紀州備長炭

From Wikipedia, the free encyclopedia

紀州備長炭(きしゅうびんちょうたん)は、白炭の一種で、ウバメガシを主とするカシ類を原木とする和歌山県の紀南地方を中心に産する備長炭[1]。和歌山県木炭協同組合の地域団体商標である[1]

江戸時代元禄年間(1688年 - 1704年)に紀伊国の炭問屋であった備中屋長左衛門がその名の由来となっている[2]

強く安定した火力を長時間維持できることが特長である[1]。また、素材の生臭さを消し、汁が落ちても火の粉が散りにくい性質もある[2]。そのため、炭火焼を売り物にする料理屋(屋、焼き鳥屋)などで重宝される。

紀州備長炭の規格は、樹種では馬目(ウバメガシを原料とする品質の良いもの)、備長(ウバメガシを除くカシ類を原木とする品質の良いもの)、樫(カシ類を原木とする品質がやや劣るもの)に分けられる[1]。また、太さや長さで、細丸、小丸、上小丸、中丸、半丸、割、荒に分けられる[1]。形状により燃焼の特性に違いがあり、小丸は比較的強い火力が安定して続く、半丸は緩やかな火力が持続する、荒(馬目上)は比較的着火しやすく短時間で勢いよく燃えるといった特徴がある[1]

和歌山県は、紀州備長炭製炭技術を1974年昭和49年)4月9日に和歌山県無形民俗文化財に指定した[3]。さらに2006年(平成18年)11月には「紀州備長炭」が地域団体商標に登録された[1]

生産

紀州備長炭の代表樹種はウバメガシである[1]。紀州備長炭の焼き方には、熱窯、冷やし窯、中間型の3種類がある[1]

2008年の和歌山県における生産量は約1,700t[4]

航空輸送と安全認証

紀州備長炭航空輸送用シール2種

通常、木炭は危険物に分類されるため航空機への持ち込みや輸送は制限されているが、和歌山県木炭協同組合が発行する「紀州備長炭証」および「NON-DANGEROUS GOODS」と記載された黄色いシールが添付された紀州備長炭については、特例として航空輸送が認められている。日本航空では、これらの条件を満たす紀州備長炭に限り国内線での搭載を許可しているとされる[5](他の航空会社での取り扱い状況は明らかではない)。このシールは正規の紀州備長炭を取り扱う業者にのみ配布されており、製品の真正性を示す証明としても用いられている。

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI