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県民経済計算

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県民経済計算(けんみんけいざいけいさん)は、日本の国民経済計算に準拠して計算された都道府県レベルの経済活動状況の推計である。

2022年度(令和4年度)の県民経済計算における1人当たり県民所得(PI)階級図。太平洋ベルト地域及び北関東[1]で高い傾向にある。
東京は突出して高く、この年度では次いで愛知、茨城、静岡の順となっている。一方、最も低いのは沖縄。なお、各県の経済動向により、順位は毎年入れ替わる。[2]

国民経済計算には、国内総生産・国民所得などの指標があるが、県民経済計算ではこれに相当する、県内総生産・県民所得などの指標が推計されている。2026年(令和8年)3月現在、日本の県民経済計算は、国民経済計算(国民所得統計)に準拠して作成されており、国連が2008年(平成20年)に採択した方式である2008SNAに準拠しており、2015年(平成27年)基準の数値が発表されている。ただし、2025年11月19日に内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部より2020年基準(令和2年)基準への改定が発表され、そちらへ移行する予定がある[3]。

内閣府(省庁再編以前は経済企画庁)の経済社会総合研究所国民経済計算部が各都道府県の県民経済計算をまとめて、県民経済計算年報として発表している。

同種のものとして、アメリカ合衆国では商務省経済分析局が州内総生産 (Gross State Product) を発表している。

解説

国内総生産との関係

国民経済計算では海外との輸出入を考慮して国内における生産額を推計しているように、県民経済計算では県外との取引は財貨・サービスの移出入として計上され、二重計算が排除されている。このため概念上は、各都道府県の県内総生産の合計は国内総生産となる。しかし、海外との貿易が税関における通関手続きなどによってかなり正確に把握できるのに対して、都道府県間の取引は把握が困難であることなど推計誤差のため、県内総生産の合計と国民経済計算で推計されている国内総生産には乖離がある。

2022年度(令和4年度)の名目県内総生産の合計は595.8兆円だが、国民経済計算の名目国内総生産額は、567.3兆円[4]と県内総生産の全国計とは一致しない。

一人当たり県民所得

各県の県民所得を人口で割って得られる一人当たり県民所得は、各都道府県の経済力を示す指標としてしばしば用いられる。2021年度(令和3年度)で見ると一人当たり県民所得が最も多い東京都の6,037千円と、最も少ない沖縄県の2,249千円では、約2.7倍の差がある。

一人当たり県民所得の分散度合いを測る指標としては、一人当たり県民所得の変動係数(全都道府県の平均に対する都道府県の開差率を相対的に表したもの) が用いられることが多い。これによって見ると、1990年度(平成2年度)以降2001年度(平成13年度)までは変動係数は減少傾向にあり、一人当たり県民所得のばらつきは縮小してきたが、2002年度(平成14年度)以降2006年度(平成18年度)までは5年連続して増加した。その後、2007年度(平成19年度)以降2009年度(平成21年度)までは3年連続して減少し、2010年度(平成22年度)以降2015年度(平成27年度)までは変動係数18前後で推移していた。そして、2016年度(平成28年度)以降は減少傾向にあり、2020年度(令和2年度)は15.3であった。しかし、2021年度以降は再び増加して、2022年度は17.4となった。また、2022年度に関しては、ロシアのクライナ侵攻による燃料価格の高騰の影響を製造業(特に石油・石炭製品)や電力会社が受けたことが主な原因としてある。

県民所得には企業所得が含まれているので、各県の消費者や労働者の所得水準を表すものではない。

計算の性質上、乳児・幼児や児童、高齢者の人口比率が大きい都道府県では、県民所得は小さくなる傾向にある。

統計の沿革[5]

  • 1947年(昭和22年)以前:鹿児島県が、県政はすべからく統計に基づいた科学的な施策を展開しなければならないという認識のもと、鹿児島県民所得を試算。各都道府県民経済計算の先駆けとなる。
  • 1956年(昭和31年):経済安定本部(現内閣府)により、初の本格的な標準方式(推計方法の基準)である「県民所得の標準方式(1956年(昭和31年)版)」が制定。
  • 1970年(昭和45年):国民所得統計(現:国民経済計算)の推計方式変更に伴い、標準方式を「県民所得の新標準方式(1970年(昭和45年)版)」に移行。
  • 1983年(昭和58年):国民所得統計の68SNA(国際的標準体系)移行に伴い、標準方式を「県民経済計算標準方式(1983年(昭和58年)版)」に移行。
  • 1988年(昭和63年):国民経済計算の基準年及び推計方式変更に伴い、標準方式を1988年(昭和63年)版に移行。
  • 2002年(平成14年):国民経済計算への93SNA導入に伴い、標準方式を2002年(平成14年)版に移行。
  • 2013年(平成25年):国民経済計算の基準改定に伴い、標準方式を2005年(平成17年)基準版に移行。
  • 2018年(平成30年):国民経済計算への2008SNA導入に伴い、標準方式を2011年(平成23年)基準版に移行。
  • 2022年(令和4年):国民経済計算の基準改定に伴い、標準方式を2015年(平成27年)基準版に移行。

2022年度(令和4年度) 県内総生産・1人当たり県民所得

  • GPP:県内総生産(名目)(百万円)
  • PI:県民所得(千円)
  • 人口:2022年(令和4年度)10月1日(千人)

都道府県別

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都道府県
GPP
(百万円)
構成比
(%)
1人当たりPI
(千円)
人口
(人)
構成比
(%)
全県計595,788,7881003,448124,946,789100
北海道20,889,2503.52,8915,140,3544.1
青森県4,439,0550.72,7041,204,3921.0
岩手県4,797,0500.82,7091,180,5950.9
宮城県9,614,6681.62,8712,279,9771.8
秋田県3,629,3350.62,769929,9010.7
山形県4,340,4270.72,9941,041,0250.8
福島県7,864,9631.32,8991,790,1811.4
茨城県14,585,6062.43,4812,839,5552.3
栃木県9,596,2381.63,4351,908,8211.5
群馬県9,762,0171.63,4671,913,2541.5
埼玉県24,665,5674.13,1387,337,0895.9
千葉県21,414,3023.63,1636,265,9755.0
東京都120,219,92920.26,03714,038,16711.2
神奈川県35,159,3725.93,1809,232,4897.4
新潟県9,042,8911.52,9342,152,6931.7
富山県4,927,6290.83,3471,016,5340.8
石川県4,717,2600.82,9771,117,6370.9
福井県3,494,3040.63,095752,8550.6
山梨県3,715,0300.63,362801,8740.6
長野県8,918,1521.53,1082,019,9931.6
岐阜県8,225,1871.43,1921,945,7631.6
静岡県18,271,0753.13,4783,582,2972.9
愛知県43,083,1047.23,8197,495,1716.0
三重県8,681,9911.43,2271,742,1741.4
滋賀県7,005,9561.23,2921,408,9311.1
京都府11,107,5531.93,1292,549,7492.0
大阪府43,124,1927.23,2578,782,4847.0
兵庫県23,462,6493.93,1505,402,4934.3
奈良県3,920,9900.72,7571,305,8121.0
和歌山県3,996,0730.73,375903,2650.7
鳥取県1,912,2110.32,491543,6200.4
島根県2,752,7460.53,031657,9090.5
岡山県7,344,9511.22,5531,862,3171.5
広島県12,476,1162.13,2752,759,5002.2
山口県6,306,2471.13,0681,313,4031.1
徳島県3,265,7950.53,170703,8520.6
香川県3,972,2320.73,005934,0600.7
愛媛県5,138,1190.92,7641,306,4861.0
高知県2,407,4410.42,703675,7050.5
福岡県20,187,1683.42,8135,116,0464.1
佐賀県3,148,8890.52,892800,7870.6
長崎県4,653,6140.82,5701,283,1281.0
熊本県6,565,0531.12,8571,718,3271.4
大分県4,900,7060.82,8711,106,8310.9
宮崎県3,766,9490.62,4531,052,3380.8
鹿児島県6,048,5961.02,7221,562,6621.3
沖縄県4,461,5300.72,2491,468,3181.2
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地方別

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地方 GPP 人口
概数比率概数比率
全国計595兆7,888億円100.00%1億2,494.7万人100.00%
北海道20兆8,893億円3.51%514.0万人4.11%
東北6県34兆6,855億円5.82%842.6万人6.74%
関東1都6県235兆4,030億円39.51%4,353.5万人34.84%
中部9県104兆3,946億円17.52%2,088.5万人16.71%
近畿2府5県101兆1,080億円16.97%2,209.5万人17.68%
中国四国9県45兆5,759億円7.65%1,075.7万人8.61%
九州沖縄8県53兆7,325億円9.02%1,410.8万人11.29%
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広域地方計画区域別

国土形成計画の広域地方計画区域による分類

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地方GPP人口備考
全国計595兆7,888億円1億2,494.7万人
北海道20兆8,893億円514.0万
東北圏7県43兆7,284億円1,057.9万東北6県+新潟県
首都圏1都7県239兆1,181億円4,433.7万関東1都6県+山梨県
中部圏5県86兆9,881億円1,678.5万東海4県+長野県
北陸圏3県13兆1,392億円288.7万
近畿圏2府4県92兆6,174億円2,035.3万
中国圏5県30兆7,923億円713.7万
四国圏4県14兆7,836億円362.0万
九州圏7県49兆2,710億円1,264.0万
沖縄県4兆4,615億円146.8万
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その他の分類

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地方GPP人口


北東北3県12兆8,654億331.5万
南東北3県21兆8,201億511.1万
北関東3県33兆9,439億666.2万
南関東1都3県201兆4,592億3,687.4万
甲信越3県21兆6,761億497.5万
東海3県59兆7,989億1,118.3万
東海4県78兆700億1,476.5万
北陸4県22兆1,821億504.0万
山陽3県26兆1,273億593.5万
山陰2県4兆6,650億120.2万
北九州5県39兆4,554億1,002.5万
南九州2県9兆8,155億261.5万
北九州山口6県45兆7,617億1,133.9万
九州山口8県55兆5,772 億1,395.4万
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脚注

関連項目

外部リンク

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