博士(経営学)
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DBAとPh.D.(経営学)の違い
英語圏および近年の日本においては、経営学系の博士学位は主に Ph.D. (Doctor of Philosophy) と DBA (Doctor of Business Administration) の2種類に大別される。
一般的に、Ph.D.は「既存の理論に対する学術的な新知見の貢献」を目的とするのに対し、DBAは「実務上の課題に対する理論の応用と解決」に重点を置くという違いがある[1][2]。
| 項目 | Ph.D. (経営学) | DBA (経営学博士/専門職博士) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 学術的な新知見の発見、理論の構築 | 実務上の課題解決、既存理論の実践的応用 |
| 対象者 | 主に研究者・大学教員志望者 | 主に豊富な実務経験を持つ経営者・実務家 |
| 研究アプローチ | 理論のギャップを埋め、拡張する | 現場の複雑な問題を理論で解決する |
| キャリアパス | 大学教授、研究機関の研究員 | 企業の経営層、高度専門コンサルタント |
世界におけるDBAの状況
世界的に、DBAは経営管理分野における「ターミナル・ディグリー(最終学位)」として認められている。米国、英国、カナダ、オーストラリアなどの主要国では、Ph.D.と学術的に同等の価値を持つものと定義されている。
- アメリカ合衆国
アメリカ国立科学財団 (NSF) は、学位授与調査(Survey of Earned Doctorates)において、DBAをPh.D.と同様に独創的な研究を要する「研究博士号 (Research Doctorate)」として分類している[3]。アメリカ合衆国教育省 (ED) も、これらを最高位の学位として認めている。 ハーバード・ビジネス・スクールのように、1953年から授与していたDBAを2018年にPh.D.へ統合・名称変更した機関もあるが、これまでのDBA保持者も現行のPh.D.と同様に大学のテニュアトラック(終身教授職への道)への応募資格を有し、アカデミアと実務の両面で最高位の学位として扱われる[4]。 近年では、社会人がキャリアを継続しながら学位取得を目指せるよう、オンライン形式のプログラムも普及している。例えば、ミシガン大学フリント校では、対面とオンラインを組み合わせたDBA課程を提供しており、実務家が地理的制約を超えて研究に従事できる環境が整っている[5]。
- イギリス
教育品質保証機構 (QAA) の高等教育資格枠組み (FHEQ) において、DBAはPh.D.と同じ「レベル8」に分類されている[6]。理論への学術的貢献だけでなく、専門的な実務知見への独創的な貢献が求められるのが特徴である。入学には多くの場合、5〜7年以上のシニアマネジメント経験が必要とされる。
- オーストラリア
オーストラリア資格枠組み (AQF) において、DBA(Professional Doctorate)はPh.D.(Research Doctorate)と同じ「レベル10」に位置付けられる[7]。修了者はPh.D.保持者と同様に、大学の講師や研究職に就くことが一般的である。
- カナダ
カナダにおいてもDBAは経営学における最終学位として認識されている。ユニバーシティ・カナダ(加盟校)によって授与されるDBAは、Ph.D.(マネジメント)と等しい地位を保持する[8]。