欧州議会議員選挙
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選挙制度
欧州議会議員選挙には統一された選挙制度がなく、各加盟国は以下の3つの原則に沿って自由に選挙制度を決めることができる[2]。
加盟国ごとの議席数の配分は逓減比例の原則に基づいており、それぞれの加盟国の人口規模を考慮しつつ、人口の少ない国には正確に比例配分するよりも多くの議員数を配分している。EU基本条約の協議において各加盟国に配分される議員数が決められるため、配分数を算定する正確な方式は策定されていない。選挙に先立って、議席配分が決定される[3]。
| 加盟国 | 議席数 | 加盟国 | 議席数 | 加盟国 | 議席数 |
| 96 | 21 | 14 | |||
| 81 | 21 | 12 | |||
| 76 | 21 | 11 | |||
| 61 | 21 | 9 | |||
| 53 | 20 | 9 | |||
| 33 | 17 | 7 | |||
| 31 | 15 | 6 | |||
| 22 | 15 | 6 | |||
| 21 | 15 | 6 | |||
| 720 | |||||
政治会派
有権者の動向
Philip Manow、Holger Döringによると、欧州議会議員選挙では加盟国内の政治課題について争われ、有権者にとっては国内の政権に対する批判の機会とされている。各国の政府は欧州統合を推進しているのに対して、統合懐疑派の議員数は着実に増えており、欧州連合に対する不満が投票率の低下を招いているともしている[4][5]。
欧州議会の権限が次第に強化されているにもかかわらず、投票率は低下している。イギリスでは、テレビ番組「ビッグ・ブラザー」(2002年)での投票には2300万人が参加していたのに対して、1999年欧州議会議員選挙では1100万人に過ぎなかった[6]。ただし、1999年以降、欧州議会議員選挙の投票率は50%を下回っているが、アメリカの中間選挙や大統領選挙よりも高い水準である[7]。欧州議会議員選挙の結果が、欧州委員会委員長の人選につながるため、投票率の低下には批判が起こっている[8]。
過去の選挙結果
- 1979年欧州議会議員選挙 - EC 9ヶ国(フランス・西ドイツ・イタリア・イギリス・オランダ・ベルギー・デンマーク・アイルランド・ルクセンブルク)
- 1984年欧州議会議員選挙 - EC 10ヶ国
- 1989年欧州議会議員選挙 - EC 12ヶ国
- 1994年欧州議会議員選挙 - EU 12ヶ国
- 1999年欧州議会議員選挙 - EU 15ヶ国
- 2004年欧州議会議員選挙 - EU 25ヶ国(キプロス・チェコ・エストニア・ハンガリー・ラトビア・リトアニア・マルタ・ポーランド・スロバキア・スロベニアが追加)
- 2009年欧州議会議員選挙 - EU 27ヶ国
- 2014年欧州議会議員選挙 - EU 28ヶ国
- 2019年欧州議会議員選挙 - EU 28ヶ国
- 2024年欧州議会議員選挙 - EU 27ヶ国(イギリス離脱)
以下は欧州連合全体での主要3会派の得票結果を地域別に示したものである[9]。

| 地域 | 1979 | 1984 | 1989 | 1994 | 1999 | 2004 | 2009 | 2014 | 2019 | 2024 |
| 3.6 | 6.3 | 6.3 | 22 | 35.3 | 31.2 | 10.9 | ||||
| 北欧 | 3.6 | 2.7 | 4.5 | 6.8 | 16.7 | 18.1 | 20.3 | |||
| 23.2 | 33 | 45.5 | 56.8 | 27.6 | 23.9 | 21.1 | ||||
| 33.6 | 30.9 | 26.7 | 31.9 | 36.4 | 34.9 | 37.3 | ||||
| 西欧 | 6.5 | 10.6 | 12 | 8.5 | 5.2 | 11.9 | 12.4 | |||
| 34.1 | 32.7 | 32.7 | 29.9 | 27.9 | 30.2 | 20.7 | ||||
| 37 | 34.3 | 29.6 | 25.9 | 39.8 | 38.2 | 45.2 | ||||
| 南欧 | 6.2 | 4.8 | 9.5 | 8.5 | 5 | 7.9 | 5.1 | |||
| 16 | 21 | 29.1 | 29.9 | 30.8 | 33 | 35 | ||||
| - | - | - | - | - | 46.4 | 43.6 | ||||
| 東欧 | - | - | - | - | - | 14.3 | 6.4 | |||
| - | - | - | - | - | 21.4 | 21.4 | ||||
| - | - | - | - | - | - | 40 | ||||
| バルカン | - | - | - | - | - | - | 20 | |||
| - | - | - | - | - | - | 30 | ||||
| 26 | 25.3 | 23.4 | 27.7 | 37.2 | 36.9 | 36 | ||||
| 全体 | 9.8 | 7.1 | 9.5 | 7.6 | 8 | 12.4 | 11.4 | |||
| 27.6 | 30 | 34.2 | 34.9 | 28.8 | 28.3 | 25 | ||||
| 投票率 | 62.0 | 59.0 | 58.4 | 56.7 | 49.5 | 45.5 | 43.0 | 42.6 | 50.7 | 51.1 |
Legend: [ ] 中道左派系 - [ ] リベラル系 - [ ] 保守・キリスト教民主主義系
欧州委員会委員長
欧州連合基本条約では、欧州理事会が直近の欧州議会議員選挙の結果を考慮して欧州委員会委員長候補を提示し、欧州議会によって選出すると規定している。
この措置は欧州憲法条約の発効を念頭に2004年に部分的に実施され、欧州理事会は同年に実施された欧州議会議員選挙において多数派となったEPP-EDからジョゼ・マヌエル・バローゾを委員長候補として指名した。
2008年2月、バローゾ委員長は欧州議会議員選挙の結果と委員長の指名との関連性について、理論上は議院内閣制の下で指名される首相と同じ仕組みではあるが、欧州委員会委員長にはこれが必ずしも当てはまるものではなく、委員長指名の正当性に問題があることを認めている。欧州的な政治意識の低下が低投票率をもたらし、それが委員長の正当性に疑問を与えるとしている。なお、委員長候補を一覧にした投票用紙で選挙を行えば投票率が高くなるという研究結果も出されている[10]。
