洞調律

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洞調律(どうちょうりつ、: Sinus rhythm[1]は、心臓洞房結節(SAノード)から発生する電気的興奮が、正常な伝導系を介して心臓全体に波及し、規則的な収縮を引き起こしている状態を指す[2]。医学的に「正常な心拍」と同義であり、心機能の基礎指標となる[3]

分子レベルの電気生理

洞調律の維持は、洞房結節内の歩調取り細胞(ペースメーカー細胞)が有する自動能(Automaticity)に依存する[4]

洞房結節細胞の細胞膜では、静止膜電位が固定されず、緩やかな脱分極(拡張期脱分極)が自動的に進行する[4]

  • If電流: HCNチャネル(主にHCN4)を介したナトリウムイオンとカリウムイオンの流入が、自発的な脱分極の第一段階を担う[5]
  • カルシウム・クロック: 小胞体からの周期的なCa2+放出が、ナトリウム・カルシウム交換体(NCX)を介して膜電位を閾値まで押し上げる[6]
  • 活動電位の波及: 閾値に達するとL型カルシウムチャネルが開口し、活動電位が発生して心房筋へと伝導する[7]

自律神経による調節

洞調律の頻度は、延髄の循環中枢からの自律神経入力によって調整される[8]

  • 交感神経作用: ノルアドレナリンがβ1受容体に結合し、cAMP濃度上昇を介してIf電流を増強し、心拍数を上昇させる[8]
  • 副交感神経作用: アセチルコリンがM2受容体に結合し、K+チャネルを開口させて過分極を引き起こし、心拍数を低下させる[8]

臨床診断基準

12誘導心電図において、以下の基準をすべて満たすものを正常洞調律(NSR)と定義する[9][10]

  1. P波の軸: 第II誘導で陽性、aVR誘導で陰性であること(0°〜+90°)[9]
  2. P波の形態: 同一誘導内でP波の形態が一定であること[10]
  3. 房室伝導: PR間隔が0.12秒から0.20秒の範囲で一定であること[11]
  4. 心拍数: 安静時成人で毎分60〜100回であること[12]
  5. 規則性: PP間隔およびRR間隔が規則的であること[11]

臨床的意義

関連項目

参考文献

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