文吉湾
北海道にある湾の名
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地理・歴史
漁港施設
港については文吉港や文吉避難港[4]とも通称されるが、行政上は第4種漁港であるウトロ漁港の一地区であり、ウトロ漁港(知床岬地区)と呼ばれる[5]。
知床半島周辺の海域は、天候の急変により突風が吹くことで知られており、過去には漁船の大量遭難事件も発生している。1959年4月6日に半島東側(羅臼町側)で80名を超す死者・行方不明者を出した「4・6突風[6]」[注釈 1]、1966年に半島西側(斜里町側)で発生した死者・行方不明者20名を超す漁船2隻の遭難事件などである[10][11][12]。ウトロ漁港から羅臼漁港までの海岸線は約100kmあるが、当時は荒天時に避難できる港はなかった。これらの遭難事件を教訓として、「文吉湾」は1969年にウトロ漁港の分港として着工し、1971年に避難港として竣工、更に工事が加えられて1983年に現在の形となった[4][13]。2022年の毎日新聞の取材に対して、地元の80代の漁師は、文吉湾の整備以後(漁船の)大きな海難事故はなくなったと述べている[11]。
先端部地区の海域は漁業資源に恵まれており、定置網漁や刺網漁がおこなわれている[2][注釈 2]。文吉湾には「オコツク番屋」と呼ばれる番屋[注釈 3]が設置されており、漁期には漁民が泊りがけで作業を行う[13]。
利用規制
文吉湾は知床国立公園(1964年指定)内に位置し、陸地側は特別保護区域に指定されている。自然環境保護の観点[注釈 4]から、関係諸機関の「知床岬地区の利用規制指導に関する申し合わせ」(1984年)により、一般観光客等はレクリエーション目的で文吉湾を含む「知床半島先端部地区」に動力船から上陸することは認められていない[注釈 5][14][16]。この利用規制は、行政機関の用務や漁業に関連する利用については除外されており[注釈 6]、教育・研究のための立ち入りは個別に検討される[16]。
2022年4月23日の知床遊覧船沈没事故では、遭難船が本港に入れていれば、という声が上がった[13][11][12]。漁業関係者以外の事業者(個人のプレジャーボート所有者や遊漁船事業者)にとっては「寄港が禁じられた場所」という印象が強かったのではないかという声もあり、斜里町は漁港使用の注意事項の文面を変更し、緊急時の避難先としての周知が図られることとなった[11]。
