日韓問題
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概要
領土問題
排他的経済水域と大陸棚延伸に関わる問題
朝鮮半島から日本に流出した文化財の問題
19世紀に朝鮮半島から日本に流出した文化財の多くは、現在も日本の博物館や図書館に保管されている。これらの文化財を韓国に譲渡することを韓国の市民団体などが強く求めている。しかし、1965年の「文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」と日韓請求権協定において、韓国政府が1400点の文化財の返却と引き換えに、これら以外の文化財の請求権を放棄していることや、日本にある朝鮮半島の文化財が略奪されたものであることが立証できないため、日本政府は韓国政府に返還する義務はない。そのため、韓国は「日本が自主的に朝鮮半島の文化財を(北朝鮮ではなく)韓国政府に返還するべきだ」と主張している[4]。2010年4月6日、韓国の国会議員7名が、「日韓併合100周年を迎え、日本にその反省をさせ、文化財の返還を促す」ために訪日している[5]。韓国が返却を要求している文化財は、宮内庁が所有している朝鮮王室儀軌や東京国立博物館に寄贈されている小倉コレクション(小倉武之助収集、財団法人小倉コレクション保存会寄贈)[6] など多岐に渡る。
また、韓国人窃盗団による「返還」名目の日本文化財の窃盗で韓国に流出した文化財について、日本政府は韓国政府への返還交渉を行っているが、返還が実現された事例はない[7]。
歴史認識問題
韓国併合合法不法論争
1905年の日韓保護条約および1910年の韓国併合について、韓国は当初より無効であったとの主張しており、合法であったとする日本側学者との間で論争となっている。
第二次世界大戦の賠償問題等
1965年の日韓基本条約および日韓請求権協定に基づき、日本は韓国政府に無償3億ドル・有償2億ドルの経済協力資金を供与した。韓国政府はこれを主として経済開発に活用し、元徴用被害者遺族に対しては死亡者1人あたり30万ウォンを支給したとされる[8]。
その後、被害者らは韓国政府および日本企業を相手取った補償訴訟を提起し、韓国国内では個人請求権の存続をめぐって司法判断が分かれた[9]。
日本政府は、請求権問題は1965年協定により「完全かつ最終的に解決済み」との立場を維持している[10]。
慰安婦問題
韓国の民間団体が慰安婦像を韓国の国内外に設置している。特にソウルの日本国大使館付近に設置されている慰安婦像について、2015年の慰安婦問題日韓合意で韓国政府が大使館前から移設させることが確認されたが、韓国政府が履行しないことが問題となっている。日韓の外相が発表した「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」とした合意について、日本が全ての条件を履行したのに対して、韓国側が条件を履行しないまま、合意で定められた和解・癒やし財団を解散させるなど、合意を形骸化させていることが問題となっている。
2019年、文喜相韓国国会議長は慰安婦問題に関連し、天皇による謝罪が望ましいとの趣旨の発言を行い、日本側はこれに強く抗議した。日本政府は不適切かつ受け入れられない発言であるとして謝罪と撤回を要求し、韓国政府は被害者中心の解決を求める趣旨であったと説明した[11]。
2025年、李在明大統領は就任後初の訪日に先立ち、2015年の日韓慰安婦合意および2023年の徴用工問題をめぐる第三者弁済案について、「国家としての約束であり、覆すことは望ましくない」と述べた[12]。
徴用工訴訟
2018年、大韓民国大法院が三菱重工業に対し、元徴用工遺族28人への損害賠償を命じる判決を下し、賠償問題をめぐる外交摩擦が再燃した[13]。
日本政府は1965年の日韓請求権協定により請求権問題は最終的に解決済みとの立場を示した一方、文在寅政権は個人請求権は消滅していないとの立場を示した[14]。
日本政治家による植民地支配をめぐる発言
1950年代以降、日本の政治家・政府関係者による日本統治時代の朝鮮および慰安婦問題をめぐる発言は、韓国国内でたびたび批判を受け、日韓関係における外交問題へと発展してきた。こうした発言は、日本政府の植民地支配に対する謝罪の真意を疑問視する世論を韓国国内で強める一因となっている[15]。
1953年の日韓会談では、日本側代表の久保田貫一郎が「日本の植民地支配は朝鮮に利益をもたらした」とする趣旨の発言を行い、韓国では対日歴史認識問題の端緒となったとみなされている[16]。
1997年には安倍晋三が慰安婦問題に関連して不適切と受け取られる発言を行ったと報じられた[17]。
2003年には麻生太郎が創氏改名について「朝鮮人が望んだ」とする趣旨の発言を行い、同年には石原慎太郎東京都知事が「日韓併合は朝鮮人の選択だった」と発言した[18]。
2007年には下村博文が慰安婦制度について「当時、韓国の親が娘を売ったため」と発言した[19]。
2010年には枝野幸男が日韓併合をめぐり「中国や韓国が近代化できなかったため歴史的に不可避だった」とする趣旨の発言を行った[20]。
歴史教科書問題
日本の歴史教科書の日韓関係に関する記述(刀伊の入寇・元寇・応永の外寇・文禄・慶長の役など前近代における日朝間の軍事的衝突から、近代以降の韓国併合、第二次世界大戦や、前述の竹島問題などの解釈)に関して、日本の歴史観が韓国の歴史観と異なることが韓国から批判されている。
靖国神社問題
日本の政治家による靖国神社参拝については、同神社に東条英機、松井石根ら14名のA級戦犯が合祀されていることを理由として、韓国や中国などが問題視している[21]。
戦犯旗問題
日本では旭日旗は歴史の一部として認識されているが、韓国側ではこの旗が日本の戦争犯罪と関連しているとして、ナチス・ドイツのハーケンクロイツと類似した象徴であると主張されている[22]。旧日本海軍は20世紀初頭から第二次世界大戦終結までの間、朝鮮半島の植民地化および中国やアジア諸国への侵攻・占領の過程でこの旗を使用していたとされる[22]。
韓国では2011年以降、旭日旗に対する反対運動が活発化したとされる。サッカー選手の奇誠庸が試合中に旭日旗を想起させる状況に言及したことが議論を呼び、これを契機に旭日旗問題が注目されるようになったと報じられている[23][24]。一方、日本側では当該試合において旭日旗の存在自体を否定する見解もある[25]。
この旗はFIFAによって禁止されており、日本は2017年のAFCチャンピオンズリーグの試合で、日本のファンが旗を掲げた後、アジアサッカー連盟(AFC)から制裁を受けた[26]。
また2012年以降、韓国側では旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶ動きが広がり、これをナチスの象徴と同一視する政治的・社会的キャンペーンが展開されたとする研究もある[27][28][29]
日本政府の基本的立場は、「旭日旗が政治的主張の表現や軍国主義の象徴であるという主張は事実ではない」というものであるとされている[30]。
保守系新聞である産経新聞は、第二次世界大戦当時に日本に反対していた米国も旭日旗について公式な抗議を行っていないとして、韓国の対応を批判している[31][32]。また産経新聞は、旭日旗の歴史は第二次世界大戦以前に遡るものであり、朝日新聞のロゴにも類似した「昇る太陽」の意匠が使用されていると指摘している[33]。
一方で韓国では、朝日新聞のロゴに見られる旭日旗に類似した意匠についても批判的な見方が存在するとされている[34][35]。
漁業問題
日本海呼称問題
福島原発関連問題
日本産水産物輸入規制問題
韓国政府は2013年、福島第一原子力発電所事故による放射性物質汚染への懸念を理由として、福島県を含む日本8県産の水産物輸入を禁止した[39]。
日本政府は科学的根拠に乏しい措置であるとして反発し、世界貿易機関(WTO)に提訴したが、2019年4月、WTO上級委員会は韓国側の輸入規制を容認する判断を示した[40][41]。
福島第一原子力発電所の放射能処理水の排出
2021年4月に日本は福島原発の処理水を放出する決定をしたが、両国間の新たな緊張の源として浮上した[42]。 日本がこの決定を発表した後、韓国政府は直ちにこの決定を非難し、駐日日本大使を呼び出して厳重な抗議を行った[43][44]。日本の決定により、韓国全域で市民の抗議活動が相次いだ[45][46][47]。
韓国政府は日本に対する法的措置を検討しており、韓国の様々な市民団体や協会も同様の対応を検討している[48][49][50]。さらに、韓国はこの問題に関して、アメリカ合衆国、デンマーク、その他のG7諸国などの他の国々の協力を求めている[51][52][53]。2021年6月には、韓国国会が日本の決定を非難する決議を政治的な各方面の支持を得て可決したため、対立はさらにエスカレートした[54]。
解決済みの問題
韓国での日本文化の流入制限
2005年初めからアニメなどごく一部を除き、日本大衆文化は徐々に開放されている。2010年9月10日に日本の歌手グループSKE48が「2010ソウルドラマアワード」授賞式で「強き者よ」「青空片想い」を日本語で歌唱を披露する姿が韓国の地上波テレビで生中継された。韓国は、2004年1月の日本大衆文化第4次開放で日本語の歌唱の放送を許可したが、放送局側で録画だけに制限していた。生中継されたのは、これが初めてである。事前に放送通信審議委員会を通した上で、放送が決定された[55]。
ディスカウントジャパン運動
日本の国際社会における価値や評判を下げて、相対的に韓国の地位を向上させるネガティブキャンペーンに対して、日本の嫌悪感が高まっている問題。
GSOMIA破棄問題
2019年8月22日、韓国政府は日韓で防衛機密を共有することを定めた日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)を破棄することを決定した[56]。
2023年3月16日、尹錫悦大統領と岸田文雄首相による日韓首脳会談を契機として、GSOMIAは完全正常化された[57]。
レーダー照射問題
2018年、日本の自衛隊機に向けて射撃レーダーが照射される問題が発生するなど、日韓関係の悪化が深刻なものとなった。この問題についての主張は両国で大きく異なっており、一層解決が難しくなっている。
2024年6月、木原稔防衛相と韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官の会談で、韓国海軍による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題を巡る再発防止策に合意した[58]。