眠りの海

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眠りの海(ねむりのうみ、英題: Sleepy Sea)は、山本悍右が1953年に制作した写真作品である[1]。ゼラチンシルバープリントによる作品で、横顔の頭部のシルエットのなかに複数の物体を配した構成をとる[1]。山本の戦後作品のなかでも、シュルレアリスムの図像を通して戦後日本の不安や方向喪失を表現した作例として位置づけられている[1]

1953年に制作されたゼラチンシルバープリントである[1]。2017年の「Japanese Surrealist Photography」作品リストでは、寸法は37.5 × 30.7 cmとされている[2]

構成

画面には横顔の頭部のシルエットが大きく置かれ、そのなかにネックレス、ビー玉、羅針盤、懐中時計、「Japan」と記された玩具の銃などが浮かぶように配されている[1]。眠る人物そのものを描かず、頭部の輪郭とその内部の物体によって夢の空間を立ち上げている点に特色がある[1]

マグリットとの関係

この作品は、ルネ・マグリットの1928年の絵画《The Reckless Sleeper》との比較においてしばしば言及される[1]。マグリットの作品では、箱の上で眠る人物の下に、山高帽、ろうそく、リンゴなどを付着させた石碑状の形態が置かれているが、『眠りの海』では眠る人物の姿は消え、その位置に横顔の頭部のシルエットが据えられている[1]。また、マグリット作品の下部に置かれた物体群に対応するように、山本はそれらを頭部の内部へ取り込み、夢のイメージをより内面的な像へと置き換えている[1]

解釈

展示

脚注

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