物品役務相互提供協定

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物品役務相互提供協定(ぶっぴんえきむそうごていきょうきょうてい、英語: Acquisition and Cross-Servicing AgreementACSA)は、異なる国の軍隊が食糧・燃料・輸送・弾薬・整備・衛生など一般的な支援を相互に行えるようにする協定である。主にアメリカ合衆国NATO加盟国またはパートナー諸国との間で、二国間ベースの協議により締結される。日本韓国は米国以外の国と同様の協定を締結している[1][2]

米国におけるACSA

歴史

米国におけるACSAは、1980年に制定された合衆国法典第10編第138章(通称:NATO相互支援法)に基づいて、当初はNATO加盟国を相手として締結された[3]。それによって、米国と他のNATO軍との間での食糧・輸送・燃料・弾薬・整備といったロジスティクス支援の手続きが簡素化された[3]

その後、1986年の改正によってACSAの締結対象は非NATOの同盟国等にも広げられた[4]。1989年と1990年にさらに改正された。

2014年12月18日時点で、米国は102か国とACSAを締結しており、さらに78か国がACSA締結の資格を有し[5]、ほとんどのNATO諸国のほか、NATO保守整備補給機関(NSPA)・変革連合軍欧州連合軍最高司令部(SHAPE)がこれに含まれる。

内容

ACSAの締結相手として認められるのは、NATO加盟国やNATO補助機関、国際連合や国際機関のほか、国防長官が別途指定した国である[6]。国防長官は前年度のACSAに基づく全ての取引を記載した年次報告書を議会に提出することが義務付けられている[7]

ACSAに基づいて物資やサービスを取得・移転する際には、現金による実費弁償、同等品による代替、または同等の価値の物資やサービスによる交換のいずれかの方式をとることが義務づけられている[8]

ACSAでは戦闘指揮官と戦務構成部隊または準統合軍に展開している米軍のロジスティクスサポートの要求を満たすための権限が与えられ、訓練・演習・軍事作戦中の相互兵站支援を取得・提供することや、外国軍の兵站資産を迅速に入手することを可能にしている。

日本におけるACSA

日本は1996年アメリカ合衆国との間ではじめてACSAを締結し、しばらくは対米ACSAが存在するだけであったが、2010年オーストラリアとの間でACSAを締結したのを皮切りに各国との交渉が進み、2026年3月時点で計11カ国と締結している。

日米ACSA

日米間の最初のACSAは1996年4月に締結された。当初の協定の対象は日米共同訓練と国際連合平和維持活動(PKO)及び人道的国際救援活動に限られ、提供可能な物品に弾薬は含まれなかった[9]

1999年9月、第1次改正日米ACSAが発効した。この改正は1999年5月の周辺事態法制定をうけたもので、協定の対象に周辺事態に対応する活動が追加された[10]

2004年7月、第2次改正日米ACSAが発効した。この改正は2003年の事態対処法制定をはじめとする一連の有事法制の整備をうけたもので、協定の対象に「武力攻撃事態等の際の活動」と「国際の平和及び安全に寄与するための国際社会の努力の促進、大規模災害への対処その他の目的のための活動」が追加された。また、実施可能事項に弾薬が追加された[11]

2017年4月、第3次改正日米ACSAが発効した。これは2015年9月の平和安全法制の制定をうけたもので、協定の対象に重要影響事態存立危機事態が追加されるなどした[12]

韓国とのACSA締結交渉

2010年という比較的早い時期に、当時の鳩山由紀夫政権から韓国側に提案され[13]、2011年に両国間で基本合意がなされたが、韓国国内の反発で覆され、最終合意に至らなかった[14]。その後も断続的に俎上に上ってきたが、実現していない[15]。2013年、南スーダンに派遣されていた自衛隊が韓国軍の要請に対し銃弾を提供した事案ではPKO協力法武器輸出三原則の解釈により実施されたが、人道的・緊急的な観点から従来の政府方針とは異なる措置が取られた為、議論を呼んだ[16]。ACSAが締結されていれば円滑に行われたとも指摘された[17]。2026年5月には日本政府が再び韓国とのACSA締結を推進していると報じられている[18]

日本のACSA締結相手国一覧

さらに見る 相手国, 署名 ...
相手国署名発効協定
アメリカ合衆国1996年4月15日1996年10月22日[19][20]
オーストラリア2010年5月19日2013年1月31日[21][22]
イギリス2017年1月26日2017年8月18日[23]
フランス2018年7月13日2019年6月26日[24]
カナダ2018年4月21日2019年7月18日[25]
インド2020年9月9日2021年7月11日[26]
ドイツ2024年1月29日2024年7月12日[27]
イタリア2024年11月25日2025年9月5日[28]
オランダ2025年12月18日[29]
ニュージーランド2025年12月19日[30]
フィリピン2026年1月15日[31]
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脚注

参考文献

外部リンク

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