工作 黒金星と呼ばれた男

From Wikipedia, the free encyclopedia

工作
黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
공작
監督 ユン・ジョンビン
脚本 クォン・ソンヒ
ユン・ジョンビン
出演者 ファン・ジョンミン
イ・ソンミン
チョ・ジヌン
チュ・ジフン
音楽 チョ・ヨンウク
撮影 チェ・チャンミン
編集 キム・サンボム
キム・ジェボム
製作会社 サナイピクチャーズ
映画社月光
配給 大韓民国の旗 CJエンタテインメント
日本の旗 ツイン
公開 フランスの旗 2018年5月11日CIFF
大韓民国の旗 2018年8月8日
日本の旗 2019年7月19日
上映時間 137分
製作国 大韓民国の旗 韓国
言語 韓国語
中国語
日本語
テンプレートを表示
工作
黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
各種表記
ハングル 공작
漢字 工作
発音 コンジャク
題: The Spy Gone North
テンプレートを表示

工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(こうさく ブラック・ヴィーナスとよばれたおとこ、原題:공작)は、2018年公開の韓国映画[1]北朝鮮に潜入した韓国工作員「黒金星」と南北の権力者たちの闘争を描く、実話「北風工作[2]」を基にしたスパイ映画[3]。監督はユン・ジョンビン、主演はファン・ジョンミン第71回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング公式招待作品[4]

日本では2019年7月19日に公開された[5]

1992年北朝鮮核兵器開発を巡って緊張状態が高まる朝鮮半島。優秀な工作官だった韓国国軍情報司令部のパク・ソギョン少佐(ファン・ジョンミン)は、国家安全企画部北派工作員としてスカウトされる。パクはチェ・ハクソン海外事業部室長(チョ・ジヌン)の命令を受け、まずは北朝鮮の情報網の目を誤魔化すべく軍を退役して遊び歩く毎日を送り、自己破産までする身分偽装を行った。

チェ室長は中国技術大学の核物理学者で朝鮮族のキム・チャンヒョク教授(パク・チニョン)を訪韓させると取引を行い、北朝鮮が相当レベルの核開発を行っていること、核保有の有無は最高権力者であるキム・ジョンイルの直属部隊のトップしか知らないことを聞き出す。パクはチェ室長から、コードネーム黒金星ブラック・ヴィーナス」として、北朝鮮の権力層への接触を通して核開発の実態を探るよう命令を受けた。

北朝鮮との取引を目指す俗な事業家に扮したパクは、中国首都北京に渡ると、数年間に渡る慎重な工作活動を行う。やがて、パクは北朝鮮の外貨獲得の責任者であるリ・ミョンウン審議所長(イ・ソンミン)から信頼を得ることに成功すると、広告事業の仲介をカモフラージュとしつつ北朝鮮の権力層に食い込み、キム・ジョンイルに会う機会を得るまでに至った。

しかし1997年、パクの工作活動があと一歩のところで停滞する中、同年の大韓民国大統領選挙に際して、政権交代による組織の解体再編を恐れたチェ室長などの国家安全企画部が与党政治家と組み、大統領選を与党有利に進めるべく、北緯38度線の停戦ライン周辺で武力攻撃を行うよう北朝鮮と裏取引を行った。これを知ったパクは、祖国への忠誠と自身の工作活動の存亡との間で葛藤する。

最終的にパクは、裏取引が南北朝鮮の関係を冷却化するとして反対するイ所長と協力し、ある事を実行に移す。

キャスト

スタッフ

  • 監督:ユン・ジョンビン
  • 脚本:クォン・ソンヒ、ユン・ジョンビン
  • 音楽:チョ・ヨンウク
  • 美術:パク・イルヒョン
  • 衣装:チェ・ギョンファ
  • ヘアメイク:キム・ヒョンジョン
  • 撮影:チェ・チャンミン
  • 照明:ユ・ソンムン
  • 編集:キム・サンボム、キム・ジェボム
  • 武術:ホ・ミョンヘン、チェ・ボンノク
  • 製作会社:サナイピクチャーズ、映画社月光
  • 配給:CJエンタテインメント

背景・製作

ファン・ジョンミンが扮した主人公は、実在する工作員、朴采書(パク・チェソ)をモデルにしている[6][7][8]

1997年、国家安全企画部次期大統領選に向けて、与党であるハンナラ党党首の李会昌を当選させることを目的に「北風工作」を立案した。大統領府行政官のオ・ジョウン、実業家のハン・ソンギ、チャン・ソクジュンの3人は北京で北朝鮮アジア太平洋平和委員会の関係者と会った際、休戦ライン付近で北朝鮮側から武力攻撃を仕掛けるよう依頼した[9][6]。この事件は韓国では「銃風事件(총풍 사건)」と呼ばれている。朴采書は北京のホテルの一室で韓国側から報酬として受け取ったとみられるドル紙幣を数える北朝鮮の役人らの姿を目撃し、一連の北風風工作を金大中陣営にリークした。金大中の事務所がそれを公にしたため、武力攻撃は現実のものとはならず、同年12月18日に行われた選挙で金が僅差で当選を果たした[6][10]

1998年3月24日、ハンギョレが「国家安全企画部が昨年大統領選挙の際、特殊工作員を新政治国民会議の金大中の陣営、国民新党李仁済の陣営に侵入させ、北朝鮮接触を誘導し、これらの過程で各種情報を組織的に入手した」と報道。北朝鮮に送り込んだ特殊工作員のコードネームが「黒金星」であると明かした[10]。同年10月、前述のオ・ジョウンら3人は国家保安法違反などの罪により起訴された。国家安全企画部元部長の権寧海(권영해)も、北朝鮮に接触した事実を知りながら捜査指示を下さなかったとして同法違反の罪で起訴された。2003年9月26日、最高裁判所はオら3人の上告を棄却し、有罪が確定した[11]。権寧海については無罪を宣告した2審判決がそのまま確定した[11]

朴采書は韓国当局から国家保安法違反容疑で逮捕されたが最終的に無罪とされた[6]。なお、この逮捕により身元が割れたことで諜報機関からは解雇されている[6]2008年には李明博が大統領に当選し、保守政党が政権に返り咲いた。諜報機関トップが入れ替わった結果、2010年にソウルで再び逮捕され、裁判の結果有罪が確定し、6年の禁固刑に服している[6]。監督であるユン・ジョンビンが国家安全企画部(KCIA)をテーマにした映画を企画し、調査を進める中で存在を知ったことが製作のきっかけとなった[12]

2017年1月25日から撮影開始[3]第71回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニングに公式招待され、2018年5月11日に同映画祭でワールドプレミアを迎えた[4][13]

韓国では2018年8月8日に公開され、観客動員数497万人を記録[14][15]

日本では2019年7月19日に公開された[5]

受賞歴

  • 第39回青龍映画賞
  • 第55回大鐘賞
  • 第55回百想芸術大賞
    • 映画部門 作品賞[18]
    • 映画部門 男性最優秀演技賞(イ・ソンミン)[18]
  • 第27回釜日映画賞
    • 最優秀作品賞
    • 脚本賞(クォン・ソンヒ)
    • 主演男優賞(イ・ソンミン)
    • 助演男優賞(チュ・ジフン)
    • 美術賞(パク・イルヒョン)
  • 第38回韓国映画評論家協会賞
    • 監督賞(ユン・ジョンビン)[19]
    • 主演男優賞(イ・ソンミン)[19]
    • 助演男優賞(チュ・ジフン)[19]
    • ヨンピョン11選[19]
  • 第5回韓国映画制作家協会賞
    • 美術賞(パク・イルヒョン)[20]
    • 撮影賞(チェ・チャンミン)[20]
    • 照明賞(ユ・ソンムン)[20]
  • 第18回ディレクターズ・カット・アワード
    • 今年の男性演技者賞(イ・ソンミン)[21]
    • 今年の特別言及[21]
  • 第19回今年の女性映画人賞[注 1]
    • 技術賞(チェ・ウナ〈音響編集技師〉)[25]
    • 広報マーケティング賞(エンドクレジット)[25]
  • 第2回ザ・ソウルアワード
    • 映画部門 大賞[26]
    • 映画部門 助演男優賞(チュ・ジフン)[26]
  • 第39回黄金撮影賞
    • 最優秀作品賞[27]
    • 撮影賞 銀賞(チェ・チャンミン)[27]
  • 第10回今年の映画賞
    • 作品賞[28]
    • 主演男優賞(イ・ソンミン)[28]
    • 助演男優賞(チュ・ジフン)[28]
  • シネ21今年の映画・映画人[注 2] - 今年の映画賞8位
  • 第6回 BIFF マリ・クレール アジアスターアワード - アジアスター賞(チュ・ジフン)[31]

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI