判決の翌6日、サー・エスラー・デニング駐日イギリス大使が事件について正式に抗議。「英国水兵は日本の裁判権の外にある。国際慣習上、外国軍艦乗員の犯罪はその所属国の管轄に属する」と主張し、速やかな身柄引き渡しを求めた。
同時にロンドンでは外相アンソニー・イーデンが松本俊一駐英大使を呼び出し、「独立国間の信義に関わる問題」として厳重に抗議した。事件はチャーチル内閣を巻き込み、日英関係の一時的悪化を招いた 。
一方、日本国内では岡崎勝男外相が8月7日の記者会見で「事件はたった1700円を奪った小さな問題であり、政府としては慎重に扱いたい」と発言し、これが「主権国家の外相として軽率」と非難を浴び、日本国内で国民の事件への関心を高めた要因となった。これに対し、神戸弁護士会は8月8日に次の声明を発表した。
一、本会は神戸地検の起訴および神戸地裁の裁判権行使を正当と認め支持する。
二、自主独立国家としての司法権の確立と属地主義の徹底を期する。
さらに補足として、デニング大使の「日本でどうできるものか」という傲慢な態度を非難し、英側の要求を「独立国日本を侮るもの」と断じた。また渋沢正雄外務次官ら外務省も日本は国際法上裁判権ありとの見解をとった。
その後の大阪高等裁判所控訴審では外交的圧力の影響もあり、懲役2年6か月・執行猶予3年と軽減された判決が11月5日に言い渡され、水兵はイギリス側へ引き渡された。当時のロバート・ダニエル・マーフィー駐日アメリカ大使は「英国の抗議は正当」と述べ、日英両国への米国の外交的影響力を示唆した 。また同年、この直後に神戸で米兵による暴行事件も発生している。