海豚参詣
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日本ではイルカを食す地でも、その食を忌む地でも、海豚参詣の民俗が伝わる。地方によっては、宮参り、墓参り、観音参り、磯部様参りなどと呼んでいた。また、イルカの群れが縦一列に並ぶさまを、イルカの千本づれや千匹ガチと呼んでいた地方もある[2]。
元々は、イルカが黒潮に乗って海上を集団で北上する姿が、寺社に集団参詣する人の群れに似ていることから、これを擬人化して「参詣」と称することになったと思われる[3]。
民俗学者の柳田國男は、『海上の道』の末尾に、『知りたいと思う事二、三』を書き残した中のひとつに「海豚参詣のこと」をテーマに掲げ、以下の様に考えた。
当時77歳だった柳田は、学問の新展開を促す目的で上記のような文章を書き[4]、海豚参詣について、「海の彼方との心の行進いが、もとは常識だった名残ではないか」と推察を残した[5]。そして、柳田の弟子の折口信夫は、「常世」(とこよ:海の彼方にある異世界)からやってくる「客人」(まれびと:この場合はイルカ)を通じて、共同体を再生させるというマレビト信仰が古くから日本にあったという論を唱えた[5]。
