「己智」は古代朝鮮語で、おそらく首長を意味する語に由来する。己知、許智、巨智とも書く。『新撰姓氏録』の己智条(三一ニ - 九四〇)には、次のようにある。
己智。
秦太子(しんのたいし)、
胡亥(こがい)自(よ)り出づ。
佐伯有清に拠れば、『新撰姓氏録』における己智氏の本拠は、大和国添上郡楢中郷(ならなかのごう)(奈良県天理市楢町)だったという。
なお、『新撰姓氏録』の細分でも確認できるとおり、己智はあくまでも漢民族に出自する。また、同書には、三林公(みつはやしのきみ)、長岡忌寸(ながおかのいみき)、山村忌寸(やまむらのいみき)、桜田連(さくらだのむらじ)が己智の同祖とある。