男女の賃金差
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男女の賃金差(だんじょのちんぎんさ, gender pay gap, gender wage gap)とは、男性と女性の賃金差であり、OECDでは男性の賃金の何パーセントにあたるか表される[1]。欧州委員会では、男女の平均時給の差として定義されている[2]。これが男女差によるものか、ライフスタイルの選択による暗黙の差別なのか(労働時間数、産休による)、それともはっきりとした差別であるのか、これには議論がある[3][4][5]。
一般的に、女性は男性よりも低い賃金を受け取ることが多いとされています。
賃金格差の測定には、非調整値と調整値の2種類があります[6]。
- 非調整値は、平均的な男性と女性が全体でどれくらい稼いでいるかを示すもので、仕事の種類や労働時間は考慮されません。
- 調整値は、労働時間や職種、学歴、経験などの違いを考慮し、同じ条件の仕事で男女がどれだけ稼ぐかを示します。
例えばアメリカでは、非調整の平均女性年収は平均男性年収の79~83%ですが、調整後の平均給与では95~99%となっています[7][8][9]。
賃金格差の原因には、法的・社会的・経済的要因が関わっています[10]。具体的には、子どもを持つことによる母親ペナルティ(父親ボーナス)、育児休暇、性別による差別、社会的規範などです。賃金格差の影響は個人の不満にとどまらず、経済生産の減少、女性の年金の低下、学習機会の減少など社会全体への影響も及ぼします。
近年では、医療費負担などの要因も調整後の格差に組み込まれるようになっています。世界銀行は、これらの要素を考慮すると格差はさらに大きくなると指摘しており、従来の研究は男女の賃金格差の大きさを過小評価していた可能性があるとしています[11]。
現在、世界全体の男女賃金格差は68.5%です[12]。特に発展途上国(グローバルサウス)では賃金格差の縮小が急速に進んでいます。一方、欧州連合(EU)では21世紀に入ってからほとんど変化がなく、アメリカでも概ね横ばいです[13]。ただし2023年には、男性の賃金上昇率が女性より高かったため、全ての年齢層で賃金格差が拡大しました[14][15]。
男女の賃金格差は、特に発展途上国では公共政策上の課題となります。格差により経済生産が減少するだけでなく、女性が高齢期に福祉給付に依存しやすくなるためです[16][17][18]。
OECD
OECDの Employment Outlook 2008年度レポートでは、女性の就業率は大幅に上昇しており、男女の就業率差と賃金差はどの国でも小さくなってきているが、いまだ女性は男性に比べ仕事を得られる機会が平均的に20%低く、賃金も同一労働の男性より17%低くなっている[19]。
さらにレポートでは以下のように述べている。
多くの国では、労働市場における差別--すなわち特定のグループに属するというだけで、同一生産性であっても不平等な扱いをうけること--は、いまだ依然として雇用格差と雇用機会の質の向上のための重要な要素である。...Employment Outlookのこの版ではその証拠を挙げる...
...OECD諸国において賃金差の30%は、労働市場における差別的慣行によって説明できることを示唆している[19][20]
2020年において、日本はOECD諸国中で韓国、イスラエルに次いで、3番目に男女の賃金差が大きい[21]。

ヨーロッパ連合

男女の賃金差は、欧州連合レベルでは、その経済全体における平均時給の差として定義される。Eurostatによれば、EU加盟27カ国の平均では17.5%の賃金差が残されていた(2008念)。イタリア、スロベニア、マルタ、ルーマニア、ベルギー、ポルトガル、ポーランドでは10%以下であるが、一方でスロベニア、オランダ、チェコ、キプロス、ドイツ、英国、ギリシャでは20%以上、エストニア、オーストリーでは25%以上であった[22]。
英国において、男女の賃金差の要因となる主要ファクターには、パートタイム雇用、教育、雇用主会社の規模、職業上の部門(女性は管理職や高度専門職部門では過小評価される)であった[23]。
日本
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、一般労働者の賃金は、男女計304.3千円(年齢42.5歳、勤続12.1年)、男性335.5千円(年齢43.3歳、勤続13.5年)、女性246.1千円(年齢41.1歳、勤続9.4年)となっている。賃金を前年と比べると、男女計及び男性では0.1%増加、女性では0.6%増加となっている。女性の賃金は過去最高となっており、男女間賃金格差(男性=100)は、比較可能な昭和51年調査以降で過去最小の73.4となっている。
雇用者女性の半数以上は非正規雇用であり、出産・育児期に就業率が低下する「M字カーブ」が顕著なことが男女差として現れている。
各国の男女賃金差
Save the Children State of the World's Mothers report

International Save the Children Alliance は毎年en:Save the Children State of the World's Mothers reportを公表し、母親と子供の健康状態について統計を行っている。