祭りの準備

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製作 大塚和
三浦波夫
製作総指揮 多賀祥介(企画)
祭りの準備
監督 黒木和雄
脚本 中島丈博
製作 大塚和
三浦波夫
製作総指揮 多賀祥介(企画)
出演者 江藤潤
馬渕晴子
ハナ肇
竹下景子
原田芳雄
音楽 松村禎三
撮影 鈴木達夫
編集 浅井弘
製作会社 綜映社
映画同人社
ATG[1]
配給 ATG
公開 日本の旗 1975年11月8日
上映時間 117分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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祭りの準備』(まつりのじゅんび)は、1975年製作・公開の日本映画

黒木和雄監督、江藤潤主演。綜映社=映画同人社=ATG製作、ATG配給[1]。カラー、ビスタサイズ。

昭和30年代高知県中村市(現:四万十市)を舞台にした脚本家中島丈博の半自伝的作品[2]シナリオライターになる夢を胸に秘めつつ町の信用金庫に勤める青年が、地縁・血縁のしがらみの中でもがき苦しみながら旅立ちの日を迎えるまでを描く[1][2]

第64回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第2位と脚本賞を獲得。また同助演男優賞第18回ブルーリボン賞助演男優賞を獲得した主人公の家の前に住む遊び人を演じた原田芳雄が出色の出来とも評価される[2]

映画の中で引用される新藤兼人監督の「誰でも一本は傑作を書ける。自分の周囲の世界を書くことだ」という言葉通りの映画を作るまでの自伝的映画である[3]。1989年「大アンケートによる日本映画ベスト150」(文藝春秋発表)では第113位にランキングされている。

主人公沖楯男は、故郷の信用金庫に勤めながら上京してシナリオライターになるのを夢見て毎晩遅くまで筆を握っている。楯男は村の赤裸々な男女関係に悶々としながら日々を過ごしている。母ときよは夫の女道楽に嫌気が指し、楯男と祖父茂義の三人で暮らしている。母の過剰な偏愛に楯男は息苦しさを感じている。そんなとき幼馴染で大阪のキャバレーで働いていたタマミがヒロポン中毒になって村へ帰ってきた。好色な村の青年たちは毎晩浜にいるタマミと関係を持っている。楯男も浜に出たが、祖父の茂義に寝取られてしまう。そして茂義はタマミと暮らし始める。だが妊娠したタマミは出産すると正気に戻っていた。正気に戻ったタマミは、茂義を毛嫌いし、絶望のあまり茂義は首吊り自殺をしてしまう。一方、楯男には涼子という憧れの存在がいた。うたごえ運動に熱心だったが、東京からオルグにきた左翼の男の「文化の匂い」にとろけて関係を持ってしまう。積極的になった涼子と結ばれた楯男だが、二人が寝ていた勤め先の宿直室で火事を起こしてしまい、涼子との縁を切り東京へ向かう決心をするのだった(母ときよから猛反対されていた)。そんな時中村で強盗殺人事件が起こり、その犯人は楯男の悪友・中島利広だった。母にも言わず村を飛び出し東京へ向かう朝、駅で偶然利広と出会った楯男に、利広は励ましの言葉をかけ、電車が発車してもバンザイを繰り返し見送るのだった。

スタッフ

キャスト

製作

脚本

原作・脚本の中島丈博は「10歳のときに京都から高知県の中村市に疎開したんです。京都とは違い、人間の生の部分が露呈してるって感じで圧倒されましたね。親子喧嘩なんか、平気で人前でやってる。夜中に刃物を振り回す親父がいたりね。山で遊んでいるとき磯を見下ろしたら誰かが昼間からセ〇クスしてるんです。みんなで石を投げたけどね(笑) 。とにかく人間の生臭さが至る所に露呈してましたよ。物書きの頭じゃ考えられないようなことも起きてたな。『祭りの準備』で、ヒロポンの打ち過ぎで頭がおかしくなって帰って来る女性が登場するんですがね。これにはモデルがいるんです。『見せろ』って言ったら、股を開いて見せたりしてね。悪い奴はそこに砂をかけてたけど。で、いつか老人の子供を身ごもっちゃうんです。そこまでの話だったら、誰だって考えつくでしょ。ところが彼女の場合出産のときの血と一緒に毒が出ちゃったのか、子供を産んだとたん正気に返っちゃった。老人のことは覚えていない。こういうことってちょっと想像できないでしょ。『祭りの準備』は実際にあったからこそ描けた話なんですよね」などと述べている[3]

作品の評価

  • 松尾スズキは「悩む江藤潤。これこそATGだ。果てしなくだらしない原田芳雄もいい。陰鬱な海沿いの町の風俗、どれをとってもATGっぽい。ATGっぽいのにも程がある、にも関わらず色んなアイデアが隙間なく詰まってて飽きさせない」などと評価している[4]
  • 阪本順治は「主人公の楯男はまさに僕です。僕の実家は商売をやってまして、店員さんも含めみんな親戚なんです。だから子供のときからその三代目を継ぐように商売人として育てられるわけです。でも、僕は家業を継ぐ気はさらさらなくて映画監督になりたいと思ってた。楯男にとっての新藤兼人は、僕には大島渚だった…この映画はすべてが勝利してます。黒木和雄さんの演出力や鈴木達夫さんのキャメラワーク、ロケ地の風景が持っているもの。出演者も、船に土砂を運んでいく地元エキストラの人たちや、木の上にいるおばあちゃんも、みんなが生き生きしている。 杉本美樹さんや芹明香さんは今見ても新鮮だし、ヒロポンで頭がおかしくなった桂木梨江も素晴らしい。あのタマミって役柄は、村社会の話をやろうとするときに絶対必要な異物なんですよね。彼女が町に帰ってくることで何かが壊れていく…ラストシーンの原田芳雄さんの万歳、あれは仲間うちで流行りましたねぇ。映画好きの後輩が、俺を駅のホームから見送るときに『止めたてくれ』って言っているのに『万歳!万歳!』って走って追いかけてくる。でも僕らだけじゃなかったと思いますよ。当時この映画を観た人間は、少なからず似たようなことをやってたんじゃないですか。要は『かぶれる』ってやつですよ。それほど、この映画の原田さんは輝いてた」などと評している[2]

関連作

脚注

外部リンク

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