死を開く扉
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1957年8月、『宝石』誌売り上げ不振のために、江戸川乱歩が編集長に就任し、雑誌刷新のために尽力している最中であった[1]。
同年、高木彬光は7作の連載を抱え、13篇の短篇を発表しており、社会派ミステリーの胎動の中、精力的な活動をしていた[2]。同時期、高木は混迷に陥り、試行錯誤をしているような情況でもあったが、この作品を発表し、直後の12月より『宝石』誌に『樹のごときものあるく』を連載することで、坂口安吾の未完作品、『復員殺人事件』を完結させている[3]。
江戸川は、150枚の中編である原形作品について「宙に開く扉という途方もない新着想が、この作のトリックの創意を暗示している」として高く評価している[1]。小粒ながらも密室トリックをメインとした秀作である。
長編化の際に、松下研三が若狭を訪問するきっかけとして、中小出版社の編集者との会話を追加している。