の定義と外微分形式 d は d2 = 0 を満たすという事実により、

を得る。このことは、因子 D に対応する正則対数複体(holomorphic log complex)として知られている層の複体
が存在することを意味する。この複体は、
の部分複体であり、そこでは
は包含写像であり、
は X − D 上の正則形式の層の複体である。
特別に興味のわく場合は、D が単純に横断的交叉(英語版)(normal crossings)を持つ場合である。従って、
が D の滑らかな既約成分であれば、
と
は横断的に交わる。局所的に、D は超平面の合併で、何らかの正則座標系で形式
の方程式として局所的定義される。従って、
の p での茎は[1]、

と

を満たす。
たとえば、[2] に見られるように、このことは、対数複体の項を、横断的交叉を持つ因子に対応する正則対数複体として使う著者もいる。
を満たす複素数の点 (x, y) の軌跡として与えられたひとつ穴のあいた楕円曲線を考える。そこでは、
と
は複素数である。すると、D は C2 の中の滑らかな既約な超平面であり、特に、因子は単純な横断的交叉を持っている。C2 上に有理型 2-形式

が存在する。これらは極 D に沿っている。D にそった ω のポアンカレ留数[2]は正則 1-形式

により与えられる。ギシン完全系列(英語版)(Gysin sequence)は、対数的微分形式の留数理論にとって不可欠であり、ある意味ではコンパクトリーマン面の留数定理の一般化である。留数定理は、たとえば、
が P2 の中の射影閉包上の正則 1-形式が、滑らかな楕円曲線へ拡張される。
正則対数複体は、複素代数多様体のホッジ理論への適用することが可能である。X を複素代数多様体、
を良いコンパクト化とする。このことは Y がコンパクト代数多様体で、D = Y − X が Y 上の単純な横断的交叉をもつ因子であることを意味する。層の複体の自然な包含写像

は、擬同型であることがわかる。このように、

となる。ここに
はアーベル層の複体の超コホモロジー(英語版)(hypercohomology) を表わす。[1] には降下フィルトレーション
が存在し、

で与えられることが示されている。このフィルトレーションは、対数的 p-形式の自明な上昇フィルトレーション
に沿って、コホモロジー上のフィルトレーション


を再現する。[1] では、
を実際、Q 上で定義することができるので、コホモロジー上のフィルトレーション
は
上の混合ホッジ構造を発生させる。
古典的には、たとえば、楕円函数の理論の中では、対数的微分形式は第一種微分形式(英語版)(differentials of the first kind)の補完物と考えられてきた。対数的微分形式は、第二種微分形式と呼ばれることもある(不幸にも、第三種微分形式との間に不整合がある)。古典論は、現在では、ホッジ理論の一面として取り込まれている。たとえば、あるリーマン面 S に対し、第一種微分形式は、H1(S) の項 H1,0 として考えられている。ドルボー同型により層コホモロジー群 H0(S,Ω) として解釈すると、これらの定義は同義と考えられる定義である。0 が S 上の正則函数 の層であるとき、 H1(S,O) と解釈できるように、H1(S) の中の H1,0 直和を、対数的微分形式のベクトル空間として、より具体的にみなすことができる。