栄養教諭

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栄養教諭(えいようきょうゆ)とは、児童生徒栄養の指導及び管理をつかさどる教員のことである(学校教育法28条第8項など)。

児童・生徒の発育において、栄養状態の管理や、栄養教育の推進をめざして平成17年度(2005年度)に新たに設けられた職である。 職務は、食をコントロールしていく「食の自己管理能力」や「望ましい食習慣」を子どもたちに身につけさせる食に関する指導(学校における食育)と、学校給食の管理である。

栄養教諭の職務は、食に関する指導と学校給食の管理を一体的に担う点に特色があり、学級活動教科学校行事等の時間に学級担任等と連携して指導を行い、給食の献立や地場産物の活用を授業や給食の時間の指導に結び付けることで教育上の相乗効果を生み出すものとされている[1][2]。学校給食の管理の側面でも、栄養管理、衛生管理、検食、物資管理等を通じて日常の給食運営を担い、その実務で得た知見を食に関する指導へ還元することが制度上の前提とされている[1][2]。また、食物アレルギー肥満偏食などのある児童生徒への個別的な相談・指導は独立した職務として位置付けられており、養成段階でも相談や指導の場の参観と補助が実習内容に含まれている[1][3][2]。この個別的な相談・指導は、目的・期間の決定、アセスメント、個人目標の設定、相談指導計画の作成、相談指導の実施、再アセスメント、個人評価という流れに沿って行うことが示されている[2]

集団指導の場面としても、学級活動や給食の時間における指導の参観・補助、教科担任等と連携した授業、給食放送や配膳・後片付けの指導、児童生徒集会、委員会活動クラブ活動での指導までが想定されている[3][2]。そのため、栄養教諭に求められる準備は、献立作成や給食管理だけではなく、指導計画案や指導案の立案、教材研究、研究授業の企画立案、校内研修への関与、校務分掌の理解まで含むものとなっている[3]。学校での実習には、学校経営、校務分掌、服務等について指導教諭等から説明を受けることも含まれている[3]。さらに、校内での連携・調整、家庭地域との連携は、学級担任や管理職、他の教職員と協働しながら学校全体で食育を進めるための中核的な業務として整理されている[3][2]

食に関する指導に係る全体計画は、校長のリーダーシップの下に作成し、全教職員に共通理解され、確実に実施されることが必要とされている[2]。配置状況が自治体により異なることを前提にした冊子では、栄養教諭をはじめ管理職や学級担任など全教職員が共有すべき取組として、計画・実践・評価・改善のPDCAサイクルが示されている[4]。また、栄養教諭が配置されていない学校においても、学校の状況に応じて同内容を目指した取組が求められている[4]。このように、役割は給食管理の担当にとどまらず、児童生徒の健康課題に応じた個別支援、授業や給食時間を通じた集団指導、校内外の関係者をつなぐ調整を通して、学校における食育の企画・実施・評価を接続し、学校全体の食育方針を継続的かつ具体的に運用する専門性に及ぶ[1][2][4]

栄養教諭は、学校給食法による給食が行われる中学校などの義務教育諸学校において配置の必要性がある教育職員であるが、今のところ栄養教諭の配置は基本的に任意である[注 1]。また、学校給食法によらない給食が行われる幼稚園認定こども園を含む)、高等学校中等教育学校後期課程を含む)、特別支援学校にも配置することができるものの、幼稚園認定こども園を含む)、高等学校中等教育学校後期課程を含む)への配置は今のところ見受けられないようである[要出典]

栄養教諭は正規教員であり、栄養教諭普通免許状(専修、一種、二種)を有していなければならない。なお、栄養教諭は現行の教員免許制度からすれば、教員免許で唯一、普通免許状のみであり、特別免許状および臨時免許状はない。現職の学校栄養職員は、一定の在職経験と都道府県教育委員会が実施する講習等において所定の単位を修得することにより、栄養教諭免許状を取得できるよう法律上特別の措置が講じられているが、2019年11月現在、講習がほとんど実施されておらず、講習での取得はほぼ不可能に近い[5]

取得方法

免許法別表第2の2の場合
  • 専修免許状・・・修士学位管理栄養士免許+1種免許状の22単位+専修免許の24単位
  • 一種免許状・・・学士の学位+管理栄養士免許の所持、あるいは、管理栄養士養成課程を修了し栄養士免許を取得する+1種免許状の22単位
  • 二種免許状・・・短期大学士あるいは学士の学位+栄養士免許+2種免許状の14単位
免許法別表第6の2の場合

<学校栄養職員が、栄養教諭免許を取得する場合の特例>

  • 管理栄養士免許所持者、あるいは、管理栄養士養成課程を修了し栄養士免許が授与された者
    • 3年以上の在職年数+10単位修得→栄養教諭一種免許状の授与申請が可能
  • 栄養士免許保有者
    • 3年以上の在職年数+8単位修得→栄養教諭二種免許状の授与申請が可能
  • 管理栄養士免許と、何らかの教員免許状の、両方を所持している者
    • 在職年数の制限なし+栄養に係る教育に関する科目2単位のみ追加修得→栄養教諭一種免許状の授与申請が可能
  • 管理栄養士養成課程を修了し栄養士免許を取得し、それに加え、何らかの教員免許状の、両方を所持している者
    • 在職年数の制限なし+栄養に係る教育に関する科目2単位のみ追加修得→栄養教諭一種免許状の授与申請が可能
  • 栄養士免許と、何らかの教員免許状の、両方を所持している者
    • 在職年数の制限なし+栄養に係る教育に関する科目2単位のみ追加修得→栄養教諭二種免許状の授与申請が可能

※何らかの教員免許状とは、中学校の免許状高等学校の免許状(教科は、家庭科保健体育理科など、何でも可)、養護教諭の免許状(小中高の保健室の先生の免許)、小学校の免許状特別支援学校の免許状幼稚園の免許状のいずれかの免許状(かつて授与されていた1級または2級の普通免許状を含む)を指す。

なお、栄養教諭の免許状には特別免許状および臨時免許状が存在しないため、何らかの教員免許状(中学校の免許状高等学校の免許状養護教諭の免許状小学校の免許状特別支援学校の免許状幼稚園の免許状のいずれか)が特別免許状[注 2]または臨時免許状[注 3]として授与されている場合は、栄養教諭普通免許状(専修、一種、二種)を授与申請することはできない。

授与に関する注意事項

  • 栄養教諭二種免許状の授与申請には、栄養士免許を有していることが前提である。
  • 栄養教諭一種免許状の授与申請には、次のどちらかの条件を満たしていることが前提である。
    • ア)管理栄養士免許を有している
    • イ)管理栄養士養成施設を卒業し、栄養士免許を有している(管理栄養士国家試験を未受験、あるいは、受験したが不合格となり、栄養士資格の取得のみで卒業した場合)
  • 栄養教諭専修免許状の取得には、管理栄養士免許を有していることが前提である。そのため、栄養士・管理栄養士の免許を取得できない教育学部の単位だけでは、栄養教諭普通免許状(一種、二種)は取得できない。一方、4年制大学の栄養士養成施設を卒業し、栄養士資格を有しているだけでも、大学卒業時に栄養教諭一種免許状を取得することはできない。


  • 管理栄養士国家試験は、既に栄養士免許を持っている者(取得見込み含む)でなければ受験できない。
  • 栄養士免許は通学の昼間部でしか取得できず、夜間部や通信制課程で取得することはできない。そのため、管理栄養士免許あるいは栄養士免許の取得も義務付けられている栄養教諭普通免許状(専修、一種、二種)も通学の昼間部でしか取得できず、夜間部や通信制での取得はできない。


  • 栄養教諭専修免許状の取得が可能な国立大学大学院の課程は全国に4校(上越教育大学筑波大学岐阜大学奈良女子大学)あるが、管理栄養士養成課程を有するのは奈良女子大学のみである。所定の単位を全て修得しても、管理栄養士資格を有していなければ、栄養教諭専修免許状を取得することはできない。

脚注

関連項目

外部リンク

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