掘り上げ田
From Wikipedia, the free encyclopedia
概要
掘り上げ田は干拓や埋め立てが困難な水面下あるいは地下水位が極めて高く水生植物が繁茂するような低湿地における開田法である[2]。このような開墾技術は日本の低湿地帯で広く行われ、少なくとも14世紀中葉にまで遡ることができる[2]。1794年(寛政6年)の大石久敬『地方凡例録』には「堀田」として説明があり、水田湿地において田の内部を掘上げ畔を立てて、その高みに稲作を行う方法としている[2]。
水路(地域によりミヲ、掘潰れ(堀潰れ)、掘付(ほっつけ)などという)を掘削して田(耕作部分)の盛土を行うため、水田と水面が櫛状に並ぶ景観となる[2][3]。冠水しやすく農作業に田舟などを用いることもあり農作業の労働効率は低い[2]。
掘潰れなどと称される水路は水運にも利用されたほか漁場としても重要な役割を果たした[2]。一方、時間の経過とともに掘り上げ田より土が掘潰れへと流れ堆積し、水路が浅くなるなどの弊害も起きる。そのため定期的に掘り潰れより掘り上げ田へと土を盛り直す作業(のろ上げ、ノロ上げ、ノロアゲなどと称する)が行われた。なお、掘り上げ田を開発する以前の湖沼・沼沢地には周辺からの水路が流入していることも多く、それらは「附廻堀」として掘り上げ田の造成時に併せて再整備されていることが多い。