田中泰延
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学生時代〜電通コピーライター
早稲田大学第二文学部1年の時に、川田尚吾、玉置真理、高橋広敏らの学生企業グループに加わり1年間活動。2年生からは、在学中は、昼はトラック運転手[4]、夜は大学の授業を受ける日々を送る。
1993年、新卒で電通に入社。 クリエーティブ局に配属。おもに関西支社に勤務[4][5]。コピーライター、CMプランナーとして働き[4]、象印マホービンやエスエスケイなどを手がける。
2003年、TCC新人賞受賞。なお、その前年の2002年に一度はTCC新人賞とACCゴールドの受賞が決まっていたが、そのどちらもが「CMの送稿ミス」により取り消されたことを、のちに「TCCリレーコラム」で明かしている[6]。
ウェブメディアの発信
2015年、電通在職時に、ウェブサイト『街角のクリエイティブ』に映画評論を依頼されたことがきっかけで、同サイトに映画評「田中泰延のエンタメ新党」を連載開始、ライター業をスタート。独特の語り口と豊富な知識、1万字を越える長編で注目を浴びる。
2016年、「エンタメ新党」を読んだ滋賀県の広報担当者からの依頼で、石田三成に関するコラム「秒速で1億円稼ぐ武将 石田三成 〜すぐわかる石田三成の生涯〜」を執筆。このコラムは東京コピーライターズクラブの2018年版年鑑に掲載された[7]。1万字を超えるコラムが掲載されたことについて、田中は「日本最長の「広告コピー」ではないかと思っている」と述べている[2]。
青年失業家
2016年12月、24年間勤めた電通を退職し、2017年から「青年失業家」と自称し、フリーランスで活動[3]。この肩書きは、田中より3歳年下であるサイバーエージェントの藤田晋が、当時43歳にもかかわらず「青年実業家」とテレビで紹介されていたことにちなんでいる[2]。
2017年2月、ウェブサイト『街角のクリエイティブ』でエッセイ連載「ひろのぶ雑記」を開始。「田中泰延のエンタメ新党」と合わせて累計330万PVの人気コラムとなる[8]。
YouTube配信「僕たちは」シリーズ
2018年12月、交友のあったアートディレクター・上田豪、コラムニスト/株式会社スナワチ代表・前田将多と鼎談するYouTube番組「僕たちはなにを考えて仕事しているのか」を生配信。好評を呼び、年に2〜3回配信する「僕たちはシリーズ」となった。当初はヒマナイヌスタジオ大手町(現「スタジオ236」)から配信されていたが、第3弾からはヒマナイヌスタジオ高円寺三角地帯(現「スタジオ318」)からの配信。運営費は視聴者からのサポートで賄われている[9]。
書籍の執筆活動
2019年6月、ダイヤモンド社から初の著書『読みたいことを、書けばいい。人生が変わるシンプルな文章術』を発売。刊行後すぐにTBS系列バラエティー番組「林先生の初耳学」で取り上げられるなど、多くの番組で紹介され話題になり、発売から1年の時点で、発行部数は16万部に到達している[10]。電子も合わせ、約20万部[11]。
2021年9月、同じくダイヤモンド社から『会って、話すこと。自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術』を発売[12]。田中泰延の単著として出ているが、本人は本書内で「編集の今野良介との共著のようなもの」と語っている[13]。
2023年12月、直塚大成との共著として『「書く力」の教室 1冊でゼロから達人になる』をSBクリエイティブから発売。オーディションを通過した23歳の学生・直塚大成が田中泰延のもとにライターとして弟子入りし1年間指南を受けた記録が、実際の原稿とフィードバックを交えながら対話形式で収められており、実践的な内容となっている[14]。
ひろのぶと株式会社
2020年3月17日、ひろのぶと株式会社を創業。
2022年、株式投資型クラウドファンディングを株式会社FUNDINNOで実施。上限金額の4千万円を開始27分で達成[15]。
2022年10月、ひろのぶと株式会社として初の刊行書籍『全部を賭けない恋がはじまれば』(稲田万里・著)を発売[16]。
2022年12月、ひろのぶと株式会社の2冊目の刊行書籍『スローシャッター』(田所敦嗣・著)を発売。自身が編集も担当し、本づくりにあたっては著者とともにベトナムへの取材も敢行した[17]。
2024年12月、ウェブメディア『街角のクリエイティブ』の運営を引き継ぎ、2025年7月より本格的な更新を再開[18]。
人物
名前の泰延(ひろのぶ)が珍しい読み方なため、ウェブメディアで記事を書き始めた当初は、「ひろのぶと読んでください」と書いていた[19]。糸井重里からはX(旧Twitter)上でわざと「やすのぶさん」と呼びかけられることもある[20]。
X(旧Twitter)フォロワーは6万人越え。
写真撮影の仕事も受けており、SIGMAのウェブメディア『SEIN』にて「フォトヒロノブ」を連載。立命館先進研究アカデミー「RARA」のウェブサイトでは研究者の写真撮影を担当している[21]。
『読みたいことを、書けばいい。』の刊行前は、ウェブでの寄稿が増えていくにつれて出版社から原稿のオファーが増えていたが、企画書の内容がどれもバズや金儲けなどの「思ってもみなかった」内容であったことから全て辞退していた[2]。そんな中、ダイヤモンド社の編集者である今野良介から長文のオファーメールが度々届き、前述の企画書と比べると「だいぶましなようだ。だが、わけがわからない[2]」と考えた田中は、同じくダイヤモンド社で『嫌われる勇気』を出版していた古賀史健と、親交があった糸井重里に相談。二人から反対されなかったため「いやいやながら引き受け[2]」、出版に至った。
なお、『読みたいことを、書けばいい。』には糸井重里が帯推薦を寄せているが、著者名と推薦者名の文字サイズがほぼ同じであるため、糸井重里の著書であると思って購入する人がいたことを、田中本人がイベント等で語っている[22]。
多読家で、学生時代には6,000冊を乱読[23]。
ミニカー収集が趣味。
また、カメラも収集しており、50台以上を所持。しかし、あくまでカメラは眺めることを趣味としており、「写真を撮るなんてそんな野蛮なことはしません。」と自身が更新したnoteでは述べている[24]。
ひろのぶと株式会社
田中泰延が立ち上げた出版社。「累進印税」制度を掲げ、「田中泰延がつくりたい本」を刊行する[25][26]。なお、設立日の3月17日は、『読みたいことを、書けばいい。』の編集を担当した今野良介の誕生日である[27]。
社名の由来
「泰延と仲間たち(Hironobu and Company)[28]」という意味でつけられている。英語表記の「Hironobu & Co.」から、「ひろのぶと株式会社」となった。
累進印税
「日本の出版界の仕組みを根底から変えて、才能ある作家を世に送り出し、本に触れる喜びを多くの人に広めたい[29]」「読み手と書き手のフェアな関係を築ける新しい時代をつくる[30]」ことを目的に、「累進印税(ダイナミックプライシング)」を掲げている。
これまで業界の慣習によって約1割と決められていることが多い印税率を、はじめから2割に設定。さらに売上部数に応じて最大5割まで印税率がアップ「累進印税(ダイナミックプライシング)」を導入している[31]。10万部までは印税2割、10万部を越え50万部までは3割、50万部を越え100万部までは4割、100万部を越えると5割になる[32]。
累進印税を取り入れたのは、自身の出版経験で抱いた問題意識による。印税1割、そこから所得税等が引かれると「1,500円で販売する本を書いても、1冊あたり入るお金は100円以下[33]」であり、執筆に3年ほどの期間を費やしていることを考えると「年収にしてみたら500万~600万円ほど[34]」。ベストセラーになってもなかなか本を書いて生活していくことが難しい現状を知り、一つの選択肢として「累進印税」を掲げた。
著書
単著
- 『読みたいことを、書けばいい。』ダイヤモンド社、2019年6月12日。ISBN 978-4-478-10722-5。
- 『会って、話すこと。』ダイヤモンド社、2021年9月14日。ISBN 978-4-478-11262-5。
共著
- 『「書く力」の教室』SBクリエイティブ、2023年12月22日。ISBN 978-4-815-61518-5。