空格子近似
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この自由電子のモデルにおける格子の周期ポテンシャルは弱くなくてはならない。そうでなくては電子は自由ではなくなるからである。散乱の強さは主に系の形状およびトポロジーに依存している。散乱断面積のようにトポロジカル的に定義されたパラメータは、ポテンシャルの大きさとポテンシャル井戸の大きさに依存している。1次元、2次元、3次元の空間では、ポテンシャル井戸はポテンシャルの大きさや符号や大きさがどれくらい制限されるかに関わらず常に波を散乱させる。一次元格子の粒子の場合、クローニッヒ・ペニーモデルのようにポテンシャル、格子間隔、ポテンシャル井戸の大きさの値を代入することにより、分析的にバンド構造を計算することができる[2]。2次元及び3次元の問題では、いくつかのパラメータを有する類似のモデルに基づいて正確にバンド構造を計算するのはより難しいことである。それでもなお、バンド構造の特性は摂動法を用いることでほとんどの領域で容易に近似をすることができる。
理論的には、格子は無限大の大きさなので、弱い周期的散乱ポテンシャルは最終的に波を反射するのに十分な強さになる。散乱の過程は結晶構造の周期的ポテンシャルによる良く知られた電子のブラッグ反射をもたらす。これは分散関係とブリルアンゾーンにおけるk空間の分割の周期性の原因である。周期的エネルギー分散関係は以下の式で表される。
右図は、長さaの格子単位を持つ1次元格子の逆空間における3つの周期の分散関係を示している。
エネルギーバンド及び状態密度
1次元格子では、エネルギー間のバンドを決定する逆格子ベクトル の数はエネルギーが上がると2に限られる。2次元及び3次元格子においては自由電子バンド を決定する逆格子ベクトルの数は波数ベクトルの長さやエネルギーが大きくなると、急速に増加する。これは区間 にある逆格子ベクトル の数が増えるからである。エネルギー間 における状態密度は、逆格子空間での における状態数と分散関係 の勾配による。

格子セルは球対称ではないが、分散関係が中心のブリルアンゾーンより外側に広がると、逆格子セル内の中心の定点から見ると球の対称性を持つ。3次元格子の状態密度は格子がない場合と同じである。3次元の場合、状態密度 は
となる。3次元空間においてブリルアンゾーンの境界は平面である。分散関係は、全ての可能な逆格子ベクトルに対する自由電子のエネルギー分散の放物線による円錐曲線を示す。これにより、分散関係が計算される際に1次と高次ブリルアンゾーン境界、分散放物線の交差円錐、評価曲線の間に可能な角度が多数あるため、曲線の非常に複雑な交差の組み合わせになる。
