練習曲 (サン=サーンス)
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練習曲(れんしゅうきょく、フランス語: Étude)は、カミーユ・サン=サーンスが作曲したピアノ曲。全18曲存在する。
6つの練習曲 作品52
1877年作曲(第2曲のみ1868年)。各曲はそれぞれ別のピアニストに献呈されている。
- 第1曲 前奏曲 (Prélude)
コン・ブラヴーラ、ハ長調、4/4拍子。エドゥアール・マルロワ(Édouard Marlois)に献呈。リストの超絶技巧練習曲第1曲を思わせる、即興的なパッセージが絶え間なく続く作品。後半は重音の狭い音域のアルペジオの練習曲となる。
- 第2曲 各指の独立のために (Pour l'Indépendance des Doigts)
アンダンティーノ・マリンコニコ、イ短調、4/4拍子。ヴィルヘルム・クリューガー(Wilhelm Krüger)に献呈。厚い和音から旋律線(大きな音符で記譜されている)を浮き立たせる練習曲。
- 第3曲 前奏曲とフーガ (Prélude et Fugue)
アレグロ、ヘ短調、4/4拍子‐アニマート、2/2拍子。アントン・ルビンシテインに献呈。前奏曲は左右交互に三連打される和音の練習曲。フーガは三声で、半音階的な処理を多く含む。
- 第4曲 リズムの練習曲 (Étude de Rythme)
アンダンティーノ、変イ長調、2/4拍子。コンスタンス・ポンテ(Constance Pontet)に献呈。ウィットに富んだ2:3のクロスリズムの練習曲であり、和音によるもの、拍頭を欠いたもの、片手で弾き分けるものなど様々なパターンが想定されている。
- 第5曲 前奏曲とフーガ (Prélude et Fugue)
アレグロ・モデラート、イ長調、4/4拍子‐モデラート。ニコライ・ルビンシテインに献呈。前奏曲は六度のトレモロの練習曲。フーガは四声で、前奏曲からとられた主題を用いている。
- 第6曲 ワルツの形式で (En Forme de Valse)
ムブマン・ド・ヴァルス、変ニ長調、3/4拍子。マリー・ジャエルに献呈。単独のコンサートピースとして演奏される機会も多い。複合三部形式の華やかなワルツで、オクターヴ、同音連打、重音など様々な技巧が要求される。 また、後にウジェーヌ・イザイによって「ワルツ形式の練習曲による奇想曲」("Caprice d'après l'Etude en forme de Valse de C. Saint-Saëns") として、ヴァイオリンとピアノまたは管弦楽のために編曲されている。
6つの練習曲 作品111
1899年作曲。作品52同様、各曲が別のピアニストに献呈されている。
- 第1曲 長三度と短三度 (Tierces Majeures et Mineures)
アレグレット、嬰ト短調、4/4拍子。アルテュール・デ・グレーフに献呈。2-4指と3-5指で行う三度のトリルの練習曲。音形の類似や調性の選択から、ショパンの練習曲Op.25-6を意識したものと考えられる。
- 第2曲 半音階の奏法 (Traits Chromatiques)
アレグレット、イ短調、3/4拍子。ルイ・リヴォン(Louis Livon)に献呈。五指全てを使う半音階の練習曲であり、極端な指の収縮が求められる。
- 第3曲 前奏曲とフーガ (Prélude et Fugue)
モデラート・アジタート、変ホ短調、2/2拍子‐モデラート・エスプレッシーヴォ、4/4拍子。シャルル・マレーブに献呈。前奏曲は、常に変化する和音連打の練習曲。フーガは四声で、終結部にはトッカータ風のカデンツァが置かれる。
- 第4曲 ラス・パルマスの鐘 (Les Cloches de Las Palmas)
アンダンティーノ、嬰ト短調、6/8拍子。クロティルド・クレーベール(Clotilde Kleeberg)に献呈。同音連打を含む急速な音形のための練習曲。繊細なパッセージと和声の取り扱いによって、印象主義音楽に接近している。
- 第5曲 半音階の長三度 (Tierces majeures chromatiques)
ヴィヴァーチェ、ニ長調、4/4拍子。エドゥアール・リスレルに献呈。題の通り長三度の半音階を徹底的に活用しており、ユーモラスな練習曲だが演奏は難しい。
- 第6曲 第五協奏曲によるトッカータ (Toccata d'après le Cinquième Concerto)
モルト・アレグロ、ヘ長調、2/4拍子。ラウール・プーニョに献呈。3年前に書かれたピアノ協奏曲第5番のフィナーレを下敷きにして書かれた(曲の構成や音形には細かい相違が多い)もので、爽快な演奏効果を持ち、単独で演奏されることも多い。広い音域のアルペジオや跳躍、両手交互の和音連打などの技巧がふんだんにちりばめられている。