棒鱈 (落語)
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熊五郎と寅吉が料亭で酒を飲んでいると、隣の座敷から騒がしい声が漏れてきた。隣室の客は訛りのきつい田舎侍で、芸者を大勢呼び、はしたなく騒いでいる。酒癖の悪い熊五郎は次第に不機嫌になり、やがて隣へ苦情を言いに行こうとするが、温厚な寅吉に「無粋な真似はよせ」と厳しくたしなめられて思いとどまる。
しかし熊五郎は、田舎侍の顔を見てみたくなり、便所に立ったついでに隣室を覗こうとする。襖を少しだけ開けて隙間から覗き込むつもりが、酔いのため体勢が崩れ、襖を押し倒して隣室の中に転がり込んでしまった。熊五郎は非礼を詫びるが、田舎侍に馬鹿にされてしまい逆上。ついに喧嘩をはじめてしまう。
熊五郎と田舎侍の喧嘩を止めようと店の者が大勢駆けつける。その中には料理人もおり、「鱈もどき」という料理の仕上げに胡椒を振っていたところだったので、胡椒の瓶を手にしたまま部屋に来てしまった。料理人は喧嘩に割って入ったはずみに胡椒をまき散らしてしまう。
くしゃみや咳で喧嘩どころではなくなり、喧嘩は立ち消えとなった。まき散らしたのが胡椒だけに、まさに「喧嘩に故障が入る」(=邪魔が入る)形となった。