観光マインドを持って説明やパフォーマンスをする、プロだけの仕事ではないと理解してもらうことが大事と述べ、全員をクビにするのは少し言い過ぎだがイギリスのロンドンでは実際にそういうことが起こったとも説明した[30][31]。これに先立つ同年3月9日の参議院内閣委員会において、公明党の西田実仁に対する答弁の中でも、(2012年の)ロンドンオリンピックの時に行った文化プログラムに際し、大英博物館の壁を取り払うなどの改造に一番抵抗をしたのが学芸員で、「観光マインドがない学芸員は全部首にした」ので「大英博物館を始め大変な観光客が継続して続くようになりまして、オリンピック終わってもにぎやかさを保っている」と語っていた[32]。
しかし、山本は翌日の4月17日に上記の発言を撤回して陳謝した。さらに、ハフィントンポストの取材に対して大英博物館の担当者が大改装や学芸員の解雇は行っていないと述べた後、4月21日に山本は自らに事実誤認があったと釈明した[33]。
2022年の博物館法改正
2017年には文化芸術基本法が成立し、観光、まちづくり、国際交流、福祉などの関連分野での政策を取り込みながら文化芸術が生み出す価値をその継承や発展につなげる好循環の創出が含まれた[34]。2018年6月、第4次安倍内閣が提出した文部科学省設置法改正法が成立して博物館の所管官庁が同省外局の文化庁に統合された[35]。
これを受け、文部科学省文化審議会は今後の博物館に関するあり方を審議し、2021年12月20日に答申を提出した。これを受け、第2次岸田内閣は博物館法改正法案(第208回国会閣法31号)を提出し、2022年3月24日に衆議院[注釈 1]、4月7日に参議院で可決され成立し、4月15日に公布されて、2023年4月1日からの施行が決まった(令和4年法律第15号)[36]。その中では博物館事業へのデジタルアーカイブ追加、他の博物館との連携、地域の多様な主体と連携協力した文化観光などの地域活性化への取り組みなどが含まれたほか、上記の通り、関連科目を履修した短期大学士にも学芸員補の資格を与えることになった[37]。
学芸員が直面する問題
日本各地には多数の公立・私立の博物館が存在するが、箱物行政により建物は比較的容易に建つ一方で人的な面がおざなりにされる傾向が強かった。さらに近年の地方公共団体の財政悪化で老朽化した建物の改築もままならず、人的補充が全くなされない博物館も多く、学芸員資格を有していても博物館に就職するのは常に困難を伴っている。
大規模な博物館では、学芸員→主任学芸員→専門学芸員→上席学芸員→課長→副館長→館長という、研究所の研究者と同様な職階を持つ場合があるが、館そのものや運営母体の予算不足などの様々な要因により学芸員の数が不足しているところもあり、学芸担当職員はいるが学芸員としての資格を持っていないケースもある。特に博物館類似施設などは学芸員のいない施設もある。しかし、学芸員の配置は、博物館法に定めるところの登録博物館、あるいは博物館相当施設でないかぎりは、必ずしも規定されたものではない。
多くの博物館では人員不足から少人数で研究活動や収蔵した資料の整理・目録化は勿論のこと、展示の企画、展示物の選定・賃借、図録用の写真撮影、図録や刊行物の執筆・編集、実際の展示まで行っている。規模にもよるが、多くの博物館では学芸員一人で館全体の分野を網羅することはできない。しかし実際には予算の縮小などもあり、少数の学芸員で実務を担当せざるを得ない状況が続いている。都道府県立級の博物館では各分野の担当職員を一人ずつ置く場合もあるが、市町村立級の博物館では一人ないしは二人の職員が多分野を担当せざるを得ない場合が多い。
学芸員資格には専門分野ごとの種別はないが、博物館の効果的な運用のためには、その博物館の理念、地域特性、収蔵品の傾向などに適した専門分野の人材を採用することが望ましい。都道府県立の博物館の多くは教育委員会の主管であるが、なかには学芸員の採用試験はおこなわずに、教員として採用された者を一定期間、配属するところもある。この場合、調査研究よりむしろ社会教育的な傾向が強くなる。また、市町村立の博物館では学芸員として採用する場合であっても「一般職に移動する場合がある」という条件が付せられている場合や、学芸員資格保持者を嘱託や臨時職員として雇用している場合もある。
博物館の専門的職員は博物館法施行規則に定められた要件を満たす学芸員資格の保持者でなければならない。さらにその業務の性質上、博物学や分類学に関してある程度専門的なトレーニングを受けた者が就くことが望ましいが、現在そのようなトレーニングを受けた者は少なく、また受けていても今度は学芸員資格を有していない場合も多い。そのため、学芸員資格は有していないものの、各分野の学位を持った専門職員が学芸担当の職に就くことも多くなっている。