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旅立ちのラストダンス

2024年の香港映画 From Wikipedia, the free encyclopedia

『旅立ちのラストダンス』(たびだちのらすとだんす、原題:破·地獄、英語:The Last Dance)は、2024年に公開された香港のドラマ映画である。監督・脚本は陳茂賢(中国語版)(アンセルム・チャン)。
香港の殯儀業界を題材に、道教の葬儀儀式「破地獄(中国語版)」を通じて、生と死、家族の絆を描く。黄子華(中国語版)(ダヨ・ウォン)と許冠文(マイケル・ホイ)の共演が話題となり、香港で歴代広東語映画興行収入第1位を記録した[1]。

繁体字 破·地獄
粤語拼音 Po3 Dei6 Juk6
英題 The Last Dance
監督 アンセルム・チャン
概要 旅立ちのラストダンス, タイトル表記 ...
旅立ちのラストダンス
タイトル表記
繁体字 破·地獄
粤語拼音 Po3 Dei6 Juk6
英題 The Last Dance
各種情報
監督 アンセルム・チャン
脚本 アンセルム・チャン
出演者 ダヨ・ウォン
マイケル・ホイ
ミシェール・ワイ
チュー・パクホン
キャサリン・チャウ
ポール・チン
エレイン・ジン
韋羅莎
梁雍婷
白只
鍾雪瑩
主題歌 《普渡眾生》/林家謙
撮影 潘耀明(HKSC)
配給 英皇電影
公開
  • 2024年11月9日 (2024-11-09) (香港・澳門)
  • 2026年5月8日 (2026-05-08) (日本)
上映時間 127分(本編)
140分(加長版)
製作国 香港の旗 香港
言語 広東語
製作費 4000万香港ドル
興行収入 1億7000万香港ドル(香港・澳門)
2億1000万元人民幣(中国大陸)
4100万元新台幣(台湾)
1882万令吉(マレーシア)
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本作は、ハワイ国際映画祭(英語版)では『ラスト・ダンス』(The Last Dance)のタイトルで上映された。

日本では映画祭では『ラスト・ダンス』の邦題で上映されたが、2026年5月8日に『旅立ちのラストダンス』としてディレクターズカット版(加長版)を劇場公開[2][3]。

あらすじ

ウェディングプランナーの魏道生(黄子華)は、COVID-19禍による業界の低迷で債務を抱え、葬儀会社「長生店」を引き継ぐことになる。伝統的な道教の喃嘸師傅(葬儀司祭)である郭文(許冠文)と出会い、最初は価値観の違いから衝突を繰り返すが、さまざまな葬儀を通じて生と死の本質を考え、郭文の家族との絆を深めていく。

キャスト

  • 黄子華(中国語版)(ダヨ・ウォン) - 魏道生(トウサン)役。負債を抱え、葬儀業界に転身した元ウェディングプランナー。
  • 許冠文(マイケル・ホイ) - 郭文(マン道士)役。伝統に厳格な道教の喃嘸師傅。
  • 衛詩雅(ミシェール・ワイ) - 郭文玥(マンユッ)役。マン道士の娘で救急隊員。父の女性蔑視的態度に苦しむ。
  • 朱栢康(チュー・パクホン) - 郭志斌(パン)役。マン道士の息子。家業を継ぐことを強要される。
  • 周家怡(中国語版)(キャサリン・チャウ) - 曾美玉(メイユッ)役。トウサンの長年の恋人。
  • 秦沛(中国語版)(ポール・チン) - 明叔(ミン)役。引退する葬儀社のオーナー。
  • 金燕玲(エレイン・ジン) - 蓮姐(リン)役。葬儀社近くの飲食店のオーナー。
  • 韋羅莎(中国語版)
  • 梁雍婷(中国語版)
  • 白只(中国語版)
  • 鍾雪瑩 (ジョン・シュッイン) ほか

製作

企画・構想

陳茂賢監督は、10年前から生と死を題材にした映画を構想していたが、技術的にも精神的にも未熟だと考えていた。COVID-19パンデミックの間に身近で多くの死を目撃したことでこのテーマと再び向き合い、脚本執筆を開始した。監督自身の祖母の死も、脚本に影響を与えたという。脚本執筆に先立ち、監督は1年半にわたり葬儀業界の関係者にフィールドリサーチを行い、実話を物語に組み込んだ。当初の脚本はより「暗い」トーンだったが、主演の黄子華らからの意見を受けて、コメディの要素を加えつつ軽妙なドラマに調整された。

主演には、高い演技力を持つコメディアン出身の俳優を起用したいと考え、2023年に大ヒットした『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』(毒舌大狀)の黄子華と、『ゴッドスピード(中国語版)』(一路順風)での演技が評価されていた許冠文を選んだ。衛詩雅に対しては、脚本執筆の初期段階から、女性が「破地獄」を執り行うという最終局面を演じて欲しいと考えており、彼女はこの役作りのために1年間他の仕事をすべてキャンセルして儀式の練習に専念した。

撮影

主要撮影は2024年1月から3月にかけて行われた。葬儀社が密集する紅磡地区(クック・ストリート(中国語版)、バルクリー・ストリート(広東語版))や、撮影に初めて開放された東華義莊、萬國殯儀館などでロケーション撮影が実施された。萬國殯儀館では、夜間に弔問ホール、地下室、霊安室などでの撮影が行われた。

俳優陣は役作りのため、実際の葬儀を観察し、遺体の洗浄や dressing などの技術を3ヶ月間学んだ。80歳を超える許冠文は基本的な「破地獄」の儀式に加え、南音(中国語版)や二胡も習得した。衛詩雅と朱栢康は、撮影開始前の9ヶ月間、「破地獄」の儀式を練習した。

テーマと文化的背景

監督の陳茂賢によれば、本作の最も伝えたかったメッセージは「生きることの意味を、死を通して見る」ことである。パンデミックという集団的な死の体験を経た香港社会において、映画は「死の練習」と「集団の癒し」をもたらす作品として受け止められた。

物語の核となる道教儀式「破地獄」は、香港で発展した独特の文化的慣習である。監督は「オリジナルの道教に、香港にもともと存在した土着の習慣や信仰が融合した『香港スタイル』とも言うべき独特のもの」と説明している。この儀式と、伝統の中に存在する女性蔑視的なタブー(例:月経中の女性は穢れているという考え)への批判的考察が、物語の重要な軸となっている。映画は、こうした伝統と現代的な価値観(フェミニズム、革新)の対比を通じて、家族の絆や世代間の対話を描き出している。

公開・興行収入

本作は、2024年10月11日に第44回ハワイ国際映画祭でワールド・プレミアされた後、11月9日に香港で劇場公開された。
日本では、2024年10月の第37回東京国際映画祭および同年11月の香港映画祭「Making Waves」で上映された。

香港では公開後、記録的なペースで興行収入を伸ばした。

  • 公開20日で興収1億香港ドルを突破(香港映画史上最短記録)。
  • 公開23日で、2024年の香港公開華語映画で最高興収を記録した『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』の記録を更新。
  • 公開29日で、2023年の『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』が持つ香港歴代華語映画興行収入記録(1億2200万香港ドル)を更新。
  • 最終的に、香港・マカオでの興行収入は1億7000万香港ドルに達し、香港映画史上最高の興行収入を記録した。

2025年4月4日(清明節)には、約13分間の未公開シーンを追加した140分の「加長版」(導演版)が香港などで公開された。

日本での上映など

過去の映画祭では通常版と加長版のそれぞれが上映されている。

  • 2024年10月 第37回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門で上映[4]
    ※ジャパン・プレミア(通常版126分を『ラスト・ダンス』の邦題で上映)
  • 2024年11月 香港映画祭2024 Making Wavesで上映(東京・大阪)[5](通常版126分を『ラスト・ダンス』の邦題で上映)

※ワールド・プレミア(加長版139分版を『ラスト・ダンス <ディレクターズカット>』として世界初上映)

加長版は上映時間の差だけでなく、通常版ではカットされた場面が追加されており、通常版では登場しない人物も存在する[7]。

受賞とノミネーション

2025年の第48回香港電影金像奨では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞(黃子華、許冠文)、主演女優賞(衛詩雅)など、最多となる18部門にノミネートされた。これは、『孫文の義士団』(十月圍城)(2009年)と並ぶ史上最多ノミネート記録である。
また、香港から第98回アカデミー国際長編映画賞への出品作品に選出された(ノミネートには至らなかった)。

出典

外部リンク

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