空気のうすいぼくの部屋
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山本悍右の戦後作品における位置
発表と掲載
本作は、山本の「劇的な連続写真」の一例とされる。これは、三点から五点ほどの写真を縦または横に並べ、叙述的な効果を生み出す作品群である[6]。 1956年11月24日から銀座の松島画廊で1週間開催された山本の個展では、四点組の「photo story: Kuki no usui boku no heya」が、山本の独創性がもっとも明瞭に現れた作例として取り上げられた[6]。
2001年図録所収の年譜によれば、本作は1957年11月に『VOU』58号に四点組のフォト・ストーリーとして掲載され、1999年にはジョン・ソルトの『Shredding the Tapestry of Meaning』にも再録された[7][8]。
評価
本作は、カメラが「詩人の声」を運びうることを示した作品として受け止められてきた。戦後の『VOU』周辺の文脈、および山本がのちにコンクリート・ポエトリーやヴィジュアル・ポエトリーの名のもとに連作写真を発表していく流れのなかで、本作はその転回点の一つとみなされている[6]。
また、飯沢耕太郎によれば、本作は日本におけるシークエンス写真のきわめて早い実験例として評価されている。アメリカの写真家デュアン・マイケルズが本格的にシークエンス作品を発表しはじめるのは1960年代後半であり、本作はそれより10年以上早い[4]。 そのため本作は、写真を視覚的な物語の媒体として用いる戦後写真表現の先駆的作例の一つとされ、戦前の前衛写真史にとどまらず、戦後日本の写真と現代美術の連続性を考えるうえでも重要な参照点となっている[3]。