神戸電気鉄道300系電車

From Wikipedia, the free encyclopedia

神戸電気鉄道300系電車(こうべでんきてつどう300けいでんしゃ)は、神戸電気鉄道(現:神戸電鉄)が1960年(昭和35年)に導入した高性能電車である。

運用者 神戸電気鉄道→神戸電鉄
製造所 川崎車輛
製造年 1960年 - 1964年
製造数 10両
概要 基本情報, 運用者 ...
神戸電気鉄道300系電車
デ304ほか4両(1989年 鈴蘭台駅)
基本情報
運用者 神戸電気鉄道→神戸電鉄
製造所 川崎車輛
製造年 1960年 - 1964年
製造数 10両
引退 1994年
主要諸元
編成 2両編成(末期は4両固定編成)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
車両定員
  • 130名 座席52名 (非貫通型、3扉ロングシート化後)
  • 140名 座席58名 (貫通型先頭車)
  • 147名 座席58名 (貫通型運転台撤去車)
自重
  • 32.6 t (奇数先頭車)
  • 32.3 t (偶数先頭車)
  • 32.2 t (奇数中間車)
  • 31.9 t (偶数中間車)
全長 18,140 mm
全幅
  • 2,720 mm (非貫通型奇数車)
  • 2,700 mm (貫通型奇数車)
  • 2,730 mm (偶数車)
全高
  • 3,870 mm (奇数車)
  • 4,120 mm (偶数車)
車体 普通鋼
台車 KD-37
主電動機 MB-3032-S2
主電動機出力 75 kW × 4基 / 両
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 98:15
制御方式 抵抗制御
制御装置 ABF-108-15MDH
制動装置 HSC-D
テンプレートを表示
閉じる

当時の神戸電気鉄道としては飛躍的に車体寸法が拡大されたため、18m級車体でありながら、一部書籍には「大型高性能電車」もしくは「大形高性能車」として表記される場合がある。[1][2]

概要

1960年(昭和35年)に川崎車輌にて製造された、神戸電鉄初の大型高性能電車である。神戸電鉄の社史や同社名義で執筆された公刊書籍・雑誌記事においては「ロマンスカー」と呼称される。神戸電鉄WNドライブによるカルダン駆動を採用している。

当時流行であった湘南顔を採用した片開き2ドアのロマンスシート車両が1960年(昭和35年)に2両2編成製造された。

その後、神戸電鉄が開発した沿線住宅地分譲にともなう増大する通勤需要に対応するために、前面スタイルを3枚窓の貫通型にモデルチェンジした編成が1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)にかけて2両3編成が増備された。

構造

車体

新塗装化後のデ303(1993年3月)
デ303 車内

全長18,140mm、全幅2,730mmの18m球の鋼製車体で製造されている。塗装も、従来は茶色一色、もしくはグレーとグリーンの2色塗装であったものが、オレンジとグレーの2色塗装に変更されている[3]

主要機器

主電動機・主制御器

主電動機は三菱電機製のMB-3022-S2(75 kW)を1両あたり4機搭載する[3]。駆動方式は神戸電鉄初となるWNドライブによるカルダン駆動が採用されており、歯車比は98:15である。

主制御器には同じく三菱電機製の電動カム軸式制御器 ABF-108-15MDH(CB-32C-1)を奇数車に設置している。4S2P固定、並列14段、弱め界磁4段、電制14段で、1つの制御器で2両分8個の主電動機を制御する1C8M方式である[3]

主抵抗器

当初は旧型車と同様の鋳鉄グリッド式の抵抗器を奇数車の床下一杯に搭載していた。1971年以降の通勤化改造時にデ1300形と同様のニクロムリボン式に交換、奇数車の床下スペースの都合から一部を偶数車にも搭載する。

台車

近畿車輛製のシュリーレン台車KD-37を装着する[4]

ブレーキ

当初は旧型車との互換性に配慮してSME-Dを使用していたが、後に1000系列以降の高性能車と同様のHSC-Dに変更された[3][5]

集電装置

偶数車の運転台側屋根上にパンタグラフを1機搭載する。パンタグラフは登場時三菱電機製のS-752-Aを装着していたが、部品確保のため東洋電機製造製のPT-4209に取り替えられた。

電動発電機・空気圧縮機

電動発電機はMG-303B-Sを、空気圧縮機はDH-25を搭載する。ともに偶数車に設けられている。

分類

両者とも正式な形式名はデ300形であるが、趣味的な分類では非貫通型車をデ300形、貫通型車をデ310形として呼称されることもある。また月刊神鉄神鉄観光出版)における車両解説(神戸電鉄車両課監修)では、両タイプともにデ300形としながら非貫通型車を「デ300形300番台」、貫通形車を「デ300形310番台」としている。

非貫通型車(デ301 - 304)

神戸電鉄初の高性能車としてWNドライブによるカルダン駆動を採用した車両として1960年(昭和35年)に(301 - 304)の2編成4両が製造された。神戸電鉄の公式出版物や同社名義で執筆された公刊書籍・雑誌記事においては「ロマンスカー」と呼称される。前面形状は、当時流行していた湘南顔を基本とした2枚窓の前面非貫通車で、車体の裾部には丸みが設けられている[3]。扉は1,000mm幅の片開き、窓幅は1,100mm、座席はセミクロスシートを採用した。[3][6]

貫通型車(デ311 - 316)

デ315

前述のデ300形は神戸電鉄における高性能車の基本スタイルを確立させたものであった。しかし、神戸電鉄が開発する沿線住宅地(神鉄桜が丘・神鉄旭が丘・神鉄霞が丘など)の分譲が進むとともに、通勤利用客が増加の一途をたどり、1962年(昭和37年)の増備車より、前面を貫通型3枚窓とし車内をオールロングシートにモデルチェンジした。[7]外観及び車内に大幅な変更が行われたため、車番は310番台(311 - 316)となった[8]

乗降をスムーズに行えるよう側引戸幅を従前の1100mmから1200mmに拡大した一方、側面窓の大きさを1100mmから1000mmに縮小している。[7][9]。非貫通型車に存在した、車体裾部の丸みは310番台以降省略された。また315編成からは、前面の貫通扉上部に水切りが設置された。

このスタイルは神戸電鉄が製造する通勤型車両の基本となり、旧型車の車体更新で誕生した800系や、1965年(昭和40年)から製造が開始された1000系列にも受け継がれた。

変遷

移設直後の谷上駅に入線するデ304ほか4連 (1988年4月2日)

300番台(ロマンスカー)及び310番台ともに、登場当時は2両編成で運行され続けていた。しかし、神戸電鉄および神戸市による沿線の住宅地開発にともなう通勤需要の増加により、1972年(昭和47年)頃から4両編成への長編成化が進められてきた。

非貫通型車(300番台)は、1971年(昭和46年)より、座席のオールロングシート化及びブレーキのHSC化などの改造を受け[10]、1972年(昭和47年)には中間に貫通型車(310番台)を挟み込んで4両編成化が進められた。のちに、中間に組み込まれた310番台車両の運転台機器は撤去された。残った貫通型車(310番台)の1編成(311 - 312)は、デ1050形ないしデ1070形を増結した3両編成、デ1000形ないしデ1300形2両編成を併結した4両編成、さらには1100系3両編成に増結した5両編成などと様々な運用で活躍した。1987年(昭和62年)からはオパールホワイトとブライトレッドの新塗装へ順次変更されていった。[10]

他の高性能車とともにに活躍を続けていたものの、当時設備投資が盛んであった神戸電鉄においては冷房化改造の対象外となり、新造車投入による置き換え対象となった。1993年(平成5年)に増結用の貫通型編成である311編成(311 - 312)が廃車となり、残った非貫通型を先頭とする4両編成も1994年(平成6年)に5000系により置き換えられ形式消滅となった。[11]

編成

登場時

さらに見る Mc ...
有馬
神戸
Mc Mc
301302
303304
Mc Mc
311312
313314
315316
閉じる

4両編成化後

さらに見る Mc, M ...
有馬
神戸
Mc M M Mc
301314313302
303316315304
閉じる
さらに見る Mc ...
有馬
神戸
Mc Mc
311312
閉じる

※311−312は他の1000系列と組んで運用

脚注

参考文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI