深部流体
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有馬型深部流体
地下水の起源としては雨水が由来の物(天水)と、そうでない物があるが、この内雨水が由来ではないものを深部流体と呼称する[1]。
深部流体の成因としては大きく二つに分かれるとされている。

フィリピン海プレート等の海洋プレートは海水を巻き込みながら沈み込んでいくが、この際に高温高圧下の環境になる事で地下50 km以深では一部の水が脱水分解反応により、プレートから脱水する。脱水した水はマントルを蛇紋岩化しながら地表近くまで上昇していき断層沿いに湧出する。このような成因の地下水の事を有馬型深部流体と呼ぶ[1]。
名称の由来は有馬型深部流体の中でも代表的な例である兵庫県有馬町の有馬温泉であることから来ている。そのため有馬型温泉・有馬型熱水等とも呼ばれる事がある[2]。湧出地点としては中央構造線沿いに見られることが多い[3]。
長期停滞水
盆地のような場所において水が浸透しにくい泥層などが厚く堆積した場合に、海水が閉じ込められ不透水層が作られる事がある。この不透水層により孤立した地下水を長期停滞水と呼ぶ[1][4]。また、化石海水に含める場合もある。
このような停帯水は基本的に地表に湧出する事は少ないが、褶曲のような強い力がかかり不透水層に亀裂が入った際には断層を通り地表や浅層にまで上昇する[1]。
成分
深部流体はその成因から、通常の地下水とは異なる水質である事が多い。
有馬型深部流体はCO2を多く含むためpHは中性~酸性であり、塩分濃度やCl濃度・ホウ素濃度が非常に高く、高温熱水に見られる高Li濃度が見られる[1]。また、地下深部が起源であることからHe同位体比がマントルと同じである[1]。深部流体の直接的な成分ではないが、湧出時に岩石からの成分を取り込むため、Fe等の金属イオンを多く含む事が多い[4]。有馬温泉等のいわゆる金泉と呼ばれる含鉄泉の起源はここからだとされている[1]。
長期停滞水は古海水である事が多いことから、pHは概ね中性であり海水由来のNa濃度・Cl濃度を多く持つ。また、有機物起源の炭化水素ガスが普遍的に見られるため炭素同位体組成や炭化水素組成による起源や成因の推定が可能である[1][4]。
