方向余弦
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単位ベクトルの表示


が 三次元ユークリッド空間 のベクトルとする。を標準基底ベクトルとすると、となる。ここで、ベクトル の方向角(direction angle(s)) を考える。 はベクトル と基底ベクトル がそれぞれなす角として定義される。なお、方向角 は鋭角または鈍角( )である。
このとき、単位ベクトルの方向余弦 α, β, γ は、で定義される。
以上の議論から、自明に、
が成り立つ。すなわち、単位ベクトルの各成分は方向余弦である。
方向余弦の恒等式
各式を2乗して足すと、となる。これは単位ベクトルの各成分が単位球面上にあることを意味している。
方向余弦行列
より一般的に言えば、方向余弦とは、任意の2つのベクトル間の角度の余弦のことである。これらは、ある正規直交基底ベクトルの集合を集合で表現する方向余弦行列(direction cosine matrices)を求めたり、既知のベクトルを異なる基底で表現したりするのに役立つ。簡潔に言えば、方向余弦は、デカルト座標系におけるベクトルの方向を表現する簡単な方法を提供するといえる。
三つの互いに直交する方向(新しい座標軸)を、とする。直交するための必要十分条件として、が必要である。ここで、方向余弦行列をとして定義する。
方向余弦行列は明らかに直交行列であるため、が成り立つ。
また、行列式は常に、となり、正値は右手系、負値は左手系であることを意味する。
オイラーの回転定理
オイラーの回転定理を方向余弦を用いて表現してみる。方向余弦行列 R に対し、回転軸の方向余弦を (l,m,n)、回転角を θ とすると、
となる。この式は、方向余弦が回転軸の方向と回転角の余弦(及び正弦)を通じて空間の回転を完全に記述できること示している。つまり、方向余弦は回転群 の座標表現である。
応用
2つのベクトルのなす角の決定
ベクトル u と v がそれぞれ方向余弦 (αu, βu, γu) と (αv, βv, γv) を持つとする。このとき、単位ベクトルは、
となる。両者の内積を取ると、 θ をなす角として、となる。
θ は幾何学的な角度であり、正値性を満たす。したがって、内積の正の値のみを採用することで、最終的な結果が得られ、となる。
直線の方程式
を方向余弦とすると、直線の方程式は、で表される。