竹青
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概要
あらすじ
むかし湖南に魚容という名の貧書生がいた。氏も育ちも共に賤しくなく、ひたすら古書に親しみ、とくに道にはずれた振舞いもなかった人であるが、運には恵まれなかった。早く父母に死別し親戚の家を転々とし、ひとりの酒くらいの伯父から無学の下卑を押しつけられ、その女と結婚した。女は酒くらいの伯父の妾であったという噂もあり、顔も醜いが、心もあまり結構でなかった。魚容の学問を頭から軽蔑していた。
魚容はある日「おれもそろそろ三十。ここは一奮発して大いなる声名を得なければならぬ」と決意して、女房を殴って家を飛び出し、郷試(きょうし)に応じたが見事に落第。とぼとぼと故郷に帰る途中、洞庭湖畔の呉王廟の廊下に這い上がって寝ころんだ。
「からすには、貧富が無くて、仕合せだなあ」と小声で言って目を閉じうとうとすると、黒衣の男にゆり起こされた。男は「呉王さまのお言いつけだ。そんなに人の世がいやになって、からすの生涯がうらやましかったら、ちょうどよい」と言って、ふわりと薄い黒衣を魚容にかぶせた。たちまち魚容は雄の烏となり、竹青という名の雌の烏と出会う。