- 第1期名人戦挑戦手合七番勝負第5局 1976年10月27-28日 大竹英雄名人(先番)-石田芳夫九段

挑戦者の石田が3連敗後1勝の後の第5局は、序盤はゆっくりした碁で、白番の石田のペースかと思えた。右上隅で白46手目に△と全体の黒の薄味をうかがったが、黒1(47手目)から、黒3のコスミツケ一本で隅を間に合わせて黒5と打ったのが絶妙の1手と言われ、黒15までさばき形に進んだ。この後、隅の手順で白が間違えて、黒が勝勢となった。129手まで黒中押勝となり、大竹は名人位を防衛、2連覇となった。白△の手では7の点に飛んでおけば、黒の薄味を守るのが難しかったったろうというのが、解説の林海峰の意見だった。
- 石田1勝 第4局 1976年10月20-21日 大竹英雄名人-石田芳夫九段(先番)

先番石田の黒1(29手目)の利かそうとする手に大竹は白2と反発した。一日目の封じ手は誰も予想できない右辺黒7のツケで、石田はこの手に1時間20分を使っている。二日目になって黒9と突き出して黒のペースだが、白16が敗着に近い悪手で、黒19が中央を厚くする絶好点となり、さらに右辺黒25まで模様が大きくなって、黒の優勢となった。白16では一路右に打つべきだった。その後黒が右上で失着があり、中央に大きな白地ができたが、黒がリードを守り切って、229手まで黒2目勝。ようやく1勝を挙げた。