新版歌祭文
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題材となった心中事件は、黒木勘蔵の推論によれば宝永5年(1708年)に起きている。その後、事件は脚色され歌祭文となって流布した。宝永7年には歌舞伎狂言『心中鬼門角』として初の舞台化がなされたが、『新版歌祭文』に直接の影響を与えた作品は、宝永8年(1711年)に豊竹座で初演となった人形浄瑠璃『お染久松袂の白しぼり』である[1]。『袂の白しぼり』は所作事の傑作として、諸流派で繰り返し再作品化されている。
『新版歌祭文』は、お染・久松の心中事件を下敷きとして、安永年間の風俗や事物を活写して創作された作品であり、特に野崎村の段は全て半二の創案によるものである[1]。世話物とされているが、悪党の奸計や刀の詮議、改心の愁歎などの要素が盛り込まれた歌舞伎仕立ての作品となっている。