射精後不応期
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射精後不応期(しゃせいごふおうき、英語: post-ejaculatory refractory period[1][2])とは、ヒトなどのオス(男性)が性行為あるいは自慰行為を行う時、射精またはオーガズムの後に、性的反応が一時的に低下し、次の性的興奮やオーガズムが起こりにくくなる期間およびその心理状態のことをいう[3][4]。俗に「賢者タイム」とも呼ばれる[5][6]。
この状態では、性的興奮状態が急激に鎮まり、この間は性欲を完全に失い、至って冷静になり、虚無感に襲われる。また、このときにペニスへ刺激を与えようとすると男性は非常に苦痛を感じる。そのため、俗に「賢者タイム」とも呼ばれている。
ウィリアム・H・マスターズとヴァージニア・E・ ジョンソンが1966年に発表した共著『Human Sexual Response(人間の性反応)』では、「無反応期」(refractory period)と書かれている[7]。
メカニズム
射精後不応期の機序については、性行為時は無防備になるため、動物の本能として外敵からの攻撃に備えられるよう精神状態を安定させるために、起こる現象と説明されることがある。[要出典]脳の下垂体から分泌されるホルモンのプロラクチンが関与するという仮説が長年知られてきた。
しかし、この仮説に対し、異論も唱えられている。Valenteら(2021)は、雄マウスを用いた研究で、性行動中にプロラクチンが放出されることを確認した一方、プロラクチン濃度を急性に上昇させても不応期様の状態は誘導されず、プロラクチン放出を阻害しても射精後不応期は短縮しなかったと報告した[3]。この研究では、プロラクチンは射精後不応期の成立に十分でも必要でもないと結論づけられている[3]。
男性の射精後不応期については、神経伝達物質やホルモンなどの中枢性要因による説明のほか、射精後の末梢性・自律神経性フィードバック機構による説明も提案されている[10][11]。
女性における不応期
女性では、オーガズム後に短時間で追加のオーガズムを経験できる場合がある一方、オーガズム後に陰核の過敏性などを経験し、追加の性的刺激を不快に感じる場合もある[12]。このため、女性における不応期の有無や長さについては個人差が大きい。
ホルモン療法との関連
射精後不応期に関連する性反応は、性ホルモン環境によって変化しうる。Zaliznyakら(2023)は、性別適合ホルモン療法を1年以上受けたトランスジェンダー女性130人およびトランスジェンダー男性33人を対象に、自慰時のオーガズム機能の変化を調査した。この研究では、評価項目にオーガズム後不応期の長さが含まれており、トランスジェンダー女性では、ホルモン療法開始後にオーガズムに達するまでの時間、オーガズムの持続時間および満足度の増加が報告された[13]。また、ホルモン療法開始前には短い単峰性のオーガズムを報告していた者が多かったのに対し、開始後にはより長く持続する複数ピーク型のオーガズムを報告する者が増えた[13]。