社会的孤立

人間が社会的に孤立するということ。客観的に見て、その社会の中で居場所、社会的な安定性を持たない社会的集団についていわれる From Wikipedia, the free encyclopedia

社会的孤立(しゃかいてきこりつ、英語: social isolation)とは、人が社会的なつながりを十分に持てず、社会参加や支援の基盤が脆弱な状態を指す。客観的にみて、その社会の中で居場所や社会的安定性を持ちにくい集団や個人について論じられることがある。たとえば、若者寡婦高齢者、独居生活者、学生、婚外子マイノリティに属する外国人、失業者リストラ離職者、AIDSハンセン病など社会の中で周縁化されやすい疾患を抱える人々、被差別集団に属する人々などが挙げられる。

独居生活を送っていても、家族や友人・知人との交流が保たれていれば社会的孤立とは呼ばれない。対して、同居する家族がいても他者との交流が乏しければ、社会的孤立に陥る場合もある[1]。社会的孤立は健康に悪影響を及ぼしうる[2]

若者の社会的孤立

若者が社会的孤立に至る要因としては、人間関係の希薄化が挙げられる。この背景には、近年の雇用情勢の悪化があるとされ、若者が勤労という形で社会参加できないことが社会的孤立につながる場合がある。また、近年に発生している無差別殺人子殺しなどの事件の加害者の背景にも、社会的孤立が存在する場合があると指摘されている。さらに、情報化社会においてインターネットを活用することで気軽に対人関係を築くことができる一方、自ら一方的に関係を断ち切り、孤立を選択しうるというリスクも存在する。社会的孤立は、若者が経済的に自立できないこととも関わり、貧困の原因の一つになると考えられている[3]

高齢者の社会的孤立

他国と比べた場合、日本の高齢者の他者との交流は、物のやり取りや立ち話など表面的な付き合いで済ませる傾向がある[1]。家族と同居している場合よりも、一人暮らしの高齢者の方が他人と会話する頻度が低く、男性独居老人の7%は週に一度も会話をしていない状態である。困ったときに頼れる人がいない割合が高いのも一人暮らしの男性であり、約2割が該当する。男性は近所との人付き合いよりも、配偶者や仕事仲間との関わりを中心に人間関係を築く傾向が強く、死別や引退によって人間関係の脆弱性が現れやすいと見られている[4]

多くの高齢者は地域とのつながりを必要と考えているものの、実際に地域とのつながりを感じられている高齢者の割合はそれを下回る。また、都市の規模が大きくなるほど地域とのつながりが感じられている割合は低下している。いずれにしても、その地域での居住年数との関連があると考えられている[4]

社会的孤立に関連してさまざまな社会問題も発生しており、悪徳商法による高齢者被害や高齢者による犯罪、孤独死も社会的孤立が背景となっている場合がある[5]。雇用労働者化の進行に伴う世帯構成の変化、家族・地域関係の変化、低所得問題、政策による医療・介護環境の変化が論点となっている[6]。また、社会的孤立によって生活活動水準が低下し、外出頻度が極端に低い「閉じこもり」の状態になることがある。閉じこもりによってフレイル(虚弱)状態に陥り、やがて寝たきり介護が必要になるなど、老化の進行や健康状態の悪化と関連する可能性が指摘されている[7]

脚注

関連項目

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