正義と平和の寓意

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製作年1753-1754年ごろ
寸法196 cm × 151 cm (77 in × 59 in)
『正義と平和の寓意』
スペイン語: Alegoría de la Justicia y la Paz
英語: Allegory of Justice and Peace
作者コッラード・ジアキント
製作年1753-1754年ごろ
種類キャンバス上に油彩
寸法196 cm × 151 cm (77 in × 59 in)
所蔵プラド美術館マドリード

正義と平和の寓意』(せいぎとへいわのぐうい、西: Alegoría de la Justicia y la Paz, : Allegory of Justice and Peace)は、18世紀イタリアロココ期の画家コッラード・ジアキントが1753-1754年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面下部中央に倒れている柱に画家の署名が記されている[1]。作品はスペイン王室のコレクションに由来し、現在、マドリードプラド美術館に所蔵されている[1][2][3]

ジアキントはナポリフランチェスコ・ソリメーナの後期バロック様式を学んだが、後にローマへ移るとセバスティアーノ・コンカとともに制作し、同地で節度あるアカデミズムと新しいロココ様式と出会った[2]。18世紀前半のローマ・ロココ様式の代表的な画家となった[1]ジアキントは、1753年にスペインに招聘された。ヤコポ・アミゴーニが没し、ルイ・ミシェル・ヴァン・ローが去った後のスペインで[2]マドリード王宮の装飾を行うためであった[1][2]。スペイン到着後、ジアキントは国王フェルナンド6世の最初の宮廷画家に任命され[1]王立サン・フェルナンド美術アカデミーの会長に就任した[2]

作品

寓意的な主題を持つ本作では、当時流行した柔らかな色調の中に、後期バロック様式とロココ様式の優美さと繊細さが調和している[2]。ローマの服装を纏い、雲の上に座っている2人の女性は「正義」と「平和」の擬人像を表しており、2人は抱き合って口づけしようとしているかに見える。この図像は、政治的平和を表現するために、あるいは絵画の発注者フェルナンド6世の治世を特徴づける平和的政策に言及するために用いられたのかもしれない[1]。 フェルナンド6世はスペイン王国に平和をもたらし、正義によって統治していたと自負していたのである[3]

本作はまた、神と人間の間の永遠の平和、あるいは救いを宣言する詩篇85の以下の記述 (10-13節) に関連する。この記述は、(天だけでなく) 地においても確立されなければならないことを示唆する。

いつくしみと、まこととは共に会い、義と平和とは互たがいに口づけし、まことは地からはえ、義は天から見おろすでしょう。主が良い物を与えられるので、われらの国はその産物を出し、義は主のみ前に行き、その足跡を道とするでしょう[4]

「正義」は、王冠とによって自身の偉大な権威を明らかにしている。彼女はまた、聖霊を表す白いハトによって象徴される「神の正義」に啓発されている。「正義」の最も本質的な特徴を示すアトリビュート (人物を特定する事物) としては、ダチョウ (左右対称の羽根が公正を意味する)、そして彼女の足元に見えるファスケスと柱 (厳格さと剛毅さを象徴する) が挙げられる。「正義」の剣は善と悪の分離を想起させるが、同じことは地面にある天秤についてもいえる[1]。画面下部左端でバラバラの甲冑に囲まれたうつぶせの人物は「不和」または「戦争」を表しており、「正義」によって打ちのめされている。彼はまた、キューピッドの1人の矢の的ともなっている。「正義」は2人の天使に伴われているが、天使たちは「平和の神殿」の前でを吹いており[1]、武具を焼くために炎を起こしているのである[1][2]

コッラード・ジアキント『正義と平和の寓意』(1753-1754年)、インディアナポリス美術館米国インディアナ州
コッラード・ジアキント『正義と平和の寓意』(1754年)、王立サン・フェルナンド美術アカデミー、マドリード

「平和」はオリーヴの枝を持っているが、それにより「平和」は「正義」の結果であるという概念が伝えられている[1]。「平和」は彼女の足元のコルヌコピアと麦および天使たちが収穫している右側の木の果物が象徴する幸福につながる。ライオンと子羊はそれぞれ力と温和さを象徴するが、やはり詩篇85に記述される神の到来に言及している。これらの動物たちは具体的にユダのライオン英語版としての、そして神の子羊としてのイエス・キリストの特質を示唆する。どちらの動物も最後の審判の始まりと天国の確立を記す『黙示録』の冒頭部分に登場する。このような世俗的な寓意と宗教的な言及により、ジアキントはフェルナンド6世の統治を神の王国に譬え、高貴なものに見立てようとしているのである[1]

なお、本作より小さく、図像の異なる同主題作が米国のインディアナポリス美術館に所蔵されている[5]。さらに、本作とは「正義」と「平和」の擬人像の背景がだいぶ異なる同主題作がマドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーに所蔵されている[6]

脚注

参考文献

外部リンク

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