女子高生・雪室杳子(ゆきむろ ようこ)は高校の友達に祝福されて、恋人である担任教師・保本登と結婚する筈だった。ところが、式の直前に2人の交際と結婚に反対していた「東雲学園高等学校」の学園長が何者かに惨殺される。その容疑者として保本が学園長に護衛を依頼された私立探偵・神恭一郎に「お前は学園長を殺して逃げ出した後でこのライターを落としたことに気がつき、ここに取りに戻って来た。」と見ていたような作り話で犯人だと決めつけられて逮捕され、死刑判決を受けてしまう。自身で手錠をかけておきながら早すぎる判決に裏に何かあると考えた神、親友・紅崎麻矢やクラスメイトと共に登の無実を証明しようとする杳子だったが、その証人となる人物は次々と何者かに殺害されてしまう。保本が学園長を殺害して学校を飛び出したと証言した用務員[1]は後頭部を殴打されて殺され、T海岸のオーナーが死んだために打ち捨てられた水族館の空腹を強いられる魚に遺体を貪られるという最も惨い扱いだった。保本の死刑が執行される当日、杳子と神は犯人をあぶり出すために罠を仕掛ける。真犯人を告げられ信じたくなかった杳子だが、強力な証人になり得る紫の服の少女に変装した自身を殺そうとしたことで証明されてしまう。実は、真犯人は親友だと信じた麻矢だった。彼女は「友を装う敵」だったのである。
学園長は昔、紅崎社長の家で赤ちゃんだった頃の麻矢(杳子)の乳母をしており、貧乏を苦に心中した娘夫婦が残した孫娘を抱えて途方に暮れ、魔が差して2人の赤ちゃんをすり替えて真の麻矢である杳子を孤児院の前に捨てたのだった。自責の念は大きくなるばかりで物心ついた麻矢に祖母だと名乗りをあげ、罪滅ぼしのつもりで杳子を援助していたが、麻矢を引き取って2人で暮らせるだけの蓄えはあるからと保本に間に立って貰って紅崎夫妻に打ち明けて杳子を返し、麻矢と共に生きる覚悟を決めたのだった。しかし、紅崎夫妻を両親と慕い今の生活を失うまいとする麻矢にとっては身勝手すぎる選択だったため、反発が殺意に発展すると予想して神に護衛を依頼しながらも孫だと油断した隙を突かれて学園長は麻矢に絞殺された。用務員が保本に容疑がかかる偽証を行ったことにより、想いを拒まれた片恋の逆恨みもこめて死刑に追いやり、彼の心を奪った杳子を苦しめる復讐を実行することを麻矢は決意した。
その後も先手を打って事件解決と自身の破滅に繋がる手がかりになり得る人物の抹殺を行った麻矢だったが、死刑前日までなす術がなく後手後手に回る状況に疑問を抱き原点に戻って再調査により神は麻矢が真犯人だと見破り、その事実を告げられても信じたくなかった杳子と協力して罠に嵌めて真相が暴かれて保本の無実は証明された。死刑執行の日が迫る中で保本が自身の無実を証明できるかもしれないと神の友人で別マのまんがスクールで勉強した漫画家・岩田慎二[2]が似顔絵を描いた自殺未遂の紫の服と香りのするペンダントをした少女は紅崎家と似たような複雑な家の出自であり、一旦は保本の説得で自殺を思いとどまったかに思われるも結局は再び自殺を図り亡くなっていたことが事件解決後に明らかになる。その陰で、殺人に殺人を重ねなければならない状況に追いつめられた麻矢の悲劇があり、彼女もまた実の祖母により運命を狂わされた被害者だった。