明日少女隊

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明日少女隊(あしたしょうじょたい、英: Tomorrow Girls Troop)は、2015年に結成されたフェミニスト・アーティスト・コレクティブである。匿名性を保ちながら、現代美術アクティビズムを横断する活動を行い、日本および東アジアのジェンダー問題を主要な主題としてきた[1][2][3]

明日少女隊は、2015年に発足したフェミニスト系のアートグループである[1][3]。Tokyo Art Beatおよび『週刊金曜日』では、ジェンダーや国籍の異なるメンバーによって構成され、日本、北米、韓国、欧州、南米などに点在する通算約50人規模の隊員が活動してきたと紹介されている[1][2]。また、富井玲子は2024年の論考で、同隊を「オンラインのコレクティブ」と位置づけ、2015年以来の活動の継続性に言及している[3]

その実践は、展覧会作品の制作にとどまらず、パフォーマンス、デモンストレーション、署名活動、オープンレター、映像、レクチャー、ワークショップなど多様な形式を横断する点に特徴がある[1][4]。このため、明日少女隊はしばしば、フェミニスト・アートと社会関与型の現代美術実践の接点に位置する集団として紹介される[1][3]

沿革

明日少女隊は2015年に結成された[1][3]。2015年以降、ジェンダー表象や家族制度、性暴力、フェミニズムをめぐる言説、トランスジェンダーの権利、戦争と記憶などを主題としながら、作品展示、フィルム上映、レクチャー、ワークショップ、オンライン署名運動などを展開してきた[1][4]

初期の活動としては、2015年の三重県志摩市公認キャラクター「碧志摩メグ」をめぐる論争に関連し、現役の海女を含む市民グループや明日少女隊などによる公認撤回を求める署名活動が起こったことが、吉良智子の論文で言及されている[5]。同論文によれば、志摩市は当初撤回に難色を示していたが、2015年11月に公認撤回となった[5]。また、アジア・アート・アーカイブの2019年記事でも、明日少女隊がこの件でChange.org請願を組織したことが紹介されている[6]

また、2017年には『広辞苑』第7版における「フェミニズム」「フェミニスト」の語釈の変更を求める公開書簡と署名活動を行い、この問題は報道でも取り上げられた[7]

2023年には東京・北千住のBUoYで日本初個展「We can do it!」を開催し、結成以来の活動を総括的に提示した[1][4][2]。さらに2024年には、ニュージャージー市立大学(NJCU)Visual Arts Galleryで個展「We Can Do It!」が開催され、同大学はこれを同隊にとって初のアメリカ合衆国での個展と紹介した[8]

活動と表現手法

明日少女隊の活動は、街頭行動、ポスター制作、映像作品、展示、トークイベント、オンライン発信などを組み合わせるものである[1][4]。Tokyo Art Beatおよび『週刊金曜日』では、刑法性犯罪規定の改正、「慰安婦」問題、トランスジェンダーの権利、広辞苑のフェミニズムの定義など、さまざまな問題に取り組んできたグループとして紹介されている[1][2]

匿名性を維持して活動している点も同隊の特徴である[1][3]。富井玲子は、同隊が自らを「第4世代若手フェミニスト 社会派アートグループ」と称していることを紹介している[3]。こうした匿名的・集団的な実践は、個人作家中心の美術制度とは異なる方法で、社会問題と視覚文化との関係を問うものとみなされている[1][3]

主なプロジェクト

明日少女隊の代表的な活動の一つに、2017年の広辞苑キャンペーンがある。これは『広辞苑』における「フェミニズム」「フェミニスト」の定義変更を求めたもので、公開書簡とオンライン署名を通じて展開された[7]

また、2015年の碧志摩メグをめぐる論争では、公認撤回を求める署名活動に明日少女隊が加わったことが学術論文で確認できる[5]。このほか、選択的夫婦別姓制度、性暴力反対運動、トランスジェンダーの権利擁護、戦争責任や記憶の問題などを扱うプロジェクトやアクションを継続してきた[1][4]

展覧会と国際的展開

明日少女隊は、2010年代半ば以降、国内外の美術機関や教育機関で作品展示、上映、レクチャー、ワークショップを行ってきた[4][3]。2023年のBUoYでの「We can do it!」は、日本初個展として位置づけられており、発足後約9年間にわたる活動を振り返る展覧会であった[1][4][2]

2024年のNJCUでの「We Can Do It!」は、同大学の発表においてアメリカ合衆国初個展とされている[8]。富井玲子もこの展示を取り上げ、同隊の越境的な活動と、ほぼ10年に及ぶ継続性に注目している[3]

受容・評価

明日少女隊は、日本におけるフェミニズムと現代美術の接点を体現する集団として紹介されることが多い[1][3]。2023年の日本初個展に際しては、ジェンダー平等を目指して活動するフェミニスト・アーティスト・グループとして報じられた[2]

また、活動はしばしば公共表象やジェンダー言説をめぐる論争の中で受け止められてきたが、その実践は、そうした論点を視覚文化と社会運動の交差点において提示するものとして理解されている[1][3]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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