死を開く扉
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概要
1957年8月、『宝石』誌売り上げ不振のために、江戸川乱歩が編集長に就任し、雑誌刷新のために尽力している最中であった[1]。
同年、高木彬光は7作の連載を抱え、13篇の短篇を発表しており、社会派ミステリーの胎動の中、精力的な活動をしていた[2]。同時期、高木は混迷に陥り、試行錯誤をしているような情況でもあったが、この作品を発表し、直後の12月より『宝石』誌に『樹のごときものあるく』を連載することで、坂口安吾の未完作品、『復員殺人事件』を完結させている[3]。
江戸川は、150枚の中編である原形作品について「宙に開く扉という途方もない新着想が、この作のトリックの創意を暗示している」として高く評価している[1]。小粒ながらも密室トリックをメインとした秀作である。
長編化の際に、松下研三が若狭を訪問するきっかけとして、中小出版社の編集者との会話を追加している。
あらすじ
主な登場人物
- 神津恭介
- 東京大学医学部法医学教室助教授。名探偵。松下・福原の東大在学時代の友人。
- 松下研三
- 恭介の旧友の探偵作家。愛称ウルトラ。神津・福原の東大時代の同期生。
- 福原保
- 恭介・研三の旧友。吉浜で開業医をしている。既婚。被害者の妻、優子とはかつて相思相愛だったが、戦争で引き離された。
- 柿山雄次郎
- 小浜の病院にインターンに通っている青年医師。探偵小説マニア。27、8歳。
- 林百竹
- 小浜に居住する資産家。37、8歳
- 林優子
- 百竹の妻。福原の元恋人。
- 林慶子
- 百竹の兄嫁。
- 近藤信吉
- 林家の支配人。
- 林直子
- 百竹の妹。未亡人。
- 村田保子
- 林家の家政婦。百竹の愛人。
- 林竹太郎
- 百竹と保子の間の子供。
- 村田銀次郎
- 保子の夫。詐欺師。
- 安川貞夫
- 小浜警察署の警部補。
- 徳田直樹
- 小浜警察署の署長。