株式分割
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概要
従来の株数を1とした比率で表され、例えば「1:3」の場合、1株に対して2株が無償で、基準日(183条2項1号)に株主名簿に記載された株主に対し配られることになる。持株数は3倍になるが、(理論的には)株価は1/3になるので、資産の総額(時価総額)自体は変わらず、またすべての株主の持株数が均等に増加するので、基本的に持分比率の変動もない[注釈 1]。
よって、日本法においては、株式併合(180条2項)の場合と異なり、株主総会の特別決議(309条2項)までは法律上要求されず、取締役会設置会社においては、株主総会の通常決議すら不要で、取締役会の決議のみで分割が可能である(183条2項)。
株式分割が行われると、現に二以上の種類の株式を発行していなければ、発行可能株式総数を増加する定款の変更は、株主総会を経ることなく出来る(184条2項)。
実際の例では、1:1.1(かつての言い方でいう1割無償)などの形が多い。分割によって発生した単元株式数未満の株式については、会社への買取を請求することができる(株式買取請求権、192条1項)。
背景
株式分割は、単元単価が高値をつけており市場流動性が低下しているなどの状況がある場合、株式分割によって単元あたりの単価を縮小させることで市場流動性を向上させるために行われることが多い。
株式分割によって取得単価の縮小と全体株数の増加によって、市場流動性が高まり株式が取得しやすくなる等の効果がある。
功利的な側面としては、日本の証券行政としていわゆる自社株買いによる株主への利益還元が禁止されていた(金庫株の禁止、2001年の商法改正により解禁)ため、小口投資家対策や株価対策として株式分割と端株買取を組み合わせて使用されることがあった。
また2006年1月4日の制度改正以前では株式分割で取得単価の縮小により需要が増加しても、新株(株券)が市場に流通するまでに一定期間あったために、株価が上昇する場合があった(いわゆる株式分割バブル)。しかし、証券取引所からの通達で1:5以上の株式分割を抑止する方針が出されたことや、証券保管振替機構(ほふり)に預託された株券については2006年1月4日以降株式分割割当日の翌日を効力発生日とする等の制度改正によって株式分割による需給の空白期間が無くなったことから、需給を原因とする大幅な株価変動は少なくなった。
さらに、株券電子化で株券という物理的な制約がなくなることを受け、2007年には日本の株式市場全体として、取引単位となる単元株数を100株に統一するという方針が示された[1]。これに沿って、取引単位が100株未満の上場企業では、株式分割と単元株の設定を合わせて行う動きが進められてきた[2]。例えば、10株単元の企業が100株単元に移行する場合、1株を10株とする株式分割と同時に単元株を変更すれば[1]、1株単位となっている株価の表記を除いて、株主の持分や市場での取引単位といったものへの実質的な変化はなく移行できる。
2024年1月からの新しいNISA導入に伴い、個人株主の増加に期待して株式分割を実施する企業も増加している[3][4]。