磁気ヘリシティ

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磁気ヘリシティ(じきへりしてぃ、: magnetic helicity)とは、閉空間内に存在する磁場の正味のねじれ具合を定量的に示した物理量である。

一般化されたねじれ具合を示す物理量、あるいは螺旋に関する現象は、ヘリシティと呼ばれる。 一般化されたヘリシティの数式は、ガウスの絡み数に由来する[1]

ベクトルポテンシャル、磁場ベクトルをとすると、磁気ヘリシティは以下の式によって定義される。

磁気ヘリシティの特徴

ゲージ不変性

磁気ヘリシティはゲージ不変である[2]。これは、スカラーポテンシャルとして、とすると、以下のように展開されるからである。

磁束保存の式)であるため、右辺第2項は0である。 右辺第3項のは、境界上の法線ベクトルである。 閉空間のため、境界上でである。 よって右辺第3項も0である。 (ゲージ不変を満たすために、磁気ヘリシティは閉空間内で定義されなければならない。)


磁気ヘリシティの保存

磁気ヘリシティは閉空間において保存量である[2]。 ここで、磁気ヘリシティ密度を考える。 Maxwell方程式より、である。 磁気ヘリシティ密度の時間変化は以下のようになる。

ここで、である。

  • がポテンシャル電場である場合()、である。よって、
  • 理想MHDである場合()、以下のように展開できる。
この式を、境界上でである領域で積分すると、
境界上においてである場合、磁気ヘリシティの時間変化は0である。

以上により、磁気ヘリシティは保存量である。 (保存量であるために、磁気ヘリシティは閉空間内で定義されなければならない。)


相対磁気ヘリシティ

上記に示したように、磁気ヘリシティは「閉空間」においてゲージ不変であり、保存量である。 しかし一方で、いくつかの現実問題に適用するために、「開空間」での磁場のヘリシティを測定したいという動機がある。 そこで、Bergerらは開空間においてヘリシティが0である参照磁場を用いて、 相対的な磁気ヘリシティを定義した[3]。 これを相対磁気ヘリシティと呼ぶ。 以下、参照磁場としてポテンシャル磁場を用いる。 相対磁気ヘリシティ()は以下のように定義される。

下付添え字のは、ポテンシャル磁場成分を示す。 開空間であるため、境界の時間変化により境界内部の相対磁気ヘリシティも変化することが考えられる。 上式の時間微分をとると、以下の式になる[4]

よって、境界上での速度場、磁場(ベクトルポテンシャル)が得られれば相対磁気ヘリシティの時間変化(入射量)を計算することができる。

他分野への応用

脚注

参考文献

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