疑心暗鬼
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疑心暗鬼(ぎしんあんき)は、古代中国からの成語。
由来
心に疑いを持っているならば、何でもないような些細な事柄にでも不安になったり、恐ろしくなったりするということである[1]。疑心暗鬼の疑心とは仏教用語であり、暗鬼とは暗闇の中に鬼が見えるということである。これらを組み合わせることで、疑う気持ちが心にあれば、暗闇の中に鬼が見えるという状態にまで陥るということを表している[2]。なお、この言葉における「鬼」は日本語の「おに」ではなく、漢語本来の用法で「霊魂」などを意味する。
この言葉は、戦国時代の中国で著された『列子』の南宋の儒者林希逸による注釈書『列子鬳齋口義(沖虚至徳真経鬳斎口義)』に由来する[3]。
ある男性が、木を切るときに用いていた鉞を失くし、それを隣家の息子が盗んだと疑うようになり、それ以来その息子の言動の全てが疑わしく感じるようになった[2]。だが実際は、自身が谷底に鉞を置き忘れていただけで、それが見つかってからは隣家の息子を怪しむことは無くなった。この逸話から「疑心、暗鬼を生ず」という言葉が生まれ、これが略されて疑心暗鬼となった[4]。
『列子鬳齋口義』は江戸時代になって盛んに読まれ、この成語も普及した。現代に残る最も古い用例は曲亭馬琴『椿説弓張月』(1807~11)の一節である[5]。
脚注
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- ↑ 日本国語大辞典,四字熟語を知る辞典, デジタル大辞泉,精選版. “疑心暗鬼(ギシンアンキ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年3月8日閲覧。
- 1 2 “今さら聞けない!【疑心暗鬼】の意味は? 例文・類語・対義語についても解説 | Domani 疑心暗鬼とはすべてが疑わしく感じる心理状態。言葉の由来や使い方をご紹介”. Domani (2023年11月16日). 2025年3月8日閲覧。
- ↑ 八重樫一. “今日の四字熟語・故事成語 - No.3421【疑心、暗鬼を生ず】『列子』”. 福島みんなのニュース. 情報ネットワーク・リベラ. 2026年2月7日閲覧。
- ↑ “「疑心暗鬼」の由来は隣人同士に起きた疑惑から?”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2025年3月8日閲覧。
- ↑ 日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典』第二版「疑心、暗鬼を生ず」の項