甘酒婆
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夜中に「甘酒はござらんか?」と民家を訪ね歩く[1]。これに答えてしまうと、甘酒がある、ないのいずれの返答でも病気になる[1]。この妖怪の来訪を防ぐためには戸口にスギの葉を吊るすと良いと信じられていた[1][2]。似たもので山梨県では「アマザケバンバァ」が毎晩、甘酒や酒を売ろうと家々を訪れていたが、戸口に「甘酒や酒は嫌いだ」と貼ると来なくなったという[4]。
かつて江戸では流行病の時期、疫病神である甘酒婆が「甘酒はないか」と言いながらやって来るといわれ、江戸各地に後述のような咳を治める老婆の神像があったことから、子供を抱える母親たちは急いでこの神像を拝んだという[5]。
文化14年(1817年)から文政3年(1820年)にも、江戸・京都・大坂の三都や名古屋などの大都市でもこの甘酒婆の噂話が流行しており、人々は甘酒婆の甘酒を売る声に返事をすると流行病を患うといって恐れ、前述のスギの葉やナンテンの枝、トウガラシを門口に吊るしたり、「上酒有」と書いた紙を貼っていた[6]。この噂話は、本来は疱瘡(天然痘)を患うという話が伝聞を経て単なる流行病へと変化したものと見られ、このことから甘酒婆とは疱瘡の疫病神である疱瘡神のこととする説もある[6]。
