横手市民会館は、2023年(令和5年)で建築から55年を迎え、施設全体の老朽化が著しい。また、旧耐震基準で建築された施設で安全面に懸念があることや、ステージが狭いこと、駐車場が不足していること、高台に位置しているためアクセスしづらい(特に冬場)ことなど課題となる点がある[7]。また、近年重要視されているバリアフリーやユニバーサルデザインへの配慮が不足していることなども挙げられる[7]。
基本計画からは変更されず、横手市民会館は横手市条里に整備されることになった[8][9]。現行の横手体育館の南側にあたる土地で、建築範囲は高齢者センターと条里跡広場に及ぶ[10]。施設の概要については、以下の通り[10][1]。
| 現・横手市民会館 | 新・横手市民会館 |
| 所在地 |
横手市南町13番1号 |
横手市条里一丁目265番地外 |
| 敷地面積 |
9,917.4m2 |
14,360m2 |
| 建築面積 |
2,021.091m2 |
4,205m2 |
| 延床面積 |
3,357.75m2 |
7,520m2 |
| 主な設備 |
ホール リハーサル室A・B 会議室、和室 |
大ホール 小ホール兼リハーサル室 |
| 観客席数 |
928席 |
約1,300席 |
県内の多目的ホールとしては、あきた芸術劇場ミルハス(秋田市)に次ぐ規模で、県南では最大規模となる[9]。設計は山下設計、遠藤建築設計事務所、松橋設計JV[11]。
2023年10月、一括発注した関連工事の入札が不落となり、各設備工事・建物本体工事を分割して発注するように変更して同年11月に再公告をした[12]。ただ、建設資材高騰や建設業界の人手不足の問題が厳しさを増す中で、同年12月15日に工事の開札を中止することが発表された[12][13]。計画の見直しを行うため、施設の開館は1年程度遅れる見通しとなったが[12]、財源が確保できなくなったとして、翌年11月18日に計画を一時中断することが発表された[14]。
計画中断の背景には、建設資材や人件費の高騰があるが、市が事業費に活用しようとしていた事業債が見込めなくなった影響もあると指摘されている[14]。当初、横手体育館の建設費である約110億円のうち、約38億円を国の「防災・減災・国土強靭化緊急対策事業債」で賄う予定だったが、国や県との制度の認識に食い違いがあり、約1億円しか見込めないことが昨年12月に判明しており、不足分は「合併特例債」で補うことに決めた[14]。これに対し、市議会は「財政運営の見通しが甘い」「市民会館に回すべき財源を体育館に回された」と批判している[14]。また、計画の一時中断により事業費の一部を賄う予定であった合併特例債は、来年度に発行期限を迎えることから活用できなくなった[15]。
新会館の整備計画が中断されたことを受け、現会館について2025年5月から10月にかけて耐震診断が実施された。その結果、国の耐震基準を満たしていないことが明らかとなり、2026年3月5日、現会館は2027年度を目処に休館する方針が示された[16]。
現会館を改修する場合、耐震改修など最低限の安全対策にとどめる場合でも約12億3,000万円、今後20年程度の利用を想定した改修では約27億1,000万円の費用が必要とされ、いずれの場合も工期は約2年と見込まれている。新会館の整備計画がある中で現会館の改修工事を行うことは、財政負担がさらに増すうえ機能向上も見込めないとして、休館の方針が示された[16]。
なお、新会館は2031年度から2035年度頃を目処に整備される方針である[16]。