正欲

朝井リョウによる日本の小説 From Wikipedia, the free encyclopedia

正欲』(せいよく)は、朝井リョウによる小説。新潮社より2021年3月26日に単行本[1]、2023年6月1日に新潮文庫版が発売された[2]

概要 正欲, 著者 ...
正欲
著者 朝井リョウ
発行日 2021年3月25日
発行元 新潮社
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 382
公式サイト www.shinchosha.co.jp
コード ISBN 978-4-10-333063-9
ISBN 978-4-10-126933-7(文庫本)
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第34回柴田錬三郎賞受賞[3]。第3回読者による文学賞受賞[4]。2022年本屋大賞ノミネート[5]。累計発行部数は2023年10月現在、50万部を超えている[6]

2023年には映画化された[7]

出版の経緯

朝井リョウのデビュー10周年記念作品として書き下ろされた長編小説で[1]、「黒版」と呼ばれる[8]。カバー写真は、菱沼勇夫の作品「Let Me Out」が使用されている[1]。デビュー10周年記念作品はもう1作、朝日新聞出版より刊行された『スター』があり、そちらは「白版」の位置づけである[9][8]

三人称の複数視点で語られる構成となっていて[10]、物語の前半は検事の寺井啓喜、ショッピングモール店員の桐生夏月、大学生の神戸八重子の3人の視点で描かれ[11]、後半はこれに夏月の中学時代の同級生の佐々木佳道、八重子の同級生の諸橋大也の視点が加わる[12]

あらすじ

登場人物

寺井啓喜(てらい ひろき)
横浜地方検察庁に勤務する検事。小学校4年生で不登校状態の息子・泰希をもつ。泰希が友人とともにYouTube動画を投稿することに反対する。
桐生夏月(きりゅう なつき)
岡山駅に直結するイオンモールにある、寝具店の販売員。中学校の同級生の披露宴で、佐々木佳道と再会する。
神戸八重子(かんべ やえこ)
金沢八景大学に通う3年生。学祭実行委員で、「ダイバーシティフェス」を企画・運営する。
佐々木佳道(ささき よしみち)
高良食品営業部商品開発課に勤務する会社員。夏月の中学校の同級生だが、3年生の途中で転校した。
諸橋大也(もろはし だいや)
金沢八景大学に通う3年生で、ダンスサークル「スペード」に所属している。昨年の学祭のミスターコンテストで準ミスターに選ばれた。

オーディオブック

audiobook.jp版

2021年3月26日よりaudiobook.jpにて配信された[13]。制作協力はR-production、トゥーバース[13]。2023年、audiobook.jpのユーザーによる投票で決定する「オーディオブック大賞2023」で、聴き放題部門の大賞を受賞した[14]

Audible版

2022年12月2日よりAudibleで配信された[15]。ナレーターは岡井カツノリ高口幸子三木美宮本淳吉野貴大、小島史裕[15]

映画

概要 正欲, 監督 ...
正欲
(ab) normal desire
監督 岸善幸
脚本 港岳彦
原作 朝井リョウ
製作 中村優子
杉田浩光
富田朋子
製作総指揮 石井紹良
神山健一郎
定井勇二
飯島三智
出演者 稲垣吾郎
新垣結衣
磯村勇斗
佐藤寛太
東野絢香
山田真歩
宇野祥平
渡辺大知
徳永えり
岩瀬亮
坂東希
山本浩司
音楽 岩代太郎
主題歌 Vaundy「呼吸のように」
撮影 夏海光造
編集 岸善幸
制作会社 テレビマンユニオン
製作会社 「正欲」製作委員会
配給 ビターズ・エンド
公開 日本の旗 2023年11月10日
上映時間 134分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 3億円[16]
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2023年11月10日に公開された[7]。監督は岸善幸[7]

キャスト

スタッフ

  • 原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
  • 監督・編集:岸善幸[17]
  • 脚本:港岳彦[17]
  • 音楽:岩代太郎
  • 主題歌:Vaundy「呼吸のように」(SDR[30]
  • 製作:murmur
  • エグゼクティブプロデューサー:石井紹良、神山健一郎、定井勇二、飯島三智
  • 企画・プロデュース:中村優子
  • プロデューサー:杉田浩光、富田朋子
  • スーパーバイザー:松原宏林
  • 共同プロデューサー:舩江修
  • ラインプロデューサー:塚村悦郎
  • 撮影:夏海光造
  • 照明:高坂俊秀
  • DIT:鈴木裕
  • 録音:森英司
  • 音響効果:大塚智子
  • キャスティング:おおずさわこ
  • 美術:井上心平
  • 衣装:宮本まさ江
  • ヘアメイク:新井はるか、金田順子
  • 装飾:中村三五
  • 助監督:松尾崇
  • 配給:ビターズ・エンド
  • 制作プロダクション:テレビマンユニオン
  • 製作:「正欲」製作委員会(murmur、テレビマンユニオン、ビターズ・エンド、CULEN

製作

監督の岸善幸プロデューサーに勧められて小説を読み、衝撃を受けた[31]多様性への理解の浅はかさに気づき、その意味を考えさせられたという[31]。本作の特に浮かび上がらせたいテーマとして、「『多様性』の意味を問いかけるのは、勿論ですが、人間は誰もが二面性を、もしかしたら、二面以上を持って生きていると思うんです。会社とか学校とか日常を送る顔は、様々に使い分けられていて、本当の顔は実は他人に見せたくない。本当の顔で生きていくということは日常性とかけ離れることであって、どうしたって孤独になる。そこは特殊性癖を持つ人もそうでない人も同じような気がしています。そういう意味では『特殊な性的嗜好って何?』というよりは、マジョリティー側の感覚や意識をあからさまにすることの方が大事でした。『私たちの本来の感覚って何なのか、それは間違っていないのか?』と疑ってもらえればいいのかなと思います」などと述べている[32]

主要キャストは、稲垣吾郎(寺井啓喜 役)、新垣結衣(桐生夏月 役)、磯村勇斗(佐々木佳道 役)、佐藤寛太(諸橋大也 役)、東野絢香(神戸八重子 役)の5人で、稲垣、新垣、磯村のキャスティングは岸の希望[31][32]。佐藤と東野はオーディションで選んだ[31][32]。驚きのキャスティングはやはり新垣で[32][33][34]、岸としてはこれまで演じた役柄が対極のイメージを持たれている人に演じてもらいたく、ギャップを表現するのがとても大事と考え、新垣の名前が真っ先に浮かんだという[32]。このうち、新垣、磯村、佐藤が演じた3人は水に対する性癖を持つ[32][35]。性的興奮の描き方には苦労し、岸は俳優とディスカッションを重ねた[31]。新垣が演じた夏月が性的興奮を覚える場面は、撮影がアップしてからも、編集しながらも悩み、今も上手く表現できたか分からないと話している[31]

啓喜、大也、八重子の3人は神奈川県横浜市在住設定で、夏月、佳道は広島県福山市在住設定[36]。前半は5人の人物のストーリーをシンクロさせ、横浜と広島のパートが入れ代わりながら話が進む[35]。後半は佳道が夏月を誘い、横浜に2人で来るため、後半は横浜だけのパート、ラストは5人が繋がる[35]。夏月は前半は口数少ない設定ながら、中盤ホテルの部屋で佳道と打ち解け、奇跡的に理解し合える人と出会って以降は、明るく、饒舌となり[31][37]、後半は横浜に来ても柔い広島弁で話す[36][38]

ロケ地

受賞歴

関連商品

脚注

外部リンク

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