産業管理外来種
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産業管理外来種(さんぎょうかんりがいらいしゅ)とは、産業または公益的役割において重要であり、代替性が乏しいため利用が認められる一方、その利用に当たっては適切な管理が必要とされる外来種を指す、日本の外来種対策上の区分である。環境省・農林水産省による外来種対策の枠組みのなかで用いられ、生態系被害防止外来種リストや外来種被害防止行動計画において位置づけられている。
制度上の位置づけ
産業管理外来種は、特定外来生物のように外来生物法による一律の強い規制対象とは異なるが、被害防止の観点から慎重な取扱いが求められる区分である。生態系被害防止外来種リストでは、外来種をいくつかのカテゴリに分けて整理しており、その一つとして産業管理外来種が設定されている。
2025年公表の「外来種被害防止行動計画 第2版」でも、産業管理外来種に該当する種について、利用の必要性、代替可能性、リスク評価、逸出防止などを前提に管理する方針が示されている。
主な利用分野
産業管理外来種は、資料上、主に以下のような用途で利用されるとされる。
- 養殖・放流などの水産分野
- 牧草、緑化植物、果樹などの農業・林業分野
- 蜜源植物や受粉昆虫などの養蜂・施設園芸分野
具体例
産業管理外来種は複数の分野で利用されている。
水産分野では、ニジマス、ブラウントラウト、レイクトラウトの3魚種が、産業管理外来種として紹介されている。水産庁資料では、これらが産業上重要である一方、適切な管理が必要な外来種として扱われている。
また、辞書資料や行政解説では、水産分野以外の例として、ハリエンジュやセイヨウオオマルハナバチなども挙げられている。
農業・畜産
農業および畜産分野では、外来由来の家畜や作物が広く利用されている。例えば、乳用牛であるホルスタイン種、主要穀物であるトウモロコシ、食肉生産に用いられるブロイラー鶏などが挙げられる。これらは食料生産のために人為的に管理されているが、逸出や野生化した場合には環境への影響が指摘されることがある。
課題
産業管理外来種をめぐる主な課題としては、以下が指摘される。
第一に、利用価値の高い種であっても、逸出・遺棄・拡散により野外で定着した場合、在来種との競合、捕食、交雑、生態系改変などを引き起こす可能性があること。第二に、産業上の必要性と生物多様性保全の両立を図るため、代替種の検討や施設管理の強化が継続的に求められることである。